豆知識

不用品回収

遺品整理で衣類を処分する5つの方法とのこす衣類の決め方

遺品整理では着物やスーツなど特別な日にしか着ない衣類からや普段使いしていたTシャツ、下着までの処分方法を決めなければなりません。衣類は資源としてリサイクルする他にもワクチン接種に役立てることもでき、処分方法は多岐にわたります。

この記事を読むと遺品整理での衣類の処分方法が分かり、納得いく形で故人の衣類の処分ができるので、引き続き遺品整理が進められます。

遺品整理,衣類

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【監修】遺品整理士協会認定 遺品整理士
片山 万紀子

祖父の遺品整理をきっかけに遺品整理や不用品回収に興味を持ち、遺品整理士協会認定・遺品整理士の資格を取得。ReLIFE(リライフ)のディレクターをする傍ら、年間600件以上の遺品整理に携わる。遺品整理を通して「ありがとう」という言葉をいただけることを仕事のやりがいとしています。

衣類の遺品整理をする3つの準備

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衣類の遺品整理では順番とルールに従うと、迷うことなく進められます。
衣類も遺品となり、相続人の持ち物なので準備を怠ると親族間でトラブルに発展することもあります。

1.遺言・エンディングノートを確認

故人が遺言やエンディングノートなどで衣類の処分について意思を残していないか、確認しましょう。エンディングノートに法的効力はありませんが、故人の遺志を可能な限り尊重することで遺品整理での心の負担を軽くする事ができます。

遺言書には法的効力があるため、書いてある内容に従う必要があります。

衣類の中でも着物や高級ブランドのスーツなど高価なものは、故人が形見分けしたかった人物の名前が書いてあることがあります。
エンディングノートの詳細は【エンディングノートで資産や希望を明確にする10項目―無料配布先も】をご覧ください。

2.親族と相談

衣類の遺品整理を始める前に相続人である親や兄弟と衣類の処分方法について相談します。

衣類に故人との思い入れがある可能性も考えられます。遺品整理に立ち会えない時や遺品整理業者を利用する場合でも事前に親族の中で残しておきたい衣類を確認すると、探し出すことができます。

遠方で遺品整理に参加できない親族がいる時には故人の衣類を写真に撮り確認することも1つの方法です。

3.ポケット内の中身の確認

衣類の仕分けを行う前にはコートのポケットやジャケットの内ポケットを確認しましょう。
遺品整理ではポケットから現金や印鑑、指輪など小さなアクセサリーが出てくることもよくあります。

特に男性はコートやジャケット、ズボンのポケットに小銭などお金を入れている習慣を持つ方が多いです。

1度、処分してしまうと探すことはできないので、1点1点ポケットの中身を取り出していきます。

遺品の衣類を故人に着せる

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まだ納棺に間に合うのなら、死装束の代わりに服を着せてあげることも一つの方法です。
死装束の代わりに個人が気に入っていた服を選ぶ方も増えています。

特に若くして亡くなられた方は愛用のドレスやワンピース、舞踊や琴が好きだった方には着物を死装束として選び故人らしさを大切にして送り出してあげる意味があります。
着せることが難しい場合は死装束の上からかけるか、棺桶に一緒に納める選択肢もあります。

死装束にできる衣類

火葬場によっては棺桶に入れてよい遺品が限られており、金属の装飾品を外すだけでなく、衣類も素材を限定されることもあります。素材や死装束の受け入れは葬儀社によっては対応が異なるため、事前に確認が必要です。

死装束は、古くからの日本の慣習です。仏教の考えでは「故人は仏のいる浄土へ旅に出る。浄土へつつがなく旅立てるよう願いを込めて着せる」という意味合いがあります。

遺品整理では衣類を3つに仕分ける

遺品整理,衣類
遺品整理をするときは、まず衣類を一ヶ所に集め「残す」「捨てる」「保留」の3つに仕分けます。
状態が良いものは、捨てることに罪悪感を抱えることもあるでしょう。「あの時に来ていた服だ」と感傷に浸り手が止まりそうになるかもしれませんが、全ての衣類を一ヶ所に固め、黙々と仕分けを進めるのがコツです。

1.残す衣類

残す衣類は「思い入れのあるもの」「高価なもの」「形見分けするもの」の3つが基準になります。この基準の他に遺言書やエンディングノートに記載があったものも残す衣類に分けられます。

思い入れのある衣類の基準は人によって異なりますが、引き取った後の衣類の保管方法がはっきりと答えられるものだけに絞ることをおすすめします。衣類に限らず、遺品には故人と自分との思い出が詰まっています。「思い出」と「モノ」を切り離して考えると遺品整理を進めやすくなります。

高価な衣類は、着物やハイブランドのスーツ、カシミア、毛皮のコートなど買い取りが見込める衣類です。高価ものや現在の価値がわからない場合には、一旦残しておいて買取専門業者に査定してもらってから、処分方法を決めると後悔しません。

2.捨てる衣類

残す衣類に当てはまらないものは、捨てる対象となります。

具体的には、色褪せやシミ・穴が空いているもの、普段着や下着が対象です。
故人が病気や要介護など入院生活が長かった場合は、パジャマや下着など沢山出てきますが、自分が衣類として着るもの以外は処分しましょう。

遺品整理で出る衣類の8割は捨てる衣類に分類されます。

3.保留する衣類

故人が気に入っていたり、思い出と切り離せない衣類の処分は決心がつかないこともあります。
判断に困った衣類は、いったん「保留」として1〜2ヶ月くらい保管しましょう。保管期間には衣類に込められた故人との思い出を親族や親しい知人に話すとグリーフケアになり、気持ちに整理をつけることができます。
グリーフケアの詳細は【グリーフケア5つの方法と悲しみと向き合い、遺品整理で吐き出す】をご覧ください。
遺品整理がつらい時は【遺品整理がつらい3つの理由と悲しみを乗り越えた方法】をご覧ください。

残す衣類の保管方法

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遺品整理で出た衣類の保管方法はそのまま残す以外に、リメイクや形見分けがあります。
衣類として残すよりも身近で使いやすくなる効果があります。

1.形見分け

親族内で事前に形見分けの希望があった衣類とエンディングノート、遺言書に書いてあった衣類は希望者へ渡します。
四十九日の法要の際は親族が集まるので形見分けで渡すちょうど良い機会です。形見分けで渡す際は、紙袋などに入れ法要後に渡すとお互いの負担になりません。形見分けの相手が遠方に住んでいるときには宅配便で「故人の希望により、こちらをお受け取りいただけると幸いです。」等と一筆添えて送ります。

形見分けに適さない品物は、汚れた物や壊れた物、受け取る方の好みに合わない物、高額過ぎる物は形見分けには適しません。
また、形見分けではラッピングやのしは不要です。
形見分けの詳細は【形見分けはいつ?誰に渡す?形見をもらった時の正しいマナー】をご覧ください。

2.故人の衣類をリメイク

残しておきたいけれど、自分が着ることができない衣類はリメイクし、新たな形で受け継ぐという選択肢もあります。

リメイクでは洋服や着物から別の服や小物に作り替えるので、有効活用できます。例えば、シャツやスカートなど別の服にリメイクする、ネクタイやバッグ・巾着など身の回りの小物、お花や額装・タペストリーなどインテリア用品を作ることができます。

リメイク費用
金額は、衣類の素材やリメイク製品によって異なりますが、小物は5,000円〜20,000円、洋服は15,000〜50,000円が相場価格です。例えば、着物からバッグや傘にリメイクする場合には22,000円程度となっており、意図をほどいて汚れやほつれを確認する作業や柄の出方を調整するなど技術料となります。

実用的な服や小物にリメイクする他、故人が普段着ていたシャツをぬいぐるみ用の服や小物にリメイクするお店もあります。お店によってリメイクできる品目や素材が変わるので、得意な職人に依頼すると完成度も満足度も高くなります。

3.写真に残す

処分する決心はできないけれど、保管スペースが確保できない時には写真に残してから処分する方法もあります。故人との思い出は心の中に入っているので、写真を見るだけで思い出を呼び起こすきっかけになります。

写真はスマートフォンやパソコンの他、クラウド上など複数の媒体に保管すると紛失時にもバックアップが取れるので無くしてしまう心配がありません。

1.衣類を売って処分する

遺品整理,衣類
遺品整理で処分対象になった衣類も普段の衣類と同様の処分方法で構いません。

「購入から数年以内で状態の良いもの」やブランド品、ヴィンテージ品など高価で希少価値が高い衣類は売って処分することもできます。買取相場は1枚10円〜数百円ですが、シャネルやエルメス、ディオールなどのハイブランドの衣類は10万円以上の買取価格が付くこともあります。

衣類を売る方法は大きく分けると「買取業者」「リサイクルショップ」「フリマアプリ(ネットオークション)」の3つです。

買取業者に売る

遺品整理で衣類が大量にある時や着物やハイブランドの衣類、衣類の他にも買取りが期待できる骨董品や家具、家電、貴金属がある時には買取専門業者の訪問買取を利用するのがおすすめです。

高価買取を広告で謳っているものの、二束三文だったという口コミも見かけます。
着物の場合、10年以上経過している、シミやカビ・臭いなど状態が悪い、素材に化学繊維を使っている場合は、査定額が大きく下がることは事実です。

一方、古くても状態が良く、着物の産地・品質を証明する「証紙」や作家が仕立てた証明の「落款」がついている場合、高価買取を期待できます。

自分たちでは価値が分からないものも市場価格や需要、遺品の状態から査定額を出し、その場で買取り金額を提示してくれます。普段使いしていたTシャツやデニムなどの衣類は買いとってくれないことが多いのでリサイクルショップを利用して処分します。

リサイクルショップで売る

リサイクルショップの衣類買取には2種類あり、1つ目は重さに応じて衣類を買いとってくれる「重量方式」、2つ目は1つ1つに査定額を出す「査定方式」です。

査定方式で価格が付かなかった衣類も重量方式なら買いとってくれることもありますが、痛みや汚れ、臭いが強いものや制服・ユニフォーム、使用済みの肌着など再利用できないものは買取対象外です。

リサイクルショップのホームページにはキャンペーンや買取強化ブランドが掲載されており、大量の衣類は買取金額が10%以上上がることもあります。

フリマアプリ、ネットオークションで売る

自分で出品や発送ができるのであればフリマアプリやネットオークションに出品する方法もあります。過去の履歴を確認して、同じブランド、同じ形の衣類が取引されているのであれば売れる可能性が高いです。

中古衣類の相場価格は1000円程度と低いですが、購入時の価格が10万円以上するモンクレーのコートであれば中古品でも50,000円以上の取引履歴がありました。購入希望者からの値下げ交渉や発送作業など手間がかかるので、確実に売れる衣類を出品するのがおすすめです。

メルカリはコンビニや郵便局から発送でき、匿名配送でお互いの個人情報を開示せずに、やりとりができるので、衣類以外の遺品整理で出た不用品も売りやすいです。

2.衣類を寄付する

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寄付できる衣類は団体によって異なりますが、8割以上の団体で衣類全般、バッグ、装飾雑貨などの寄付を受け入れています。

寄付する支援団体を選ぶポイントは、以下の3つが掲載されていることです。
①活動実績や成果が掲載されている
②寄付された衣類がどのように使われるか明記されている
③収支報告を掲載している

衣類とワクチンの寄付ができる団体

寄付団体、古着deワクチンでは専用回収キット(¥3,300)での衣類回収を行っています。回収された衣類は発展途上国で衣類として再利用され、回収キットで集められた費用はポリオワクチンに変えられ、開発途上国の子どもたちへ届けられます。

東京や神奈川では寄付団体洋服ポストによる衣類回収ポストが開設されていますし、遠方の方には宅配便でも受け付けています。寄付された洋服は主に海外の古着マーケットで販売され、リユースされます。また、集まった衣類の重量に応じて、環境保全や社会貢献活動を行う団体へ寄付活動も行っています。

遺品整理で出てきた衣類を再び誰かのもとで使われるので、故人の供養にもつながるのではないでしょうか。

3.ゴミとして処分する

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衣類は可燃ゴミ、またはリサイクル資源として自治体で一般ごみとして回収、処分します。

汚れがひどい衣類やひどく状態が悪い衣類は可燃ゴミとして処分するしかありませんが、まだ着られる衣類はリサイクル資源として回収された後発展途上国に届けられています。

その他、工場でウエスとして利用されることもありますので、可能であればリサイクル資源として処分した方がいいです。

4.衣料品店に持ち込み処分する

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衣料品店でもSDGsの一環として衣類の回収とリサイクルを行っています。

店舗や企業によって対象商品が異なり、回収に協力すると衣類の量に応じてポイントやクーポン券がもらえることもあります。2021年現在、H&Mではブランドや衣類の種類に関わらず回収対象となっているので、大量の衣類を一度に持ち込み処分できます。

販売店 対象商品 回収方法・特典
ユニクロGU ユニクロ・GU製品 お店の回収ボックスへ
無印良品 無印良品の布製品 (衣類・タオル・シーツ・カバー類)

※靴下・下着を除く

店頭スタッフに問い合わせ

無印良品のポイント付与

(MUJI passport 1000マイル)

H&M 衣類・寝具(シーツなど) ブランドに関わらず回収可能 レジに持参し、回収ボックスへ H&Mで利用できるクーポン券が1枚もらえます

5.遺品整理業者で衣類を処分する

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遺品整理業者では衣類だけの処分も引き受けてくれますし、遺品整理の仕分けから依頼することもできます。費用は遺品の量や質によって異なりますが自分たちで遺品整理が進んでいるときにはワンルームで30,000円程度です。

遺品整理業者の中でも古物商許可を取得していれば、遺品の買取もできるので遺品整理と遺品の買取を同時に終えることができます。遺品整理業者では衣類の回収時には1点1点ポケットの中まで確認して仕分けするので、過去には実印や金庫の鍵がコートのポケットから発見されたこともあります。

遺品整理業者の対応や仕訳の丁寧さはスタッフと会社の質によって大きく異なります。満足いく対応ができる遺品整理業者は口コミで広がるので、ネット上では見つからない場合があります。

サービスの質と適正価格の合う遺品整理業者はリライフでご紹介することもできます。お気軽にご相談ください。
遺品整理業者の選び方の詳細は【遺品整理業者の選び方・失敗しない3つのポイントでトラブル回避する】をご覧ください。

遺品整理の料金の詳細は【遺品整理の料金は4つ+αで決まる!いい遺品整理業者の方が安い理由】をご覧ください。

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不用品回収業者で衣類を処分する

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衣類だけの処分でしたら、不用品回収業者でも回収から処分まで引き受けてくれます。不用品回収業者の場合、仕分けや分別作業には慣れていないことが多いので自分で袋や段ボールに衣類をまとめた方が回収時間は短くなります。

不用品回収業者の料金は「基本料金」と「処分料金」の合計で決まります。基本料金には人件費や車両費が含まれており、3,000円~4,000円です。
衣類の処分料金は45リットルの袋一杯に詰めて、1袋辺り1,000円~2,000円です。

衣類をお焚き上げ・供養をする

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故人が大切にしていた服は遺族にとってもそのまま処分するのが忍びないこともあります。そのまま処分する決心がつかない時には、お焚き上げをしてもらうと気持ちが落ち着きやすいです。持ち込みで依頼した場合の費用の相場は1〜3万円ほどで、菩提寺に依頼すると引き受けてもらえます。

遺品整理業者を利用する時には、供養も提供してくれる遺品整理業者を選ぶと1つの窓口で完結します。遺品整理業者の供養方法は「単独供養」と「合同供養」2種類あり、単独供養は自宅に住職が来てお経を唱えてもらいます。

単独供養は仏壇を供養したい方や孤独死で亡くなられた方から選ばれることが多いです。気持ちの上で衣類を供養したいのであれば、遺品整理業者が持ち帰ってから倉庫で他の遺品を一緒に行う合同供養で十分とされています。

供養やお焚き上げの詳細は【お焚き上げの3つ効果・供養方法と依頼する場所から費用】をご覧ください。

衣類の遺品整理のまとめ

・葬儀の前であれば死装束として最後に故人に着せてあげる方法もある
・衣類の遺品整理をする前には親族の意向や遺言書などを確認して乗りのトラブルを回避する
・衣類は「残す」「保留」「処分」の3つに分けることからスタートする
・残す方法にはリメイクや形見分けがある
・処分する方法は5つあるので、故人の意向や自分の状況に合った方法を選ぶと負担が少ない
・衣類の遺品整理が自分たちでできない時は遺品整理業者を利用するといい

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