tel

豆知識

遺品整理

遺影の処分方法3つー供養は必要ない理由と小さくする方法

葬儀が終わった後で遺影の置き場や処分方法に困る方も多いのではないでしょうか。

遺影の意味や処分に困る理由が分かると、納得いく方法で手放すことができます。
この記事では遺影の意味やリメイク、処分方法、飾る際の注意点をご紹介します。



【監修】遺品整理士協会認定 遺品整理士
片山 万紀子

祖父の遺品整理をきっかけに遺品整理や不用品回収に興味を持ち、遺品整理士協会認定・遺品整理士の資格を取得。ReLIFE(リライフ)のディレクターをする傍ら、年間600件以上の遺品整理に携わる。遺品整理を通して「ありがとう」という言葉をいただけること仕事のやりがいとしています。


遺影を処分する3つの方法

遺影,処分

遺影の処分方法に明確なルールはないので、遺影の人物に関わる方が納得する方法を選んで構いません。

遺影に開眼供養(魂を入れる儀式)をしてある場合は閉眼供養(魂を抜く儀式)が必要ですが、遺影は葬式の演出の一つとして作られることが多く、開眼供養はされていないことが多いです。

ここからは遺影を処分する3つの方法を紹介します。

①お寺や神社で処分する

お寺や神社では供養から処分まで行っているので、遺影を適切に供養してから処分したい方におすすめの方法です。

遺影の処分には宗派など関係なく、依頼するお寺に決まりもありません。
葬儀のときに利用した菩提寺や知り合いのお寺にお願いするとスムーズです。

費用はお寺や神社によって金額が独自に設定されており、相場料金は10000円~50000円です。お布施や玉串料として封筒に入れて、供養が終わった後や遺影を渡すタイミングで渡します。

どんど焼き

遺影,処分
お正月にお寺で行う「どんど焼き」で遺影を処分するのは、おすすめできない方法です。

どんど焼きは古いお守りやお札、正月飾りなどを集めて焚き上げるための行事で、お正月に歳神様を迎え入れ、その年の稲の実りを祈るものです。お焚き上げと似ていますが、故人の位牌や遺影を処分する場ではありませんので、どんど焼きに持ち込むのは控えます。

神社でもお寺と同じようにお焚き上げが行われていますが、位牌や遺影、遺品はお守りやお札などとは区別され、供養後に自治体のルールに従って産業廃棄物として適切に処分しています。

遺影の場合、写真は紙なのでお焚き上げは可能でも、フレームは化学製品や金属などが使われているのでお焚き上げの対象にはなりません。遺影はお寺や神社に依頼すればと供養した後で処分してくれるので、気持ちの面で引っかかる方におすすめです。

お焚き上げの意味や依頼先は【遺品整理でお焚き上げは必要?供養の仕方と依頼する場所と費用】をご覧ください。

②葬儀社・供養業者で処分する

遺影,処分

葬儀社や供養業者に処分を依頼する方法もあります。
自分で処分するのに抵抗がある方や付き合いのあるお寺がない方に向いている方法です。

葬儀社
葬儀を行った葬儀社では遺影の処分を引き受けてくれます。葬儀から1年以上時間が経過していても、葬儀をしてもらった葬儀社に連絡すれば処分をしてくれることもありますが、遺影の処分のみを行う葬儀社は少ないです。

遺影は四十九日の法要で使用するため、法要が終わったあとに処分する方が多く、葬儀社側から「遺影の処分について」声をかけてくれることもあります。

四十九日の法要は一般的に寺院、ご自宅、葬儀ホールやホテル、料理屋などの施設で行います。葬儀から四十九日の法要までを葬儀社でまとめて依頼すれば処分がスムーズに進みます。

遺影の処分費用は葬儀や法要料金に含まれている場合と別途必要になるケースがあり、葬儀社によって異なります。

供養業者
遺影の供養サービスを行う業者もあり、インターネットから郵送で受け付ける手軽さが人気です。
宗派や供養方法は選べない業者が多い上、基本的には集められた遺品や不用品と一緒に合同供養されます。宗派にこだわりがなく、形式上供養したい方に適した遺影の処分方法です。

遺影の供養と処分だけを設定している供養業者もあります。
費用は1枚1700円ですが、供養業者までの郵送料は自己負担になります。また、フレームやガラスは外して送る用に支持されています。

供養業者ではぬいぐるみや人形などの供養も1箱単位で受けつけており、遺影の他に故人の愛用品の供養や処分に迷っている方はおすすめです。

ダンボール1箱に詰めて5000円(送料別)が相場料金です。

ぬいぐるみの処分方法は【ぬいぐるみの処分方法4つ-売る・寄付・燃えるごみ…供養は簡単にできる】をご覧ください。

③自分で処分する

遺影,処分

遺影には宗教的意味はなく、写真の材質は紙なので可燃ゴミとして処分しても問題はありません。

大切な故人の顔が映っている遺影をそのまま、もえるごみとして処分するのに抵抗感が出るのは当然です。気になる方は白い布や紙で写真を包み、塩を振ってから捨てると気持ちが落ち着きます。
白や塩には浄化作用があると言われていますし、手間をかけることで遺影の故人も報われるのではないでしょうか。

生ごみや生活ごみと一緒に処分するのではなく、単体または故人の愛用品と一緒に袋に入れ、少しでも故人を思いやる行動をすると自分の気持ちへの負担が少なくなります。

フレーム、ガラスは不燃ゴミ
遺影が入っていた額はガラスや金属で作られているので、多くの自治体では不燃ゴミに分類されます。自分で遺影を処分する時は、故人を思いやる気持ちを持って、自治体のルールに従うことに気を付けます。

遺影に宗教的な意味はない

遺影,処分

遺影には宗教的な意味がなく、9割以上の方は遺影に開眼供養をしていないこともあり、形式上でも供養の必要はないとされています。

仏教が始まったのは紀元前5世紀頃です。その時代にはまだ写真がないことからも、遺影に宗教的意味合いはないといえます。
海外では、遺影を用意する習慣はない国が多く、遺影は日本独特の文化です。

遺影の始まりと意味を理解すると「供養をしなくていい理由」がわかります。

遺影の始まり

遺影の始まりには諸説ありますが、葬儀社が葬儀の演出の一つとして始めたものではないかと言われています。祭壇に故人の顔写真があると葬儀時に故人をより鮮明に思い出せるので、演出の1つとして取り入れたことが始まりです。

写真が普及する前にも肖像画で遺影は作られていたので、今でも5代以上続く家の仏間には先祖の遺影が飾ってある家も多いです。江戸時代中期頃から流行した、歌舞伎役者など有名人が亡くなった際に描かれた浮世絵の「死絵(しにえ)」が遺影の始まりではないかとも言われています。

遺影写真のルーツには諸説ありますが、どの説も宗教的な意味合いは確認できませんでした。

遺影の意味

遺影には「故人を偲ぶ」という意味があります。

遺影の文化が普及したのは日清・日露戦争のあたりで、戦地に出兵した後、戻ってこないことも多かったので、家族が座敷に故人の写真を飾って偲びました。

遺影は葬儀後、故人を偲ぶために後飾り檀や仏壇の近くに飾られることが多いです。

2015年くらいまで遺影はかしこまった表情で残すことが主流でした。2021年現在はいきいきとした表情を思い出してほしいという思いから、笑顔の写真が遺影に選ばれることも増えています。

現在の遺影は元気だったころの故人を鮮明に思い出し、偲ぶための意味合いが強いです。

遺影の供養は必要?

遺影,処分

基本的には遺影に供養は必要ないと言われていますが、必要なケースも稀にあります。

以下に記載した「供養が必要なケース」に当てはまるときは、適切な方法で供養してから処分した方が気持ちに引っ掛かりが残りません。

供養が必要なケース

遺影に開眼供養をしているようなら、遺影自体に魂が宿っていることになるため閉眼供養が必要になります。

仏壇や位牌は開眼供養をしますが、遺影に開眼するケースは稀ですが、数代前の先祖の遺影などで、過去帳に開眼供養の記録がないときは菩提寺に開眼供養をしたか確認するとよいでしょう。

「先祖の遺影をそのまま処分することに抵抗がある場合」は供養した方がよいです。

自身の気持ちを落ち着かせるために供養するのであれば、閉眼供養でなくても構いません。
お寺や神社など故人を偲べる場所に出向き、故人との思い出に触れてみることも立派な供養となります。

遺影の供養方法と依頼先

遺影の閉眼供養をするときは開眼供養をしたお寺に依頼することが望ましく、菩提寺が好ましいです。宗派によって僧侶が読み上げる経に違いがあるためです。

供養ではには「お寺に持ち込む場合」と「家に来て供養してもらう場合」があります。仏壇や複数の遺品の供養を同時に依頼するときには家に来てもらうとよいでしょう。

仰々しく供養しない時は前述した供養業者を利用するのもおすすめです。

供養については【遺品の供養の手順・時期・依頼先・料金をご紹介―供養する意味は?】をご覧ください。

遺影を処分する3つのタイミング

遺影,処分

遺影を処分するタイミングは大きく分けると3つありますが、仏具ではないため処分に明確なルールがありません。

はっきりしたタイミングがないので、時期を逃すと処分が先延ばしになってしまう可能性があります。以下のタイミングのいずれかを選ぶと区切りよく処分できます。

遺影は「故人の面影を残す写真」のことで、半永久的に飾る家もあるため、処分の有無は親族に確認から行います。

ここからは「遺影を処分する3つのタイミング」を紹介していきます。

①遺品整理や仏壇を処分するとき

遺影,処分

実家の遺品整理をするときや仏壇を処分する時は遺影も一緒に処分するタイミングの一つです。
遺品整理後、家の売却や解体を行うときには所有物を撤去しなくてはなりません。思い入れのある遺品や仏壇を処分するときは、お寺や遺品整理業者で供養を手配します。遺品整理業者を利用すると供養から回収までワンストップで行えるので、宗教にこだわりがない方にはおすすめです。

遺品整理業者では遺影の処分を依頼されることも多いので、供養や処分には慣れていますし、合同供養であれば無料で受け付けている業者もあります。

仏壇の処分方法は【仏壇の処分方法5つと注意点―正しい流れと処分依頼先は…】をご覧ください。
実家の処分方法は【田舎の家の処分方法2つと処分できない時の対処法―どこに相談する?】をご覧ください。

遺影以外にも処分する不用品がある時は【空き家の不用品を処分する2つの選択・遺品整理業者の事例2つ】をご覧ください。

②四十九日や初盆や法事が終わったとき

四十九日が終わったときに遺骨や位牌、遺影は、設置していた後飾り祭壇を処分するときに一緒に処分することが一般的です。

仏教では「故人の魂は亡くなってから四十九日間は次の世が決まるまでこの世で過ごす」と言われているからです。

納骨が終わった後、後飾り祭壇は役割を果たし不要になるので、そのときに一緒に遺影を処分してしまっても問題はありません。納骨は時期に決まりがなく、一般的な目安は四十九日です。

宗派によっては初盆や法事に遺影を使用する場合もあり、地域や習慣によっても異なります。法事は地域やお寺の方針、宗教によって細かく違うので親戚やお寺に確認します。安置檀を初盆の法事などで使用する場合は、大切に保管しておくのが良いでしょう。

万が一、処分してしまっても、遺影写真のデータがあれば再度作成することができます。

③引越し・結婚など環境が変わったとき

遺影,処分

引越し、結婚、離婚などで住まいが変わった時も遺影を処分するタイミングの一つです。

利便性や洋式建築が主流になるにつれて、仏間を作らない家が増えています。

昭和中期以降に建てられた家や土地に余裕がある郊外の地域では仏間が間取りの一つに加えられているのが一般的です。平成以降に建てられた家や都市部の住宅密集地では、使用頻度が少ない仏間を作らない方が増えていることが背景にあります。

引越しや建て替えで仏壇を置くスペースがなくなったときには、仏壇を処分したり、小さな仏壇に買い替えることになりますので、同時に遺影の処分を行うとスムーズです。

仏壇を置くスペースはなくても故人を思い出せるよう遺影だけを残す方法もあり、次の項でご紹介します。

遺影をリサイズして保管する

遺影,処分

遺影を仰々しく飾るスペースはないけれど、捨てずに取っておきたい方には小さくして残す方法もあります。
ここでは遺影をリサイズやリメイクする方法をご紹介します。

遺影を自分で小さくする

遺影を自分で小さくしたり、データとして残したりする方法は自由な大きさにでき、費用も抑えられます。

遺影をパソコンやスキャナ機能付きプリンタを利用し、データとして残すと必要な時にいつでも印刷できます。データとしてスマホにいれるといつでも故人を身近に感じられるので、「故人を偲ぶ」意味でも遺影の保存方法に最適です。

遺影を業者で小さくする

遺影,処分

パソコン操作が苦手な方やスキャナプリンタがない時には、写真を業者でリサイズしてもらう方法もあります。

写真屋では紙の写真をデータ化したり、データ化した写真をペンダントやキーホルダーにする商品を提供しています。料金は500円~3000円程度で、データはSDカードやオンライン上で受けとれます。

元になった写真は返却されるので、自分で処分しなければなりません。

小さくした遺影の保管方法

小さくした写真は写真たてに入れるとリビングに飾りやすくなります。

遺影をデータ化した場合には、デジタルフォトフレームの中の一枚としても利用できます。数百枚以上の写真をスライドショーの様にみられるデジタルフォトフレームは場所をとらないので、キッチンカウンターにも置きやすいです。

遺影の飾り方

遺影,処分

遺影を処分すべきか迷っている、気持ちに区切りがつかない時には無理に処分する必要はありません。自分の気持ちと必要性に応じて処分するのが、後悔なく遺影を処分するタイミングです。

遺影を処分しない時には飾ることになりますので、ここでは飾ると場所と飾ってはいけない場所を理由と共にご紹介します。

遺影を飾る場所

仏壇の近くや仏間は遺影を飾る場所として最適です。
仏壇にお参りするときに遺影を見ることで、故人の人柄や思い出を鮮明に思い出し、偲ぶことができます。

仏間の次に遺影を飾るのに適しているのは「床の間」です。
床の間は仏間とおなじく家の中で高い位置になるように設計されているため、先祖の遺影を仏間や床の間に飾ることは先祖を敬うことにつながります。

しかし、年々仏間や床の間がない家が増えており、マンションではほぼないのが実情です。
マンションの場合でも押し入れを改造し、簡易的な仏間を作る方法がありますし、リビングやサイドボードの上、寝室に飾っても構いません。

遺影に宗教的な意味がないように、遺影を飾る場所にも決まりはありません。

自分や家族が故人を思い出し、心が落ち着くなどのよい効果があるのであれば、基本的には好きな場所に飾るのがいいのですが、注意点はあります。飾る向きや場所の注意点は次の項で紹介します。

遺影を飾る向きや注意点

遺影,処分

遺影を飾る場所は基本的にどこでもいいと言われていますが、「仏壇の上」や「仏壇の中」には飾ってはいけません。

仏壇は仏教の中心である本尊をお祀りする小さなお寺のようなもので、「自宅にあるお寺」という位置づけです。
故人や先祖は仏壇の中で本尊のそばに安置され、仏壇は本尊を尊重するものとなります。
遺影を仏壇の中に飾ることは、本尊を隠してしまうことになり、僧侶が経を唱えたり家族がお参りしたりするときに正しくお参りできなくなってしまうからです。

仏壇の真上に遺影を飾ることは、本尊や先祖を上から見下すことになるため失礼に当たります。真上以外であれば、左右どちらかに少しずらすようにすれば飾る場所は自由です。

先祖代々の遺影を床の間に飾る場合は、仏壇に向かって右側(上座)から年代の古い順に飾っていくようにしましょう。夫婦の場合は、夫が上座になります。

方角や向きに決まりがありませんが、故人の写真がいつまでも色鮮やかに残るよう直射日光が当たらない位置が好ましいです。

遺影の処分方法まとめ

遺影の処分方法についてご紹介しました。
遺影には宗教的な意味合いはなく、セレモニーで使用する小物の一種という位置づけですが、大切な個人が映っています。先祖代々の写真をそのまま処分することに気が引ける方は供養後処分することをおすすめします。

処分するタイミングにも決まりはないので、自分が納得できるタイミングで構いません。
捨てること自体が心苦しい時には、リサイズやデータ化し遺影を新しい形にする選択肢もあります。