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空き家の不用品を処分する2つの選択・遺品整理業者の事例2つ

空き家をそのままの状態で放置しておくと倒壊や固定資産税が6倍になる危険があります。売却や防犯面から空き家の不用品を処分しようと思う方も多いのではないでしょうか。

両親が住んでいて空き家になったときには住んでいた生活雑貨がそのままになっていることもあります。家財や洋服から雑貨まであらゆる不用品を処分するには2つの選択肢があります。

この記事では空き家の不用品処分方法とご紹介します。



【監修】遺品整理士協会認定 遺品整理士
片山 万紀子

祖父の遺品整理をきっかけに遺品整理や不用品回収に興味を持ち、遺品整理士協会認定・遺品整理士の資格を取得。ReLIFE(リライフ)のディレクターをする傍ら、年間600件以上の遺品整理に携わる。遺品整理を通して「ありがとう」という言葉をいただけること仕事のやりがいとしています。


空き家とは

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空き家とは、居住者がおらず使われていないことが常態化している建物のことを指します。空き家は劣化が進みやすく、具体的には4つの危険性が挙げられます。

1.老朽化による倒壊の危険性がある
2.野生動物や虫が住みつき衛生上問題がある
3.雑草が伸び放題になり、周囲の景観を損ねる
4.不法投棄や放火、空き巣など犯罪の温床になる

たとえ空き家であっても、所有者の許可なく敷地内に足を踏み入れるのは不法侵入となり、入ることはできません。そこで平成27年に「空き家対策特別措置法」が施行されました。

空き家対策特別措置法

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空き家対策特別措置法では、上記の問題がみられる空き家を「特定空き家等」と認定し、自治体による敷地内への立ち入り調査ができます。空き家の所有者に対して自治体から修繕または撤去の指導、勧告、命令を行うことができます。

さらに勧告を受けた場合は住宅用地特例も解除され、固定資産税が解除される前と比べて6倍になることもあります。

空き家対策特別措置法により、自治体は所有者を確認するために住民票や戸籍、固定資産税台帳などの個人情報を取得できるようになりました。また、水道や電気の使用状況のインフラ情報を請求も可能となり所有者を特定しやすくなりました。

空き家の不用品を処分する2つの方法

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空き家の不用品を処分するには自分で処分するか、業者を依頼する方法があります。それぞれについて説明します。

自分で空き家の不用品を処分する

空き家にある不用品を自治体のルールに従い、ゴミを分別して自分で処分すると費用を抑えることができます。

しかし時間がかかり、1年以上かけても終わらない可能性もあります。
自宅から空き家まで移動に1時間以上かかる場合は、往復するだけでも疲れてしまい行くこと自体が億劫になる日もあるでしょう。

指定のゴミの日に集積場へゴミ出しや、粗大ゴミを自治体の処理場へ搬入する車の手配は手間もかかります。そして、慣れない大型家具を移動する際のケガの心配もあります。

費用を抑えるには1番良い方法ですが、手間や時間がかかってしまうのがネックです。

遺品整理を自分でやる方法】をご覧ください。

空き家片付け業者を利用する

片付け業者へ依頼すれば、空き家に残っている不用品の仕分けや分別、処分まで全て任せることができます。貴重品の捜索や買取も行ってくれる上、戸建てでも2日あれば室内から物置の撤去までできる場合があります。

片付け業者によっては、家の解体や不動産の売却までまとめて任せることが可能です。
自分で行う場合と比べ、手間と時間を大幅に短縮することができますし、確実に空き家の不用品を処分できます。

ただし、費用は自分で行う場合と比べて高くなります。
料金は不用品の量と状態によって決まるので、同じ間取りでも数十万円以上、料金に幅が出てきます。正確な料金は訪問見積もりで出してもらわないとわかりませんが、相場費用は【遺品整理の料金と安くするコツ】でご紹介しています。

安く空き家を片付けるなら自分で

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空き家にある不用品を安く片付けるなら、自分達で家財道具を片付けるのが1番です。

時間と体力は使いますが、処分費用は業者を利用した時の半分以下になります。ここでは安く費用を抑えるための具体的な方法をご紹介します。

不用品を自治体の回収で処分

不用品は自治体のルールに従って処分するのが1番安く済みます。粗大ゴミの処分費用は1つにつき500〜1,000円くらいですし、可燃ゴミや不燃ゴミは指定袋を購入すれば無料で処分できます。

しかし、自治体で処分できないものは自分で処分業者を手配したり、指定場所に持ち込まなければいけません。
例えば、テレビや冷蔵庫などのリサイクル家電は家電量販店や不用品回収業者で処分します。また、ピアノや金庫、消火器など自治体が回収できない場合は、自分で業者を手配する必要があります。

不用品を売って処分

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製造から10年未満の家電やブランド品は売って処分することもできます。
基本的に市場価値があるものであれば買取業者やリサイクルショップで買いとってくれます。

ブランド品は質店、家電はリサイクルショップなどそれぞれの専門業者に分けて依頼すると買取価格が上がりやすくなります。

家具は買取価格が付きにくい
カリモク家具などのブランド家具は、状態が良く人気のデザインあれば期待できますが、一般的に買取が難しいのが現状です。その理由は、ニトリやIKEAなど大型量販店で安く新品を購入できる背景があるためです。

海外からの直輸入のアンティーク家具など、世界に数点しかないモノであれば、アンティーク家具の専門業者に買い取ってもらえる可能性があります。買取金額が付くかどうかはフリマアプリやネットオークションで調べてみると相場感などを知ることができます。

タンスや学習机の処分の方は【家具の処分方法4つー粗大ゴミと不用品回収業者比較と売れる家具は?】をご覧ください。
食器の処分の方は【食器の捨て方・大量に捨てる・寄付してリサイクルする】をご覧ください。

空き家片付け業者に任せる

空き家片付け業者に不用品の処分を任せることで、大幅に手間や時間を短縮することができます。ここでは、片付け業者のサービス内容や費用についてご紹介します。

空き家を片付け業者に依頼した時の料金

片付け業者に空き家に残った不用品の処分を任せると、短時間でスムーズに片付けが終わります。費用はかかりますが、売却期日が迫っている方や空き家が遠方にある時には利用することをおすすめします。

空き家の片付け料金は部屋の広さが料金の目安となります。ここでは、一戸建ての不用品を片付けした事例をご紹介します。

空き家の片付け・事例1

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作業人数:4名
料金:150,000円
買取:58,000円(ジュエリー等)
請求額:92,000円
所要時間:3時間
間取り:4LDK(東京都世田谷区)

3年ほど空き家状態だったご実家を売却されるとのことで、家の中の整理をご依頼頂きました。遺品整理のため何度も遠方から足を運び、片付けておられたそうです。ものを大切にするご両親だったそうで、遺品も多くお客様にて整理や処分に限界を感じ、弊社にご相談を頂きました。

お見積もり時にお客様の必要なもの、残すもの、探して欲しいもの、処分してはならないものをご確認させて頂きました。遺品や判別が難しいものなど、それぞれに対処方法をご提案させて頂きました。

指輪や貴金属など見積もり時に買取させていただきましたので、見積もり金額から引かせていただきました。仏壇と写真、雛人形は供養のご依頼がありましたので、引き取った後で提携先のお寺で供養いたしました。

最後に簡易清掃し、お客様にご確認いただきました。何も亡くなった部屋を見て「ありがとう」とつぶやく姿がとても印象的でした。

4LDKの戸建ての相場料金は20万円以上ですが、今回はお客様自身で分別や仕分けが終わっており、家財道具や大型家電の引き取りが中心でしたので、作業時間も短く費用もお安くできました。

空き家の片付け業者の探し方は【遺品整理業者の選び方・失敗しない3つのポイントでトラブル回避する】をご覧ください。

空き家の片付け・事例2

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作業人数:7名
料金: 320,000円
所要時間:8時間
間取り:4LDK(東京都練馬区)

お母様が介護施設に入所されて半年ほど誰も住んでいない空き家の不用品処分でした。

お母様が足を骨折されてから入院し、そのまま介護施設に入所されたとのことでキッチンからリビングまですべてそのままの状態で、膨大な作業に先が見えず「どうしたらいいかわからない…」と弊社にお電話くださいました。

このようなケースでは仕分けや分別に時間がかかりますので、スタッフを2名増やして1日で終わるようにスケジュールを組ませていただきました。娘様も知らなかった保険証券や通帳が出てきましたので、まとめてお渡しいたしました。

「自分で片付けていたら何年かかっても終わらなかったと思う」とのお言葉をいただきました。

遺品整理業者と不用品回収業者の違い

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空き家の不用品を処分するときに利用する業者は遺品整理業者か不用品回収業者を選ぶといいです。片付け作業のみであれば便利屋でもできますが適切な仕分けや廃棄処分までは対応していないことが多いです

すでに仕分けや分別が完了しており、廃棄や買取をして欲しいものが主体であれば、不用品回収業者、遺品整理業者どちらを選んでも構いません。不用品回収業者の方が遺品整理業者より多いので選択肢も広くなり、相見積もりも取りやすくなります。

反対に、まだ貴重品などの仕分けできていない、仏壇や神棚など判断に迷うものがあるなら遺品整理業者がおすすめです。遺品整理は貴重品の捜索や仏壇などを処分する際の供養、遺品処分についてのアドバイスもしてくれます。

また、処分後のハウスクリーニングや家の解体、リフォーム、不動産売買の仲介、相続の相談などもそれぞれの専門業者と提携し、ワンストップで対応が可能な遺品整理業者もあります。

仏壇の処分方法は【仏壇の処分方法5つと注意点―正しい流れと処分依頼先は…】をご覧ください。

神棚の捨て方は【神棚の処分方法は5つ・費用と捨てる時期・燃えるゴミで捨てても大丈夫?】をご覧ください。

片付けの一部を業者に任せる方法もある

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自分でできることは自分で、できない部分を業者に依頼するハイブリッド方式にすると、費用を抑えつつも時間と体力を軽減できます。

例えば、洋服や小物の仕分け分別、処分を自分で行い、タンスや冷蔵庫など大型家具の回収と処分を業者へ依頼することで、自分では難しい力仕事や処分を任せることができ、かかる費用も抑えることができます。

業者の料金は作業時間が短いほど安くなりますので、仕分けや分別作業を自分たちで行うと料金が安くなりやすいです。

空き家の不用品処分にかかる費用補助制度

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空き家問題は全国的に社会問題の一つとなっているため、各地方自治体でも空き家対策の補助制度を導入しています。補助を受けるためには、自治体の空き家バンクへの登録や地元の業者を利用するなどの条件があります。

補助されるのは費用の1/2もしくは上限が10〜20万円ほどです。

1. 神奈川県横浜市
空き家所有者が地域活動団体に空き家を貸す場合、家財の撤去費や、樹木剪定に係る経費の1/2(限度額20万円)を補助します。

2. 岐阜県恵那市
空き家バンク登録物件の賃貸・売買が成約、または登録前に利用可能。対象物件の家財道具の搬出処分、清掃、除草・木の伐採等にかかる費用にて5万円以上で1/2(限度額10万円)が対象。

3. 山口県阿武町
町の空き家バンクに登録された物件を、町内の業者に委託して10万円以上の一般廃棄物処理を適正に行った場合、経費の1/2(限度額15万円)が対象。

参考:「地方公共団体による空き家対策支援制度」検索サイト

空き家の不用品を処分できない時

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空き家の不用品を処分しきれない場合は、家財を残したままで売却や空き家バンクなどを検討するのも一つの方法です。

家財付きのまま売却する

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家具付きのまま売却することも交渉次第では可能ですが、その場合は買取価格が安くなってしまうことがあります。

一般的に不動産を売却するときは、家具や家電などの家財は全て片付け、何もない状態にして引き渡すことが原則です。そのため、家財を残した場合は、家具や家電の処分費用の負担もしくは売却価格から処分費用を差し引いた額が実質の売却価格となってしまいます。

高価なものであれば残置物がプラスに評価されることもありますが、売却価格を上乗せすることは難しいです。

空き家バンクに登録する

自治体の空き家バンクに登録するのも一つの方法です。
空き家バンクとは地方自治体やNPOが主体となって運営している、空き家情報を集約・共有し、空き家を持つ売主(貸主)と入居希望者を仲介するサービスです。

空き家を有効活用し、定住の促進や交流人口の拡大による地域の活性化を図ることが目的とされています。また住むだけでなく、店舗などとして空き家利用が積極的に推奨されています。
例えば、ここ数年で空き家は古民家カフェなど収益にも有効活用され、地域の活性化にも一役買っています。

空き家バンクの登録は無料
登録するためには、空き家のある自治体の空き家バンクへ申込みます。登録費用はかかりませんが、契約成立時に業者が仲介している場合は、仲介手数料がかかります。
期間を2年と定めている自治体もあり(再登録可能)、登録中の空き家の修繕・維持管理は登録者側で行う必要があります。

売却価格や家賃については自分で決めることができますが、あまり高くすると買い手がつきません。物件調査時に宅建業者が立ち合いますので、その時に価格を相談すると良いでしょう。売主と希望者の直接交渉はトラブルにつながる恐れもあるため、協定を結んだ地域の宅建業者に仲介に入ってもらう自治体も増えています。

空き家バンクへ登録が向いている物件は、売却価格が低く(400万以下)売却を頼める不動産会社が見つからない場合などが挙げられます。なお、住むために大規模修繕が必要な物件や老朽・損傷が著しい場合は登録できません。

空き家の売却や賃貸を考えているなら、空き家の管理は正しく行い価値を下げないように【空き家の管理は月に1回30分・ポイントが分かればで自分でできる】をご覧ください。

トランクルームを利用する

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空き家の不用品を処分しきれない時には、トランクルームへ一時的に保管する方法があります。トランクルームとは、通常普段使わない荷物などを保管できる収納スペースのレンタルサービスです。広さは0.5〜8帖ほどで、都心では0.5〜3帖が多いです。

空き家から出た不用品で親族の確認が必要な場合や判断に迷うものを一時的に保管しておく時に便利です。

1.5帖ほどであれば月額1万円台で借りることができますし、4帖以上でも3万円前後で借りることができます。費用相場は駅近や屋外・屋内などの条件によっても変わりますが、都心の方が月額5,000〜10,000円ほど高めです。

期間限定の割引やスタッフが搬出・搬入してくれるサービスもあります。

費用相場

広さ(帖) 東京都北区 茨城県つくば市
1.5 16,700円 11,500円
4 31,700円 20,750円
8 34,100円 29,700円

収納できるスペースに限りがあるため、全てをトランクルームへ移動することはできません。とりあえず残しておきたいものを分別・仕分けし、不用品を処分することが先決と言えるでしょう。

空き家の不用品処分のまとめ

・空き家を放置すると4つのリスクがある
・空き家対策特別措置法により、税金が高くなることや解体要請対象になることもある
・空き家の不用品処分は自分で行う他に、業者を利用する方法がある
・自分で行うと費用が安くなり、業者を利用すると時間の短縮になる
・業者は不用品回収業者か遺品整理業者に依頼するといい
・すぐに処分できない時にはレンタルスペースに一時保管する方法もある