畳を安く捨てたい!処分は400円~かんたんに即日処分したいなら1択
畳を処分したいけど、いざ捨てようと思ったらどこでどうやって捨てたらいいのか分からない…。部屋の隅に畳をおいたまま。
畳のささくれが気になるからフローリングへのリフォームも検討中。
捨てる機会が少ないので、畳の処分方法を知っている方の方が少ないのが現実です。
畳は処分方法を選ぶだけで安く捨てることも、引き取りに来てもらうこともできます。
この記事で分かること
・畳の捨て方5選と燃やして捨てる方法
・畳を長持ちさせるメンテナンス方法
・フローリングへリフォームする費用
【監修】遺品整理士協会認定 遺品整理士
片山 万紀子
祖父の遺品整理をきっかけに遺品整理や不用品回収に興味を持ち、遺品整理士協会認定・遺品整理士の資格を取得。ReLIFE(リライフ)のディレクターをする傍ら、年間600件以上の遺品整理に携わる。遺品整理を通して「ありがとう」という言葉をいただけることを仕事のやりがいとしています。
目次
1.粗大ゴミで処分
畳をゴミとして処分するときは、粗大ゴミ扱いとなります。自治体によって粗大ゴミのサイズ基準は異なるものの、一般的には「1辺の長さ30cmを越えるゴミ」または「指定袋に入らないゴミ」は粗大ゴミと定められているためです。粗大ゴミとして畳を処分する際の、手順や料金について解説します。
手順
畳を粗大ゴミで回収する基本的な手順は、次の3ステップです。
(1)自治体指定の粗大ゴミ受付センターに、電話やネットで回収予約を申し込む
(2)自治体指定の販売店で粗大ゴミ処理券を購入する
(3)粗大ゴミ処理券を畳に貼り付けて、予約日当日に指定場所に出して回収してもらう
粗大ゴミ処理券の購入場所ははスーパー、コンビニ、郵便局などで、予約時に販売店を教えてもらえます。
粗大ゴミの回収場所は各家庭の玄関先や集合住宅の前など、建物ごとにゴミを出す「戸別収集」が一般的です。地域で決められた集積場所に出すよう、指示されるケースもみられます。ゴミ出しの時間も、「朝7:00~8:00の間に」など指示があります。夜間に出すと放火などトラブルの元になることもあるため、基本的には当日の朝でなければ出せません。
申し込みから収集までは、通常2週間~1か月程度かかります。粗大ゴミ回収車のスケジュール次第ですが、3月や4月は新生活準備で申し込みが殺到して時間がかかることが多いです。
料金
粗大ゴミの回収料金は、粗大ゴミ処理券を購入して納付します。畳を粗大ゴミに出すときの料金は自治体ごとに異なりますが、1枚あたり400円~1200円程度が相場です。回収してもらう枚数分の料金がかかることに注意しましょう。一般的な6畳の和室であれば、費用は6倍がかかることになります。自治体ごとの料金例を以下の表にお示ししました。
畳の処分手数料
市区町村 | 料金(畳1枚あたり) | 料金(畳6枚あたり) |
世田谷区 | 1200円 | 7200円 |
名古屋市 | 1000円 | 6000円 |
京都市 | 400円 | 2400円 |
仙台市 | 1200円 | 7200円 |
福岡市 | 500円 | 3000円 |
2.畳屋に引き取り依頼
畳屋さんで新しい畳と買い替えるときに、古い畳を同時に引き取ってもらうことも可能です。具体的な条件や費用を解説します。
引き取り条件
畳屋さんで不要な畳を引き取ってもらうには、基本的には新しい畳を購入する必要があります。購入時に古い畳の回収処分を依頼しておき、新しい畳を張り替えに来てくれたときに古い畳を持ち帰ってもらうのがスムーズです。
新しい畳を購入しなくても引き取り処分だけを受け付けてくれるか否かは、畳屋さん次第なので直接確認する必要があります。引き取りを拒否される場合もあり、依頼できたとしても出張費などの追加料金がかかるケースも見られます。
料金
古い畳の引き取り回収には通常、1枚につき1000~2000円程度 の処分料金がかかります。従来は無料引き取りもあったようですが、2022年1月現在は有料処分とする畳屋さんが一般的です。料金は枚数分かかるので、一般的な6畳の和室であれば費用は6倍となり6000~12000円程度となります。
全国複数の畳屋さんのホームページを調査しましたが、料金表に引き取り回収の料金を記載していない店舗が大半でした。畳のメンテナンスや新しく購入する際の料金例しか記載していないホームページも多いため、回収を頼みたい畳屋さんには料金や引き取り条件を直接確認することをおすすめします。
また、樹脂加工畳や形が珍しいタイプの畳を処分したい場合は、引き取りを拒否される場合もあります。処分費用だけでなく、出張費が別途かかるケースも見られます。実際に依頼する前には必ずトータルの費用を確認し、処分依頼する畳の枚数・素材や形状などを伝えてた上で回収の可否を確認しましょう。
3.処分場へ持ち込み処分
不要な畳を自治体のゴミ処理場に自分で持ち込んで、有料処分する方法もあります。粗大ゴミとして戸別収集してもらう場合は回収日まで数週間かかってしまいますが、持ち込み処分なら最短で予約日当日に処分できる自治体もあります。
自分のスケジュールに合わせて自由に日程を選べるのが、持ち込み処分のメリットです。また、戸別回収より持ち込み処分のほうが安く処分できるケースが多いです。
手順
畳をゴミ処理場に持ち込んで処分する手順は、次の3ステップです。
(1)自治体のゴミ処理場に連絡して申し込む
(2)ゴミ処理場に自分で畳を持ち込む
(3)窓口で料金を支払って引き渡す
ゴミ処理場の受付時間は施設ごとに異なっており、「平日9:00-15:30」「土日祝日も受け入れ可能」などと個別に設定されています。ホームページなどで確認してから持ち込みましょう。受け入れ個数制限を設けているゴミ処理場もあるので、事前に確認します。
自治体によっては予約不要で当日中に処分可能とするゴミ処理場もありますが、事前に粗大ゴミ処理券の購入が必要なケースも見られます。自分の自治体のケースを確認することが大切です。
また、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、粗大ゴミの持ち込み自粛が全国規模で呼びかけられています。自治体のホームページなどから持ち込み可否を確認し、持ち込む際はマスク着用で最少人数来場するなどの配慮を行いましょう。
料金
ゴミ処理場で持ち込み処分する際の料金は、品目ごとに設定されている場合と重量制の場合があります。重量制にしている施設が多く、持ち込んだ粗大ゴミの合計の重さを計って現金で支払う形が一般的です。畳の枚数に応じて合計重量も増えますので、料金も上がる可能性があります。
地域によっては「総重量100kgまでは無料で処分」などと定めている自治体もあります。また、神奈川県横浜市のように持ち込み処分と粗大ゴミ収集が同額 になっている自治体もあるので、自分の自治体のケースを必ず確認しましょう。ゴミ処理場へ持ち込むときの自治体ごとの費用例を、以下の表にお示ししました。
畳の持ち込み処分費用
市区町村 | 料金/1枚 | 料金/6枚 |
世田谷区 | 600円 | 3,600円 |
名古屋市 | 400円 | 1,800円 |
京都市 | 1,000円 | 1,000円 |
仙台市 | 1,500円 | 1,500円 |
福岡市 | 280円 | 1,260円 |
※1畳あたり15kgで計算しています。
4.可燃ゴミで処分
不要な畳は切り刻んで細かく分解すれば、可燃ゴミとして処分することが可能です。ただし、大変な手間がかかることを覚悟する必要があり、あまり現実的な方法ではありません。
解体と時間
畳を解体する場合には、電動ノコギリかチェーンソーが必要です。畳の芯には木材などが用いられていて硬いため、通常のノコギリでは大量に切断するのは困難だからです。ほこりが舞うのでマスクを着用し、軍手も用意しましょう。
作業としては、まず和室から畳を取り外します。次に、風通しのよい屋外で電動のこぎりを用いて、30cm角以下のサイズまで細かく解体します。畳1枚のサイズは約180cm×90cmなので、単純計算で18枚の断片に切断しなければなりません。 標準的な和室は畳が6枚あるので、作業量は6倍となり断片は100枚以上という膨大な数となります。DIYに馴れた方でも、すべての畳を解体するまでには1時間半以上の所要時間が想定されます。
料金
畳を可燃ゴミとして出すときの料金は、基本的にゴミ袋代だけで済みます。自治体指定のゴミ袋がある場合は、ゴミ袋代は通常1枚30円程度です。6畳分の畳をすべて分解する場合は10枚以上のゴミ袋が必要なので、トータルの費用は数百円程度となります。
注意点
和室まるごとの畳を一気に解体するのならば、10袋を越える大量の可燃ゴミが一度に発生することになります。ゴミ袋の量が多すぎると、収集車に入りきらずに回収してもらえないリスクもあるので注意が必要です。
また、大量にゴミを出してゴミ集積場を圧迫すると、近隣に迷惑をかける恐れがあります。可燃ゴミとして出す際には、数袋ずつ複数回に分けるといった配慮をすることが欠かせません。
5.不用品回収業者で処分
畳の処分は、不用品回収業者を利用するのがおすすめです。畳1枚だけの処分から、和室すべての畳の回収まで幅広く任せることができます。畳以外の不用品も一緒に処分してもらえます。
自治体で粗大ゴミとして処分するときよりも費用は高くなりますが、業者が自宅まで来て運び出してくれるのが不用品回収業者のメリットです。処分したい畳が1枚だけの場合には割高感があるかもしれませんが、和室の6畳分を一気に任せたいときや、他にも処分したい不用品があるときにはコストパフォーマンスが優れています。
自分の労力や時間を大幅に省くことができ、自分の手間は電話で申し込むときだけなので最も負担の少ない方法といえるでしょう。
手順
不用品回収業者に畳の回収を依頼する方法を解説します。
(1)ホームページや電話で不用品回収業者に問い合わせる
(2)見積もりを出してもらい、問題なければ契約する
(3)作業当日に不用な畳を引き取ってもらい、支払いをする
見積もりのときは、処分したい畳の枚数やサイズを伝えて料金を確認します。処分したいものが畳だけならば電話見積もりだけで料金を教えてもらえるケースも多いです。他にも処分したいものがある場合には、一度訪問してから見積もりを出す可能性があります。
業者の提示した料金やサービス面に納得できれば、契約へと進みます。自分の都合のよい日程で、回収日を決定可能です。最短ならば申し込んだ当日のうちに、回収しにきてくれる場合もあります。
料金
基本料金3000円程度に加えて、畳の処分費用が1枚につき約2000~3000円かかるのが相場です。6畳であれば、合計15000円~21000円程度となります。費用を安く抑えるには、近隣の不用品回収業者を選ぶのもおすすめです。同区内など近所の不用品回収業者なら、車両ガソリン代を削減できるため基本料金を1000円引きなどにして対応してくれるケースも見られます。
畳を不用品回収業者に直接持ち込むと、基本料金がなしになって処分費用のみの支払いで済むこともあります。持ち込み処分に対応しているか否かを、業者に事前に確認すると安心です。
悪徳業者に注意
残念ながら不用品回収業者の中には、高額請求や不法投棄などの問題を起こす悪徳業者も混在しています。具体的には、激安価格で見積もりを出しておきながら、当日に高額な追加請求をする業者や、不用品以外の物品を強引に運び出して処分費用を追加請求してくる業者などです。消費者生活センターには毎年100件以上の被害が報告されています。
トラブルを避けるには、次の3点を満たす業者を選ぶ必要があります。
①必要な資格許可を持っている
②見積もりが相場価格である
③スタッフの対応が良い
不用品回収業者の処分や買取には、一般廃棄物収集運搬業許可や古物商許可が必要です。一般廃棄物収集運搬業許可を保有していない業者でも、許可を持つ別業者と提携があれば問題ありません。3社程度で合い見積もりを取ると、地域の相場価格を把握できます。見積額が相場内で申し込み時のマナーに問題のない業者を選ぶと、経営方針にも信頼感が持てるため安心して利用できるでしょう。
畳の処分比較
畳の処分方法ごとに、費用や特徴を表にまとめました。
畳の処分方法一覧
処分方法 | 料金(6畳当たり) | 特徴 |
粗大ゴミで処分 | 3000円~7200円 | 自分で処分手続きが必要だが、安く処分できる |
畳屋で引き取り処分 | 6000~12000円 | おもに買い替えのとき利用できる |
持ち込み処分 | 1000~3600円 | 粗大ゴミ回収より安いが、持ち込む手間とガソリン代がかかる |
可燃ゴミで処分 | 500円以下 | 一番安いが、解体が大変 |
不用品回収業者で処分 | 15000円~21000円 | 費用は高いが業者に全て任せられるので楽 |
安く処分したい
畳を安く処分したい場合には、粗大ゴミとして回収処分してもらう方法か、解体して可燃ゴミとして排出する方法を選びます。ゴミ処理場への持ち込みも料金自体は安いのですが、運搬車両の手配やガソリン代も含めると割高です。
解体して可燃ゴミにする場合には時間と手間が相当かかるので、コストパフォーマンスを考えると粗大ゴミとして処分するのが最もオトクといえるでしょう。
かんたんに処分したい
簡単に処分したいなら、不用品回収業者をおすすめします。なぜなら、自分の手間は業者を選んで電話をかけるだけで済むからです。面倒な畳の剥がし作業や運び出しもすべて業者が行ってくれ、引き取りまでの全工程を任せられるので簡単です。
畳を燃やして処分
不要な畳を、野外で燃やして処分する方法を解説します。ただし、野焼き(野外焼却)は「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」により原則禁止されているので十分な注意が必要です。農業・林業・漁業者が業務上やむを得ず行う場合や、「焚火その他の日常生活を営む上で通常行われる廃棄物の焼却であって軽微なもの」に限って、例外的に行われているのが実状です。
隣の家との距離が30m以上離れており、火災の危険性や健康被害などに十分注意できるといった条件が整っている場合のみ、野焼きを検討するのもよいでしょう。お住まいの自治体ルールを必ず確認し、不明点があれば自治体に問い合わせることが欠かせません。
燃やす準備と時間
事前準備として、周囲に燃えやすい枯草がないことを十分に確認します。消火の準備も整えてください。風向きが近隣住戸に向いているときは野焼きを避け、風の強い日は行わないように徹底します。燃やす時間帯も、近隣の住宅事情に配慮します。近隣の迷惑を避けるため、事前に近隣に説明して了承を得ておく方が安心です。
燃焼は、最小限の時間に留めます。消防科学研究所報27号(平成2年)に掲載された『各種畳における燃焼性について』によると、畳の燃えやすさは素材によって大きく異なり、合成樹脂製の畳は稲わら製の本畳よりも蓄熱性が高くて燃えやすいことが分かります。
直火で畳1枚を燃やすには20分以上かかるため、6畳分焼くとすると1時間以上かかることが予想されます。燃焼時の一酸化炭素や、合成樹脂素材による有害ガスの発生に十分に注意しましょう。通気性のよい屋外で行い、直接ガスを吸わないことが大切です。
後処理に注意
畳を燃やした後の灰 は、可燃ゴミとするのが安心です。100%天然素材の畳であれば、草木灰(そうもくばい) のように土にまいて肥料などとすることが可能かもしれません。しかし、近年はイグサ製の畳でも芯の部分に木質チップ素材と発砲フォームを混ぜた「インシュレーション建材」畳床を用いた製品が主流です。化学物質の含まれる灰なので、肥料としての安全性は保障できません。
また、燃焼後の灰を放置すると風に飛ばされてて隣人とのトラブルに発展することもあるので、速やかな処分が必要です。
畳が傷んできたときの応急処置
ささくれや日焼け、凹みなど、畳の傷みを見分ける方法や対処法について解説します。
畳の寿命
畳の寿命は約10~15年程度といわれています。畳の材料である稲わらや木材は経年劣化するため、いずれ寿命が来ることは避けられません。畳は「畳表(たたみおもて)」「畳縁(たたみへり)」「畳床(たたみどこ)」という3つの部位から構成されており、部位ごとに寿命が異なります。
畳表は、畳の表面に貼ってあるイグサの部分で、購入後5年程度でささくれが目立ってきます。しかし、メンテナンスすれば買い替えずに対応可能です。畳の縫込み部分である畳縁も、取り外せるので劣化したら交換できます。畳床は畳の芯の部分のことで、交換やメンテナンスができません。そのため、畳床の寿命を「畳そのものの寿命」と考えることができます。
畳の寿命は、掃除やメンテナンス、使用場所の湿度などによって影響を受けます。メンテンナンスが行き届いていれば、20年以上もつこともあります。
傷んだ畳の見分け方
畳の色が黄ばんで日焼けしていたり、表面がささくれて毛羽立ちが出ていたりするようなら、畳が傷んでいる状態です。表面に日焼けや軽い傷がある程度なら、まだ畳を処分する必要はありません。畳屋さんに依頼して、「裏返し」や「表替え」というメンテンナンスをしてもらえば修復できます。
しかし、畳が大きく凹んでいたり、踏むと空気がフカフカと入ったりする場合は、芯の部分まで劣化が進んでいると考えられます。メンテナンスでは対応できず、基本的には買い替えなければなりません。
応急処置
畳に小さなささくれや毛羽立ちができたときは、自分で応急処置することが可能です。まずは掃除機や乾いた雑巾を用いて、畳の目に沿ってほこりを取り除きます。次に、ささくれ部分をハサミで根元からカットして短くします。ささくれを切った部分には、適量の木工用ボンドを塗ります。つけ過ぎないように、つまようじの先で木工用ボンドを取って塗りつけるとよいでしょう。
余分なボンドを除去して表面をなじませるため、ボンドが乾ききる前にささくれ部分を不要な布で押さえます。ささくれが深かったり、全体的に毛羽立ちが目立ってきたりするようなら、畳専門店で本格的なメンテナンスを受けることが必要です。
また、軽い凹みは濡れぞうきんを当ててアイロンを当てると、へこんだ繊維が膨らんできて凹みが目立ちづらくなります。畳を濡れたままにしていると湿気でカビが生える危険があるため、アイロン後には畳を乾かすことが大切です。
畳をメンテナンスする
畳屋さんで本格的にメンテナンスする場合には、表替えと裏返しという2種類の方法があります。
裏返し
裏返しとは、畳の表面を覆っている畳表を、芯の部分「畳床」から剥がしてひっくり返す作業のことです。「裏返しは、単純に畳ごと裏表をひっくり返す作業だろう」だと考えている方も多いのですが、間違いです。畳から畳表だけを剥がして摩耗していない裏側をオモテ面にして、畳床に張り直して使用します。そのため、裏返しメンテナンスは畳表1枚につき1回しか行うことができません。
通常、裏返しは畳の使い始めから3~5年程度で行います。安価な畳ではあまり行われず、比較的品質のよい畳表を、より長くもたせるために行うためのメンテナンスです。
表替え
表替え(おもてがえ)とは、畳表と畳縁を新しいものに交換するメンテナンスです。畳の芯部である畳床は取り換えずに、表面部分だけを交換します。
メンテナンス後、表面的には新品と見分けがつかない状態になります。裏返しを行ってから4年程度でふたたび表面の傷みが目立ってくるので、表替えを行うのが一般的です。目安として、畳の使い始めから5~10年程度で表替えを行います。
メンテナンス費用
メンテナンス費用は畳さんによって異なりますが、通常は裏返しが3000円~4000円程度、表替えが3000円~10000円程度です。表替えの費用に幅があるのは、張り替える畳表の品質によって料金差があるためです。
畳の表面に軽い傷やへこみがある程度ならば、通常は裏返しか表替えで対応できます。どんなメンテンナンスを頼んだらいいか分からない場合は、畳屋さんに相談するのが確実です。畳のトラブルを訪問診断し、見積もりを無料で立ててくれる畳屋さんもあります。
畳の下取りができない理由
下取りとは新品購入時に中古品を買い取るサービスの事ですが、畳屋さんは畳の下取りを受けつけていません。なぜなら、畳は消耗品だからです。買い取ってもそのままの状態で売ることは出来ず、メンテナンスの手間や費用を考慮すると下取りする価値がないのです。
さらに、畳のサイズは地域ごとに異なり、製造後のサイズ調整もできないので再利用できない可能性があります。下取りしても利益が出ないので、畳の下取りは行われません。
和室からフローリングへリフォーム
近年、ライフスタイルの変化から和室から洋室へのリフォームを行う方が増えています。和室はテーブルを出して食事をしたり、布団を敷いて眠ったりと大家族が過ごすのに適した室内空間です。しかし、近年は世帯人数が減少して、多目的で活用する和室のニーズが減ってしまったのです。
和室から、フローリングの洋室へリフォームする際のメリットや費用について解説します。
アレルギーにも効果的
畳からフローリングに替えることで、アレルギー対策にもなります。なぜなら、畳はダニなどが湧きやすく蓄積しやすいのに対し、フローリングは掃除が容易だからです。
従来の畳は稲わらを用いたものが基本であり、吸湿性の高さからもダニ・カビが発生しやすいというデメリットがあります。また、畳の目にほこりが入り込みやすいのも注意点です。ダニやハウスダストがアレルゲンとなり、アレルギー性鼻炎やアトピー皮膚炎につながる可能性も指摘されています。一方でフローリングはほこりを除去しやすく、衛生的に保ちやすいというメリットがあります。フローリングへのリフォームは、アレルギー対策としてとしても効果的です。
リフォーム費用
6畳の和室をフローリングの洋室に変更するときの総額費用は、25~100万円程度です。畳からフローリングへの張替えで10~35万円、部屋の雰囲気に合わせて、天井や壁を張り替える場合には10~20万円の費用がかかります。
さらに、押入れを洋風のクローゼットに替えたり、ふすまを洋室建具に替えたりするならばそれぞれ5~20万円程度の費用が必要です。リフォームの範囲によって、料金の幅が大きくなります。
リフォーム箇所 | 料金 |
フローリングへの貼り換え | 10~30万円台 |
壁紙貼り換え | 数万円~10万円台 |
天井張り替え | 5万円 |
照明器具の交換 | 1万円~ |
押し入れからクローゼットへリフォーム | 5~25万円 |
カーテンレールの取り付け | 2~4万円 |
カーテン | 2000円~10万円 |
畳の引き取り費用(廃材処分費) | 1.5万円 |
リフォーム費用をおさえたい場合には、業者を利用せず自分でDIYにより畳の上にフローリングを貼るという方法もおすすめです。釘や接着剤を用いない、はめ込み式のフローリング材(ウッドカーペット)が販売されています。6畳の部屋を張り替えるなら所要時間は2時間程度であり、費用は10万円前後と大幅にコストカットできます。
リフォーム時の畳処分
リフォームの際に処分する畳は、粗大ゴミになりません。リフォーム業者を通して産業廃棄物として処理してもらう方法が一般的です。産業廃棄物として処分してもらう際には「廃材処分費」として、畳の処分費・運搬が別途かかります。 廃材処分費は他の廃材と併せて、2tトラックで15000円程度です。
業者によるリフォームではなく、自分でDIYをしてフローリングに張り替えた場合には、畳の処分は自分で行わなければなりません。粗大ゴミ回収や、不用品回収業者の利用など、自分に適した処分方法を選択します。
畳をきれいに使う3つのコツ
最後に、畳を長持ちさせてきれいに使うための3つのポイントを解説します。
1.直射日光・湿気を避ける
畳の紫外線による劣化を避けるため、普段は室内に直射日光が入らないようにします。春と秋の年2回ほど、1回5時間程度の天日干しするのが理想的です。畳の表面が日焼けしないように、普段は光の当たらない側を太陽に向けて天日干しします。
また、一般的な畳は湿気に弱いため、カビが発生しやすいことに注意が必要です。室内の湿度が高くならないように意識して、除湿機を用いたりこまめに換気したりしましょう。畳に布団を敷いて寝ている方は、毎日布団を上げ下げすることが湿気対策になります。
2.家具を直置きしない
タンスやベッドのような重い家具を畳に直置きすると、畳に負担がかかって傷やへこみの原因になります。和室に家具を置くときは、直置きせずにマットを使って畳への負荷を分散させるのが効果的です。
マットと畳の間に湿気が溜まると、カビ・ダニのもととなる点に注意が必要です。湿気は畳の劣化につながるので、大きな絨毯を敷きっぱなしにするのはおすすめできません。取り外しやすい小さめのマットを選び、定期的に外して掃除を行い、換気します。
3.掃除方法
畳に掃除機やほうきをかけるときは、畳の目に沿って行うのがポイントです。畳の目に逆らうと、ほこりが取り切れないばかりでなく、ささくれの原因にもなるからです。畳にぞうきんがけをするときは、基本的に乾拭きで、目に沿って拭き取ります。どうしても落ちない汚れがあるときは、固く絞ったぞうきんで水拭きを行ってから、十分に換気して乾燥させます。
畳の処分まとめ
1.粗大ゴミで処分
・自治体によっては1畳当り500円以下で処分できる。
・申し込みから収集までは2週間から1カ月かかる。
・運び出しは自身でおこなわなければいけない
2.畳屋に引き取り依頼
・新しい畳を購入する時には引き取りサービスが利用できる。
・引き取りだけを依頼する時には費用がかかる。
3.処分場へ持ち込み処分
・ゴミ処理場に自信で持ち込む方法もあり、重量によって金額が決まるので比較的安く処分できる
・料金は自治体によって決まっているので、100kgまでは無料処分できる自治体もある
4.可燃ゴミで処分
・指定ゴミ袋に入る大きさまで切れば、可燃ゴミとして処分することもできる
・6畳分の畳を切るのには2時間弱の時間がかかる
5.不用品回収業者で処分
・不用品回収業者を利用すると最短でその日のうちに引き取ってくれる
・畳の搬出からトラックへの積み込み、処分まで全て任せられる
・悪質な不用品回収業者を避けるには、信頼できる不用品回収業者を選ぶことが大切
・畳の処分方法を比較すると、安く処分したいなら自治体、簡単に処分したいなら不用品回収業者がいい
・畳を燃やして処分する方法もあるが、有毒ガスの発生することもある。また、煙や燃えカスが近隣の洗濯ものに付いてトラブルの元になることもある
・畳の寿命は10年から15年程度で、傷んでくると色が変わったりささくれができたりする。
・畳の寿命が来たら裏返しや表替えでメンテナンスをする。
・和室からフローリングへリフォームするとアレルギーにも効果がある
・畳をきれいに使う3つのコツは「湿気と日光を避けること」「家具を直置きしないこと」「日頃の掃除方法に注意すること」
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