豆知識

遺品整理

遺品整理で現金がでてきたら、家族に相談!ネコババ・窃盗を防ぐコツ

遺品整理作業中に現金が出てくるケースもよくあります。
実家の遺品整理をしていると同居の家族でも知らなかったへそくりが出てくることもあり、親族間でもめごとの火種にもなりやすいです。

この記事では遺品整理で出てきた現金の正しい処理方法や遺品を現金にする方法、現金が見つかりやすい場所をご紹介します。
記事を読み終えると遺品整理でのお金にまつわるトラブルを避けられます。



【監修】遺品整理士協会認定 遺品整理士
片山 万紀子

祖父の遺品整理をきっかけに遺品整理や不用品回収に興味を持ち、遺品整理士協会認定・遺品整理士の資格を取得。ReLIFE(リライフ)のディレクターをする傍ら、年間600件以上の遺品整理に携わる。遺品整理を通して「ありがとう」という言葉をいただけることを仕事のやりがいとしています。

遺品整理,現金

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遺品整理で出てきた現金の扱い

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遺品整理で出てきた現金はすべて、相続人のものになります。

なぜなら遺品整理で出てきた現金は、たとえ少額でも財産であり相続対象・課税対象となるためです。第一発見者がもらえると思い込んでいる人も少なくないのですが、間違えた認識です。遺品整理中に出てきた現金は以下の手順で取り扱わなければなりません。

財産目録をつくる

財産目録とは相続対象となる遺産の一覧表であり、遺品整理で現金が出てきた場合はこの財産目録を作って記載する必要があります。財産目録があると遺産の全体像が把握できるため、遺産分割協議を進めたり相続税の税額を計算したりするときに便利です。法的な作成義務はありませんが、作ることを強くおすすめします。

財産目録の書式は、裁判所ホームページからダウンロード可能です。

遺品整理中に発見した現金については、財産目録に「金額」「発見者」「発見場所」「見つけた日付」の4点を記載します。写真も撮影しておくと、発見の証拠を残すことにもなります。財産目録を作る時の注意点としては、現金の記載漏れを防ぐのが意外に難しいことが挙げられます。

遺品整理で出てきた現金を漏れなく財産目録に載せられるかどうかは、現金を発見した人の良心に頼らざるを得ないからです。発見者のネコババを防ぐためには、相続人全員で遺品整理に立ち会うようにすると安心です。

遺産分割協議

遺産分割協議とは相続人全員が話し合い遺産の分け方を決めることです。

遺言書に現金に関する記載があれば内容通りに分配しますが、そうでない場合は遺産分割協議で現金の取り扱いを決めます。相続人全員が集まって、どの遺産を誰が相続するか決定してから遺産分割協議書にまとめるのが一般的な手順です。

話し合いで解決しなければ弁護士に立ち会ってもらい法律の視点から平等に意見をもらいましょう。弁護士が入ってもまとまらない場合は、家庭裁判所に調停を申し入れ、調停委員の介入の下で再度、話し合うこととなります。

相続税の申告期限

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相続税の申告期限が相続発生後10か月以内なので、遅くても死後10か月以内に遺産分割協議を済ませる必要があります。

相続放棄の期限は相続発生後3ケ月以内なので、借金などで相続放棄を検討する場合には3ケ月以内に完了させなければなりません。相続税は、申告期限までに現金一括納付します。

期限までに納付しないと、相続税額の10%の「無申告加算税」が追徴されるので注意しましょう。

形見分け

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形見分けは、遺品を家族・友人に分ける日本古来の風習です。現金を形見分けに使うのは本来の形見分けとは違うのですが、近年は「形見分けで贈れるような物がない」「遺品を受け取った相手が扱いに困る」などの理由で遺品代わりに現金を贈るケースが見られます。

形見分けのマナー

形見分けにはマナーがあり、原則的に目上には渡しません。

形見分けは基本的に無包装で行うものであり、現金の場合は無地の白封筒に入れて「形見分けすべき品物が無いため、こちらをお受け取りいただけると幸いです」等と一言添えるようにします。贈る金額は、受ける側の負担にならないよう少額に留めるのが一般的です。

贈与税に注意

形見分けを受ける側は、受け取った現金や品物の合計額が年間110万円を超えると贈与税が課せられることに注意が必要です。そのため受ける側の贈与税の課税有無に配慮し、無理に押し付けず相手の意向を確認します。

また、故人の現金は相続人が遺産分割しなければならいため、自分の判断で勝手に形見分けに使ってはいけません。遺族自身のお金で形見分けを行う場合には、遺産分割とは無関係となります。

形見分けのマナーについては【形見分けはいつ?誰に渡す?形見をもらった時の正しいマナー】をご覧ください。

遺品整理で現金が出てくる場所5つ

遺品整理のときに、特に現金が見つかりやすい場所は5つあります。故人がいざというときに備えて家の中にお金を蓄えている可能性があり、見逃さないようにこれらの場所は特に慎重に探すと安心です。

タンス・引き出し

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タンスや引き出しは遺品整理で最も現金が見つかりやすい場所です。なぜなら、タンスや引き出しは本来「物を収納するための場所」なので、しまいやすいためです。「タンス預金」という言葉があるほどタンスでの現金保管は一般的であり、タンスの隅に衣類に紛れて入っている場合もあります。クローゼットや衣装ケースのなかに入っている場合もあるので、一通り確認したほうが安心です。

引き出しからは、何となく入れてしまった小銭が文房具にまみれて見つかったり、引き出しの奥の方に封筒入りのお札が発見されたりすることがあります。しまいっぱなしで故人本人が忘れているとうケースもあるので、引き出しも必ず確認しましょう。

仏壇・神棚

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仏壇や神棚も現金が見つかりやすい場所です。丁寧に扱うべき場所であり、神仏に守られているというイメージがあるためか、現金・貴重品を保管する高齢者が多いのです。

仏壇は引き出しが多いので、現金や保険証券、株式証券などの貴重品をしまいやすい場所と言えます。現金以外にも遺産目録に載せるべき貴重品が保管されている可能性が高いので、忘れず確認します。

キッチン

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故人が主婦であった場合、キッチンから現金が見つかるケースが多いです。普段、自分が頻繁に使う場所なので現金も保管しやすく、手が届く場所にあると安心感が湧くためと考えられます。具体的にはゴミ袋などの消耗品のストック場所、床下収納、食器棚などで見つかりやすいです。

へそくりとして、ほかの家族はあまり開けないような場所に保管しているケースもあります。

バッグや衣類

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生前使っていたバッグや衣類のポケットの中、お財布ごとお金が入ったままになっていたり、ハンカチなどの小物に紛れていたりすることもあります。外出時に使うお金が、入れっぱなしになっているためです。普段使っている鞄や服は、全てのポケットを確認しておくことをおすすめします。

布団の下

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高齢者では、万年床になった布団やカーペットの下に封筒入りの現金を保管しているケースが多く見られます。泥棒や火事などの非常事態に備え、「身近なところに現金があると安心して眠れる」という心理が働いていると推測されます。

自分の居場所や寝場所のすぐ下に現金があれば精神的に安心できますし、足腰が弱って身動きが減っても、自分の布団の下なら容易にしまうことができるのです。そのため布団や寝室で発見される現金は高額な場合が多く、遺品整理では布団周りの確認も十分に行う必要があります。

気が付きにくい隠し場所

そのほかにも、本の隙間、アルバムの間、靴箱の中、非常用持ち出し袋、電子機器の内部スペースから現金が発見される事例もあります。天井裏や畳の下、階段下の戸棚などに隠されていたというケースも見られます。

紙類の間には紙幣を隠しやすいため、本などは捨てる前に中身をあらためることをおすすめします。緊急時の備品や、へそくりをしまいがちな隠しスペースの確認もすることで、現金を見逃すリスクを減らすことが可能です。

遺品整理で現金が出てくる理由

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遺品整理で現金が出てきやすい理由としては、「高齢者の現金主義」「田舎だとATMまで行くのが不便」という2つ事情が挙げられます。それぞれについて詳しく解説します。

高齢者には現金主義が多い

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高齢者は現金主義の方が多く、手元に高額な現金を常に保管しているというケースも見られます。なぜなら高齢者は、デジタル通信機器やネットワークへのアクセスなどになじみが薄く、キャッシュレス決済に警戒感を抱いている人が多いためです。

現金は目の前に実際に存在するので現実的な安心感がありますし、クレジットカードの作り方が分からないなどキャッシュレスに移行できない事情がある方もいます。結果的にタンス預金となり、家の中に数百万円以上の現金を保管しているケースも実際に見られます。

遺品整理先が田舎

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遺品整理先が田舎にあると、現金が家から出てくる可能性が高まります。なぜなら近所に銀行がないので、まとめて1か月分など高額の現金をおろして家に置いたり、現金をもらった時に銀行に預けるのが億劫になってそのままになっていたりするためです。

過疎地ほど、車でないと銀行に行く距離と時間がかかり、家に現金を置いておく傾向が高まります。近所にコンビニがあっても、ATMの操作の手間や手数料を嫌って敬遠する方も多いです。高齢者は足腰の弱い方が多く、田舎であればなおさら外出が負担になるので家に現金を置きやすくなります。

遺品整理での現金トラブル

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遺品整理で起きやすい現金に関するトラブルを紹介します。

知らずに現金を捨ててしまう

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遺品整理のときに現金を見逃し、知らないうちに捨ててしまっていることがあります。遺品整理に慣れていない場合や、急いで片づけようとして作業が雑になった場合は、かばんや家具などの中身をよく確認せずに捨ててしまうのです。

廃棄物処理施設に送られた大型家具が解体されたとき、現金が見つかるケースが実際に報告されています。2017年12月5日の産経新聞によると、遺品整理のときに捨ててしまった現金4千万円が同年4月に群馬県のゴミ収集会社の敷地で発見されたことが報じられていました。

その他にも遺品整理関連の可能性のある現金が、ゴミ処分場で発見されるケースが頻発しています。処分場で現金が見つかっても、持ち主がたどれず所有者不明となるケースが大半です。
参考:産経新聞

親族が現金をネコババする

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一緒に遺品整理を進めていた親族や知人に、現金をネコババされるというトラブルも見られます。発見者が「黙っていればバレないだろう」と安易に考えてしまったり、「見つけたのは私だから、私がもらっていいはず」と誤った認識を持っていたりすると、ネコババが起こりがちです。

盗んだ時点ではバレなくても、遺品整理が完了した後で遺言書や故人のメモなどから現金の存在が明らかになって発覚するというケースがしばしば見られます。

疎遠になっていた親族や近所の人が遺品整理を手伝ってくれるといった時には、断った方がいい場合もあるのです。例え1円であっても、見つけたらすぐ相続人に報告すべきです。相続人であれば故人の遺産として受け取る権利はありますが、正しい財産分与を行った後に入手しなければなりません。親族・相続人の間で、正しい認識の共有が必要となります。

遺品整理業者が現金を盗む

遺品整理業者が作業中に出てきた現金を盗んだという事例も報告されています。もちろん本来は依頼主に現金の発見を報告する義務があるのですが、悪質な遺品整理業者の場合には現金だけではなく、高価な骨董品や電子機器も窃盗しているケースも実在します。遺品は換金しなければ現金にならないので足が付きやすいのですが、現金は窃盗した証拠が見つかりにくいので、悪質な遺品整理業者に盗まれたとしても立証することが困難です。

遺族が立ち会わない現場ではとくに窃盗が起こりやすく、遺族の立ち会いを拒否する業者さえいます。遺品整理業者による現金窃盗のトラブルを避けるためには、作業現場への立ち合いが有効です。

遺品整理での現金トラブルをさける

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遺品整理での現金トラブルを避けるためには、以下の3つの方法が挙げられます。

エンディングノートや遺言書を確認する

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遺品整理を始める前に遺言書やエンディングノートの有無を確認します。故人がエンディングノートに現金など財産の所在を記録している可能性が高いため、現金を発見しそびれているリスクを避けることにつながります。

遺言書には細かい現金の処遇まで書いてあるケースは少ないのですが、法的な効力を持つ文書であるため記載があれば必ず従います。エンディングノートや遺言書以外にも、故人の日記やメモにへそくりの所在などが書き遺されている場合もあります。現金に関する記載がどこにもない場合には、遺品整理の際に地道に探すしかありません。

エンディングノートについては【エンディングノートで資産や希望を明確にする10項目―無料配布先も】をご覧ください。

自分たちで遺品整理をすすめる

遺品整理業者に依頼する前に、遺族や相続人が遺品整理を進めると安心です。あらかじめ遺品整理を進めておくことで、価値のある遺品が把握でき、現金の有無を確認できるためです。

例えば、現金や宝飾品・骨董品など高価な遺品は、業者を呼ぶ前に見つけて引き取っておきます。金銭的な価値が低くても、思い出の品は業者に廃棄されるリスクを避けるため回収します。発見した遺品は、あらかじめ財産目録に記載しておくとスムーズです。

貴重品だけでも確認する

遺品整理の全工程を自分たちだけで行う場合は最低でも2週間はかかりますが、一部の遺品をピックアップするだけの作業ならば1日~数日で終えることが可能です。

遺品整理する家の広さや物の多さにもよりますが、作業範囲が広い場合は相続人総出で取り組めば時間短縮することができます。ゴミ屋敷では、業者が入る前に貴重品や現金を回収しておくのはほぼ不可能なので、業者の作業時に遺族が立ち会って一緒に遺品を確認すると安心です。

遺品整理を自分で行う方法は【遺品整理を自分でやるコツと手順/体験談と業者に頼んだ方が良いケース】をご覧ください。
遺品の仕分け方法は【遺品整理の仕分けで残す3つの遺品・プロが教える遺品整理のコツ】をご覧ください。

複数人で遺品整理に立ち会う

自分たちで進める時も遺品整理業者に頼むときも1箇所に複数人で立ち会うのがおすすめです。たとえ親族間であっても、お金のトラブルは疑心暗鬼の元となるためです。作業時に他人の目があると、着服するのは非常に困難になります。

遺品整理業者に頼む場合、作業日にどうしても予定が合わず立ち会えないときは、作業担当者から各部屋の写真や動画を送ってもらうと次善策になるでしょう。作業内容を確認することで監視の目ともなりますが、それだけでは完全に窃盗リスクを避けることはできません。

また、実際に立会う場合でも、終日ではなく作業前と完了後の2回で良いと提案されることが通常です。信頼できる遺品整理業者を選ぶことが、現実的には最も重要な防衛策と言えます。

信頼できる遺品整理業者の選び方

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遺品整理を業者に依頼する場合には、悪質な業者を避けなければなりません。以下に伝えるポイントで、資格の有無やスタッフ対応などから業者の質を見極める必要があります。

資格や許可を持っている

遺品整理業者に「絶対に無ければいけない資格」はなく、無資格でも新規参入できてしまうのが現状です。業者を見極めるためには、次の3つの資格を保有するか否かを確認します。すべての資格を保有している必要はありませんが、資格をきちんと取得して業務を行っている業者は、誇りを持って取り組んでいるという目安になり、サービス展開の幅も広いのでおすすめです。

●「一般廃棄物収集運搬業許可」(提携も可)
●「遺品供養士」
●「古物商許可」

一般廃棄物収集運搬業許可

最も重要なポイントが一般廃棄物収集運搬許可の有無です。この許可は、遺品を不用品として廃棄場に運搬するために必要となります。市区町村の担当窓口またはホームページで許可の有無を確認できます。無許可業者は遺品を廃棄場に運搬することができず、許可を持っている別業者と提携して運搬を委託しなければなりません。

しかし一般廃棄物収集運搬許可の申請手続きは時間がかかり、許可が下りないケースも多いため、実際には一般廃棄物収集運搬許可を持っていない遺品整理業者が多いです。その際は、許可のある別会社と提携して遺品整理を行っているか確認すれば良いでしょう。

一般廃棄物収集運搬許可を持っていてもホームページに載せていない業者もありますので、訪問見積り時に許可または提携の有無を確認すると安心です。

遺品整理に必要な資格は【遺品整理の資格3つー持っていない業者やばいかも。】をご覧ください。

遺品整理士

遺品整理士は一般社団法人・遺品整理士認定協会の認定資格であり、遺品の取り扱いのスペシャリストです。遺品整理業者に必須の資格ではありませんが、細やかな対応や廃棄物処理の法令知識を持っているため、遺品整理士の在籍する業者は信頼感が高まります。

遺品整理士については【遺品整理士は必要?資格の意味と業務内容】をご覧ください。

古物商許可

古物商許可を持つ遺品整理業者は、遺品の買取が可能です。遺品整理にかかる費用を、買取価格で相殺することができるのです。遺品整理費用を抑えたい、買取も一括して任せたいという場合は、古物商許可を持つ遺品整理業者に依頼します。

スタッフが疲れ切っていない

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スタッフが疲弊していると作業の質にも期待できないため、そのようなスタッフが訪問見積もりに来た業者は、選ばない方が賢明です。スタッフの顔つきや身だしなみを見て明らかに疲れていたり、清潔感がなかったりする場合は、会社全体としての体制が悪いとも考えられます。

現金が出てくるかもしれない遺品整理先では、スタッフへの信頼がより重要となります。電話見積もりで済ませず、訪問見積もりを頼んでスタッフを呼ぶことで見極めることが可能です。清潔感のある制服・衣服を着用して質問にもきちんと答えてくれるスタッフが訪問してきた業者を選ぶと、リスクを避けることができます。

遺品整理業者の選び方は【遺品整理業者の選び方・失敗しない3つのポイントでトラブル回避する】をご覧ください。

相見積もりをする

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3社~5社から相見積もりを取ることをおすすめします。なぜなら、スタッフの質や作業内容料金も比較できるので、信頼できる業者を自分の感覚でつかむことができ、費用も抑えやすくなるためです。

相見積もり時は、「相見積もりである」と業者に伝えた上で、遺品整理の物品数や作業内容の条件を揃えて比較するようにします。依頼したすべての業者の見積もりが済んでから、契約する1社を決定します。値引き交渉は、他の業者の提示価格を参考に適正価格内で行うと成功しやすいです。

遺品整理の見積もりの流れは【失敗しない!遺品整理の見積もり。たった3つのコツで安くする】をご覧ください。

遺品を現金に換える

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遺品を現金にして相続する方法もあります。分割できない遺品は、現金化すると相続人の間で公平に分けることが可能です。換金の際の注意点としては、遺産分割協議前の遺品は相続人全員の共有財産であるため独断で売却せず、あらかじめ他の相続人に合意を得ることです。換金後は財産目録に記載し、遺産分割協議に持ち込みます。

また、売却価格30万円を超える高級品や金などの換金は贈与税課税の可能性があるので、税理士に確認することをおすすめします。

出張買取を利用

出張買取とは、査定スタッフが遺品整理先まで直接訪問し、売却したい品物を査定してくれるサービスです。買取が成約した時点ですぐに現金を支払ってもらえます。買取業者は値段のつかない不用品は回収してくれないので、あらかじめ高く売却できそうな遺品を出張買取で売却したあとで、残りの遺品処分は遺品整理業者に依頼するという流れがスムーズです。購入後10年以内の大型家具や家電などは高額買取が期待できるので、遺品整理業者の買取サービスを利用するより、別途で出張買取を利用したほうが利益を得やすいです。

リサイクルショップに持って行く

リサイクルショップとは中古品や未使用品などを売買する店舗のことを指します。実店舗に持ち込む場合は、自分で持ち込み、買取が成立した時点ですぐに現金化することができます。出張買取のように予約日を設定する必要がないので、自分の都合で決められることがメリットです。家具や家電は需要が高いのでリサイクルショップで買い取られやすいです。

一方で、専門の査定スタッフがいない店舗では、プレミアのつくブランド品やアクセサリー、着物などの場合は適正価格での買取が難しいというデメリットもあります。自分のタイミングで遺品を持ち込んで売却したいという人には、リサイクルショップがおすすめです。

遺品整理業者で相殺する

古物商許可を持つ遺品整理業者では、遺品整理のときに買取も可能です。買取金額を遺品整理費用に充てることができます。買取を利用することで遺品整理業者に支払う費用を減らすこともでき、買取と遺品整理が1度に終わる点でメリットがあります。なお、遺品整理業者は宝飾品や骨董品など鑑定技術が必要な遺品の買取には対応していないことがあるので、買取の範囲を確認する必要があります。

まだ使える物やリサイクルできる物を売りたい場合にはこれらの業者を活用し、骨董品や書画などの専門的な鑑定が必要な遺品については、あらかじめ取りまとめておいてそれぞれの遺品に適した専門業者に依頼すると、最も高額で売却することができます。

買取される遺品は【遺品整理で買取される遺品7つと高く売るたった3つのコツ】をご覧ください。

遺品整理で現金が出てきたときのまとめ

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・遺品整理中に出てきた現金は相続人全員で分割する
・遺品整理では現金が出てくることもよくあるので、予め現金が出てきたときの扱いを相続人で周知しておくといい
・形見分けで現金を贈ることもできるが、金額によっては贈与税の対象となることもある
・遺品整理で現金が見つかりやすい場所は仏壇や衣類、バッグなど想像できるところが多いが、キッチンなどに故人が隠していた時にはそのまま処分してしまうこともあり得る
・近所の人が遺品整理の手伝いに急に来た時には、ネコババされる可能性もあるので丁寧に断るといい
・悪質な遺品整理業者から現金を窃盗されることもあるので、複数人で立ち会って抑止するといい
・自分たちで貴重品がありそうな場所の遺品整理を進めるだけでも効果がある

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