チャッカマンの正しい捨て方3選|安全なガス抜き方法も解説
花火やキャンプなど、アウトドアイベントで使うことの多いチャッカマン。
普段使わないチャッカマンの捨て方にお困りの方もいるのではないでしょうか。
チャッカマンは正しく捨てないと火災事故に繋がる危険があります。
この記事では、事故を起こさないために正しいチャッカマンの捨て方を紹介します。
【監修】遺品整理士協会認定 遺品整理士
片山 万紀子
祖父の遺品整理をきっかけに遺品整理や不用品回収に興味を持ち、遺品整理士協会認定・遺品整理士の資格を取得。ReLIFE(リライフ)のディレクターをする傍ら、年間600件以上の遺品整理に携わる。遺品整理を通して「ありがとう」という言葉をいただけること仕事のやりがいとしています。
自治体でチャッカマンを捨てる
チャッカマンの処分方法は自治体によって異なります。
中身を使い切るかガス抜きをしてから、不燃ごみもしくは可燃ごみとして捨てます。
チャッカマンを不燃ごみで捨てる
8割以上の自治体ではチャッカマンは不燃ごみに分類されます。外側はプラスチックでできていますが、内部にはLPガスと火花を起こす仕組みが含まれているため、中身が入った状態で捨てることは出来ません。チャッカマンに残っているガスがごみ収集車の中で漏れ出し、火災につながる可能性があるためです。
福岡市、川口市などは、ガスを抜いてから可燃ごみとして捨てることが可能です。千葉市では「有害ごみ」と分類されたり、自治体によって「発火性危険物」と呼ばれることもあります。
いずれの場合にも捨てる前にガスを抜く手順が必要で、そのまま他の不燃ごみと混ぜて捨てることはできません。
特別な処置が必要な自治体もある
チャッカマンの処分時にガス抜き以外にも、特別な処理や出し方が決められている自治体もあります。
ほかの不燃ごみとチャッカマンやライターを分けることでごみ収集車や集積所での火災を予防する目的があります。
例えば、新宿区の場合、食器類やガラス類などの不燃ごみとは別の袋に入れて「ライター」と表示するように決められています。
神戸市では水に浸してから、上尾市ではチャッカマンを分解してから処分しなければなりません。
神戸市のように1回に出せる本数が2本までと決められていることもあるので、処分する前にはお住まいの自治体ホームページや「ゴミの出し方ガイドブック」で確認しましょう。
回収ボックスに出す方法
自治体によってはライターの回収ボックスが設置されています。
回収ボックスの設置場所
チャッカマンを回収ボックスで処分する方法もあります。
回収ボックスは区役所などの公共施設や消防署に設置されており、持ち込み本数に制限はありません。ボックスに投入する際はガス抜きが必要ですが、交野市など一部の自治体では中身が入った状態でも捨てられます。ホームページなどで事前に確認してから持ち込みましょう。
近くに回収ボックスがある場合には活用するとごみの収集日を待つことなく自分の好きなタイミングで処分できます。
不用品回収業者に依頼する方法
不用品回収業者は電話一本でチャッカマンの回収から引き取り処分まで対応してくれます。
自治体で処分するより処分料金は高くなりますが、自分の好きな日時に合わせてくれる点は魅力的です。
依頼する手順
不用品回収業者に依頼する手順は以下の通りです。
①問い合わせ
不用品回収業者のサイトから電話またはメール、LINEで問い合わせをします。
電話で問い合わせると、金額の確認や日時指定、予約などがスムーズにできます。
チャッカマンなどライター類は、発火性・引火性のある危険物として扱われるため、受け付けていない不用品回収業者もあります。
問い合わせ時に確認しましょう。
②日時の予約
見積り額に納得できれば日時の予約をします。
③回収日当日
予約した日時に不用品回収業者のスタッフがチャッカマンなど不用品を回収しに来ます。
梱包や運び出しなどすべてスタッフが行うので、見ているだけで構いません。
作業が完了したら運び残しや家屋の破損がないかを確認して支払いをします。
現金以外にも電子マネーやクレジットカードでの支払いが可能な不用品回収業者も増えています。
チャッカマンの回収費用
不用品回収業者にチャッカマンの引き取りを依頼した際の料金は基本料金と回収料金の合計、3,000円程度です。3,000円の中にはスタッフの人件費や車両費、作業料金含まれています。
基本料金は1回の依頼につき発生するので、チャッカマンだけの回収では割高になってしまいます。
引っ越しや遺品整理などで家具や家電など不用品をまとめて処分したいときにはお得になります。
悪徳業者には注意
不用品回収業者を依頼する場合には悪徳業者に注意しなければなりません。悪徳業者に回収を依頼してしまうとトラブルに巻き込まれ、金銭的にも精神的にも負担になります。
実際に起こったトラブルとしては以下の通りです。
①トラックに荷物を積んだ後、事前見積もり額とかけ離れた高額な料金を請求された。
②回収されたものが不法投棄されていた。
不法投棄をした不用品回収業者だけではなく依頼者も責任を問われる可能性があります。
不法投棄は1,000万円以下の罰金もしくは5年以下の懲役、または両方を受けてしまいます。犯罪に巻き込まれないためにも、不用品回収業者選びは慎重に行いましょう。
以下のいずれかに当てはまる回収業者を選ぶと悪徳業者を避けられます。
・「古物商許可」を所有していること。
・「一般廃棄物収集運搬許可」を所有しているか提携をしていること。
チャッカマンのガス抜き方法
チャッカマンを捨てる時は中身を使い切ることが前提です。
まだ中身が沢山残っているなど、使い切ることが難しい場合はガス抜きを行います。
ガス抜きはなぜ必要?
ガス抜きをせずに捨ててしまうと、ごみ収集車の火災事故を引き起こす原因となります。ごみ収集車の火災事故は全国で年間4,000件~5,000件も発生しており、社会的な問題になっています。
ゴミ収集車は少しでも多くの量を運ぶため、圧縮しながら車両にゴミを積み込んでいきますが、チャッカマンが圧縮されると車内でガスが漏れ出しガスで充満していきます。
ガスが充満した車内は摩擦熱や火花が原因で爆発を引き起こす状態になっています。
ゴミ収集車が爆発事故を起こすと、近隣住人や住宅、交通状況にも被害が及び、最悪の場合は人の命にも関わる可能性があります。火災事故を起こさないためにも必ずガス抜きを行いましょう。
100円チャッカマンのガス抜き
100円チャッカマンなど一般的なチャッカマンのガス抜きの手順は以下の通りです。
①チャッカマンの着火レバーを押さえて火をつけ、そのままの状態で火を吹き消します。
火が消えた後に「シュー」という音が出ている間はガスが抜けている状態です。
②着火レバーを押さえたまま、粘着テープや輪ゴム使って抑えている状態を固定し、放置します。
缶など容器に入れた状態で放置すると容器の中にガスが蓄積し、発火や爆発の危険があります。レバーを固定したチャッカマンは広くて平らな場所に置きましょう。
レバーを押さえる手を途中で離してしまった場合や、テープや輪ゴムがゆるくてレバーが戻ってしまった場合は、もう一度火をつけるところからやり直します。
あわててレバーを押さえると火がついて危険なので、落ち着いて火をつけます。
③ガスの残量にもよりますが、ガスが抜けるまでの目安時間は2時間ほどです。
放置している最中はその場を離れずに見守ります。
ガスが抜ける音がしなくなったら、ガス抜きをした場所から5m以上離れた場所で、レバーを2~3回押して着火しないことを確認します。
オイルライターのガス抜き
ジッポなどオイルライターは液体ガスではなくオイルを燃料に火をつけていますが、チャッカマンと同様に燃料のオイルを抜いてから捨てるように決められています。
①ビニール袋に要らない布やキッチンペーパー、新聞を丸めて、オイルを吸わせます。
②1~2時間程、オイルが完全に乾くまで放置します。
湿っている状態で袋の蓋を閉じると引火の危険があるため、染み込ませたオイルは完全に乾燥させてから処分します。
③オイルを吸った布類をビニール袋に入れたまま可燃ごみとして捨てます。
電子チャッカマンの場合
リチウムイオン電池を使用している電子チャッカマンは、ガス抜きだけではなく電池を取り出す必要があります。リチウムイオン電池は、衝撃や圧力が原因で発火する危険性があるためです。
実際にリチウムイオン電池が原因で起きた火災事故もあり、川崎市やさいたま市はリチウムイオン電池を正しく処分するように注意喚起をしています。アルカリ電池やマンガン電池のように不燃ごみとして出すことはできません。
リチウムイオン電池は小型式充電式電池リサイクルボックスに捨てたり、発火性危険物として処分するのが一般的です。回収ボックスは家電量販店やホームセンターなど、リサイクル協力店に設置されています。
ガス抜きで注意すること
目に見えないガスは、危険が分かりづらく吸引事故や火災事故を起こしてしまう可能性があります。
事故を起こさないために、以下の3点を注意します。
ガス抜きの主な注意点
ガス抜きの行う際、主に注意する点は以下の通りです。
ガス抜きの注意点
・ガスから離れ、吸い込まないようにする。
・周りに火が出るものや燃えやすいものが無いことを確認
・直射日光が当たらない風通しの良い場所で作業する。
・作業場が風上の位置、風下に人がいないことを確認。
・通行者に危険が分かるように「きけん」などと表示をする。
・静電気が原因の引火を防ぐため静電気除去グッズを使用
・冷たくなった金属部分に触れると肌を傷める可能性がある
・気持ち悪くなったらすぐに作業を止める
・最後はガスが抜けきったか確認する。
この中でも特に重要な注意点について詳しく解説します。
1.ガスから離れる
ガスを吸い込まないように風通しの良い野外で、風下に人がいないことを確認したうえでガス抜き作業を行います。
ガスを吸引すると、酸素欠乏、窒息の危険があり、最悪の場合、呼吸停止や死亡する可能性もあります。臭いを強く感じたり、気分が悪くなったときには直ちに中止しましょう。
子どもやペットには特に注意が必要です。
ガスは空気よりも重く、背の低い子どもやペットはガスを吸い込む可能性が高いので、ガス抜き作業は必ず大人が行います。作業するときに子どもやペットを近づかないように注意しましょう。
2.火の気を避けて作業する
周りにタバコやコンロなどの火気がないか確認してからガス抜きを行います。
ガスやオイルに引火して火災事故や爆発が起こる可能性があるためです。
火気が無い場合にも静電気でガスに引火することもあります。作業前には静電気除去グッズを使用して静電気を取り除きましょう。静電気除去スプレーは1,000円~2,000円ほどで購入可能です。
2018年に札幌でガス抜きの爆発が発生しています。
室内でガス抜きを行い、ガスが充満した室内で湯沸かし器を点けたところ、ガスに引火して爆発したという内容です。
爆発事故の被害は近隣の住人や建物にまで及ぶことがあります。事故を起こさないためにも、火の気には十分に注意します。
3.ガスが完全に抜けたか確認
ガス抜き作業後は完全に完全にガスが抜けたか確認します。ガスが無くなったように見えても、ガスがタンク内に残っている場合があるからです。ガスが残っていると火傷や火災の原因にもなります。
完全にガスが抜けたか確かめるには、着火レバーを3回以上押してみます。火がつかず、ガスが抜ける音もしなければ作業を終了します。
火がつく時はまだガスが残っているサインなので、火がつかなくなるまで使い切るか、もう一度最初からガス抜きを行います。
チャッカマンの捨て方まとめ
自治体で捨てる方法
・チャッカマンは多くの自治体で不燃ごみ扱い。
・必ず中身を使い切ってから処分する。
・水に浸す、分解する、など自治体によって特別な処理が必要な場合もある。
回収ボックスに出す方法
・回収ボックスを設置している自治体もある。
・自治体によってそのまま処分できたり、ガス抜きする必要がある。
不用品回収業者に依頼する方法
・業者に依頼する場合は、回収料金が発生する。
・チャッカマン以外にも家具家電なども処分したい場合にはオススメの方法。
・業者に依頼する時は、悪徳業者に注意する。
チャッカマンのガス抜き方法
・ガス抜きは、火災事故を起こさないために必ず必要な作業。
・100円チャッカマン/オイルライター/電子チャッカマンそれぞれに合わせたガス抜きを行う。
ガス抜き作業の注意点3つ
・ガスを吸い込まない。
・火の気のないところで作業する
・ガス抜き終了後は、ガスが抜けたか確認する
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