はじめての遺品整理を自分でやる手順と失敗しない5つのコツ
「何をしたらいいのか」「どこから始めればいいのか」遺品整理が自分たちで進められないのは、手順やゴールを知らないからです。
遺品整理の正しい手順と小さなコツを理解すると迷うことなく進められます。
この記事を読むと分かること
・遺品整理を自分でやる手順
・遺品整理3つのコツ
・できない時の対処法
記事を読み終えるとスムーズに遺品整理を終えて、すっきりとした気持ちになれます。
【監修】遺品整理士協会認定 遺品整理士
片山 万紀子
祖父の遺品整理をきっかけに遺品整理や不用品回収に興味を持ち、遺品整理士協会認定・遺品整理士の資格を取得。ReLIFE(リライフ)のディレクターをする傍ら、年間600件以上の遺品整理に携わる。遺品整理を通して「ありがとう」という言葉をいただけることを仕事のやりがいとしています。
目次
遺品整理の計画と連絡
計画的に進めることが遺品整理を成功させるには欠かせません。
難しく考える必要はなく、スタートとゴールを決めて周りに知らせるだけで大丈夫です。
親族への連絡からはじめる
自分で遺品整理をはじめるときに最初にすることは兄弟・親・個人の兄弟への連絡です。
遺品は相続品とみなされ自分だけのものではありません。自分だけの判断で遺品の処分や形見分けをすると後に親族間でトラブルに発展することもあります。
伝えること
・遺品整理を自分ですること
・遺品の取り扱い
・できれば一緒に進めたいこと
予定を合わせて親族が揃った状態で遺品整理を行うことが理想です。
どうしても予定が合わない親族がいる場合は、「遺品整理をすべて任せる」と一筆書いてもらうとトラブル防止につながります。
はじめる日時をきめる
遺品整理を始める日を決めます。
遺品整理はいつから始めるという決まりはありません。持ち家の場合には気持ちと時間に余裕がある時から始めます。
故人が賃貸住宅に住んでいた場合はすぐにでも取り掛かるのがおすすめです。退去手続きが終わるまで住んでいない部屋にも家賃が発生しています。
49日法要が終わり故人の魂が成仏するのを見届けてから始める方が多いです。
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遺品整理のゴールをきめる
遺品整理のゴールを明確にします。
どこまで片付けるのかをはっきりとさせておくと、遺品整理の目的がはっきりするので作業がはかどります。
遺品整理のゴール例
・家の中を空にする
・貴重品だけを取り出す
・細かいものだけを片付ける
家の中を空にするための時間や体力がない時には、衣類やキッチン用品など細かいものを処分するだけでも効果的です。遺品整理をする人全員でゴールを設定しましょう。
シーン別・遺品整理の準備
仕分けや分別、処分それぞれの作業に合わせた道具や材料が必要です。
ホームセンターや100円ショップで手に入りますので、家と遺品の量に合わせて整えましょう。
仕分けに必要な6つの道具
遺品整理の仕分けには引っ越しと同様に荷物を入れる箱やゴミを入れる袋を用意します。
必要なもの
ダンボール | 120サイズを1部屋につき10箱以上
大きすぎると持ち運びにくいので、ミカン箱程度がおすすめです。 |
ガムテープ | 2~3個
布・クラフトどちらでも構いませんが、切りやすいクラフトがおすすめです。 |
ゴミ袋 | 可燃・不燃・資源など自治体のルールに合わせて用意します。
45リットルサイズの一番大きいものがおすすめです。 |
油性ペン | 2本以上。
ダンボールの中身を記載する時に使用します。 |
はさみ・カッター | よく切れるものを人数分用意します。 |
ビニール紐 | 2巻
本や布を束ねる時に使用します。 |
解体であると便利な3つ
遺品整理時には工具も用意します。
家具や物置の解体や小型家電の電池を抜くなど細かい分解作業もあるからです。カラーボックスなど組み立て式の家具は解体した方が、持ち出しやすくなります。
ドライバー | 電動ドライバーがあればスピードがさらに上がります。 |
のこぎり | 家具を解体しなければ搬出できない時に使用します。 |
ペンチ | 配線が絡まっているときに使用します。 |
搬出が楽になる3つ
仕分けが終わった遺品を搬出する時には梱包資材と車両が必要です。
梱包資材は遺品の中で持ち帰りたいものを壊れないようにするために使用します。
大きな家具を持ち出す時には台車があると便利です。
また、戸建ての場合にはゴミの集積所まで50m程度離れていることもあるので、車で運んだほうが効率的です。
緩衝材 | 新聞紙、タオル、エアーキャップなど家にあるもので構いません。 |
台車 | ゴミの集積所まで運ぶ時に使用します。特にマンションでの運び出しで重宝します。 |
トラックやワゴン車 | ゴミの処分場まで運ぶ時にも一度にたくさん載せられる軽トラックやワゴン車があると便利です。 |
掃除がはかどる5アイテム
掃除道具も遺品整理には欠かせません。故人がお世話になった部屋を清めるという意味も含まれています。
遺品の運び出しが終わった後の家はホコリや汚れが気になりますし、カビやウィルスの繁殖を防ぐ効果もあります。
ゴミ袋 | ゴミを入れるための袋です。
可燃ゴミ袋を遺品整理用とは別に用意します。 |
掃除機 | 引き出しの中や窓のさんなど重宝します。 |
ほうきとちりとり | 電気が通っていない時にはほうきとちりとりで掃除します。 |
洗剤 | キッチン用と住居用の2種類があれば十分です。 |
雑巾 | 使い捨ての雑巾を10枚以上用意します。 |
遺品整理の服装
遺品整理は動きやすく、汚れてもいい服装にします。ポケットが付いている服やエプロンだとガムテープやはさみを携帯できるので、快適に作業が進みます。
重い家具や書類の移動もしなければなりません。荷物を体全体で抱えることもあるので、長袖長ズボンなど肌の露出を控えた服装を心がけましょう。
マスク | 古い本や衣類の仕分けではハウスダストが舞います。不織布マスクを用意します。 |
軍手 | 割れた食器や汚物を触らなければいけないこともあります。 |
スリッパまたは靴 | 思わぬ怪我の防止になりますし、靴は搬出作業がスムーズになります。 |
遺品整理の流れ3ステップ
遺品整理ですることは分けることと捨てることのたった2つだけです。
分ける基準と捨て方が分かれば、作業がはかどります。
遺品を3つに仕分ける
遺品整理は遺品を3つに仕分けるところから始めます。「資源ゴミ」「形見分け」など初めから難しく考えると失敗します。シンプルに以下の3つに分けていくとサクサクと進んでいきます。
仕分けの種類 ①残す遺品 ②捨てる遺品 ③迷う遺品 |
仕分けを始める前にダンボールを3つ組み立て「遺す」「捨てる」「迷う」とダンボールに書き、遺品の仕分け作業を始めます。
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残す遺品を3つに分ける
残す遺品はさらに3つに分けます。
残す遺品 ①手続きに必要なもの ②形見分けの品 ③売れる遺品 |
のいずれかに当てはまります。
価値のある遺品は親族間でのトラブルの種になりやすいです。相続人で情報を「なにが・どこに・どれくらい」あったのかをその場で共有と確認します。残す遺品に当てはまらないものは基本的に「捨てる遺品」に仕分けられます。
不用品とゴミを捨てる
捨てる遺品を6つの方法で処分していきます。
自分たちにとっては不用品でも市場価値があるものや再資源化できる遺品は「売る」「寄付」「リサイクル」という選択肢があります。
遺品の処分方法 ・売る ・寄付する ・リサイクル処分 ・燃えるゴミ/燃えないゴミで処分 ・粗大ゴミで処分 ・業者に引き取ってもらう |
処分には遺品の仕分けと同じくらいの時間と体力を使います。
残す遺品3種類
はじめる前に残す遺品は遺品整理をする人全員で共有しておきます。
手続きに必要な書類、貴金属など探していたものが出てきたら、貴重品を入れる箱を作っておくと便利です。
貴重品
・現金 ・通帳、クレジットカード、キャッシュカード ・印鑑 ・有価証券 ・身分証明書 ・土地の権利書 ・契約書類 ・スマホ |
現金や通帳などは相続品となります。証券などの書類類も相続対象となりますので処分してしまわないように気を付けます。
タンスの奥や鏡台、キッチンの戸棚に故人がへそくりを隠しているケースもよくあります。用心深い型だと押し入れの奥のリュックの中にまとめて貴重品を隠していることもあります。
買取品
市場価値のある遺品は残す遺品に仕分けます。リサイクルショップや専門店にもっていくと買い取ってもらえるからです。骨董品や貴金属など専門知識が必要な遺品は一旦、残す遺品としてまとめましょう。
・貴金属 | 宝石やアクセサリーや貴金属
安定して買取される可能性が高いため、資産価値のあるものに分類されます |
・骨董品 | 花瓶や壺、掛け軸、日本刀
骨董品やコレクションの類は素人には見分けがつきにくいので、鑑定に出してみます |
・着物 | 加賀友禅や絞り染め、有名作家の着物は10万円以上で買い取られることもあります。 |
・時計 | ロレックスやオメガなど高級時計はプレミア価格が付いている可能性があります。 |
・書籍 | 写真集や画集、古書など販売数が少ない諸精機は買取対象となります。 |
・家電 | エアコン・テレビ・洗濯機・冷蔵庫
製造から5年未満で正常に動く家電は買取対象になります。 |
・小型家電 | 掃除機、スマートフォン、空気清浄機、オーブンレンジ
小型家電は製造から3年未満で正常に動くものだけ残します。 |
遺品整理業者の仕分けでも買取可能な遺品は「買取ボックス」と書かれた箱に入れています。誤って処分しないよう目立つ場所に置きましょう。
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形見分けの品
故人が大切にしていたものや自分の思い出となるものは残す遺品に仕分けます。
形見分けの例
・メガネ ・筆記用具 ・アクセサリー、時計 ・衣類 ・仕事道具 |
買取対象ではなくても生前故人が大切にしていたアクセサリー・筆記用具は、形見としてほしい親族もいるからです。遺品整理を始める前に形見分けの希望を聞き、見つけたら形見分けと分かるように仕分けます。
仕分けをした人にとっては思い入れがなくても、親族の中には故人との大切な思い出の遺品になっていることもあります。思い出の品と思われる遺品は後からまとめて確認できるよう残す遺品にしましょう。
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遺品の処分方法6つ
残す遺品以外は6つの方法で処分していきます。
遺品の中で売れる遺品、リサイクル品は1割以下ですので、半分以上はゴミや不用品として処分します。
売る
買取品として仕分けした遺品は買取業者やリサイクルショップ、フリマアプリを利用して売ります。
遺品整理は自分たちで行っても処分費用が掛かりますので、買取を利用すると処分費用と相殺して安く済ませることもできます。
遺品整理の中でよく出てくる「ブランドの食器」や「贈答品のタオル」は未使用で箱付きだと100円~1000円程度で買いとられます。自分でフリマアプリに出品した方が約2倍以上、高い値段値売れますので、時間余裕がある方にはおすすめです。
リサイクルする
「古紙」「ペットボトル」「缶」「古着」は廃品回収で処分します。
リサイクルボックスはスーパーや空き地に設置されているので、収集日を待つことなく捨てられます。
衣類はユニクロやH&Mの回収ボックスへ持ち込むと1袋につき、500円OFFクーポンと交換してくれるサービスもあります。回収された衣類は発展途上の国へ寄付されたり、リサイクルされたり無駄のない使われ方をしています。
寄付する
寄付団体を通じて発展途上の国へ寄付する処分方法もあります。
寄付できるもの
・食器、調理器具 ・衣類、アクセサリー ・収納用品 ・テレフォンカード ・家電製品 ・アウトドア用品 ・楽器 |
汚れている衣類や使いかけの筆記用具、壊れている家電の寄付はできません。寄付されたものは発展途上国の子どもたちの教育や生活支援に充てられるからです。送る時には「まだ使える」ではなく「自分が使いたいか」を基準にえらびましょう。
寄付するときには団体へ直接連絡し、指定された配送方法で送ります。送料は発送者負担となり、1箱あたり3,000円~5,000円です。
可燃ゴミ・不燃ごみで捨てる
遺品整理先の自治体のルールに従ってゴミとして捨てます。
分別後、それぞれ指定のゴミ袋にまとめ決められた収集日・決められた場所に出します。
燃えるゴミ | 書類、雑貨、衣類
もっとも量が多いのが燃えるゴミです。紙や木でできているものは可燃ゴミになります。 |
燃えないゴミ | 食器類、ガスボンベ、ドライヤー、かみそり、ハンガー
鉄や陶器でできているものは燃えないゴミになります。 |
資源ゴミ | ペットボトル、缶、紙、ビン、本
リサイクルマークがついていて、汚れがないものは資源ゴミになります。 |
ゴミの分別方法は自治体のホームページや広報誌、市役所で確認できますが、調べながら遺品整理を行っていると作業が進みません。
プラスチック製品など資源ゴミか不燃ゴミか分からない時には、「分別不明ごみ」として一つにまとめ、大まかに作業が終わったところで調べてから分別します。
遺品整理のスケジュールを組むときには可燃ゴミの前日に行うとスムーズに捨てられます。
持ち込み処分
指定処分場へゴミを持ち込み処分できる自治体もあり、1度にまとめて捨てることが可能です。持ち込みの場合でも分別作業はしなければなりません。
粗大ごみで捨てる
粗大ゴミや大型ごみに分類される大型の家具や家電は粗大ゴミとして処分します。
粗大ゴミの基準は自治体によって多少異なりますが、
粗大ゴミの基準
・指定袋に入らない ・一辺の長さが50cm以上 |
どちらかに当てはまると粗大ゴミに分類される可能性が高いです。
粗大ゴミの処分方法は「戸別収集」と「持ち込み処分」の2通りから選べます。戸別収集は申し込みから収集まで1週間から1か月以上間が空いてしまいます。
遺品整理の様に大量に粗大ゴミが出る時には、持ち込み処分の方が早く片付けられます。
自治体で処分できない不用品
自治体では適正処理困難物として引き取ってくれない不用品があります。ゴミ処理場での処分とゴミの集積場からトラックへの積み込みが難しいことが理由の一つです。
適正処理困難物
・テレビやエアコン、洗濯機、冷蔵庫などのリサイクル家電 |
自治体で処分できない不用品は、専門業者や不用品回収業者に個人で手配して処分します。遺品整理ではどの家でも必ずリサイクル対象家電の処分があります。テレビや冷蔵庫の引き取りだけでも遺品整理業者を利用すると負担が軽くなります。
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業者に引き取ってもらう
遺品整理の不用品は業者にまとめて引き取ってもらうと短時間で片付けられます。不用品の中で価値があるものは買い取ってくれる業者もありますし、細かい分別や粗大ゴミの処分に必要な手続きも代行してくれます。
遺品の引き取り業者
・遺品整理業者 ・不用品回収業者 ・買取専門業者 ・一般廃棄物収集運搬業者 |
買取専門業者は価値のないものの引き取りはしてくれません。
遺品を丁寧に取り扱ってほしいという希望がある方は遺品整理業者がおすすめです。
処分しにくい3つの遺品
処分するのに気が引ける遺品はひと手間加えてから捨てるのがおすすめです。
仏壇・仏具
処分に困る「仏壇」「遺影」「位牌」の3つは供養してから処分すると、不快感がなくなります。
仏壇が捨てくいのは目には見えない「先祖の魂」が入っていると思うとそのまま捨てるのは忍びない気持ちがあるからです。また、自治体によっては供養が済んでいない「仏壇」や「位牌」の処分受け入れを行ってくれないこともあります。
仏壇のサイズダウンする時も魂抜き供養をしてから、処分しましょう。
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ぬいぐるみ・人形
ぬいぐるみや人形も供養してから捨てると気持ちの面で違和感がなくなります。
目が付いているので魂が宿っているように感じてしまうことが捨てにくい理由です。ぬいぐるみも人形も魂入れをしていなければ「もの」ですが、気になるのであれば人形供養イベントや供養サービスを利用しましょう。
白い布で覆ったり、清め塩を振るなど、簡易的に自分で供養する方法もあります。
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写真は捨てにくい
故人が映っている写真は薄いアルバム1冊分だけ残して処分します。枚数にすると30枚以下です。
大切な故人が映っている写真を捨てることで故人との思い出を捨ててしまうような気持ちになることが捨てにくい理由の一つです。見返したときに故人とのいい思い出がよみがえるのは以下のような写真です。
残すといい写真
・故人の笑顔の写真 ・家族全員の集合写真 ・自分と故人との2ショット |
広く浅い思い出を残すのではなく、とっておきの思い出を厳選して残すことを心がけます。
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遺品整理の5つのコツ
自分で遺品整理を進める5つのコツをご紹介します。
計画的におこなう
人数や期間から計画的に進めていきます。
目に入った場所から仕分けをすると達成感が得られず、中途半端に終わってしまうことがあるからです。
3人以上で進める時 ・だれがどの部屋を担当するか決める ・何日に何人で行うか1人で進める時 ・どの部屋をいつまでに片付けるか遺品の処分 ・どの方法で処分するか(業者を利用するか自治体で捨てるか) |
計画通りにいかないことが多い遺品整理ですが、大枠を想像するだけでも円滑に進められるようになります。
キッチンからとりかかる
遺品整理はキッチンからとりかかりましょう。
冷蔵庫の中に腐った食品が隠れていることもありますし、常温保存されている調味料や小麦粉には虫が湧くこともあるからです。
虫は連鎖的に増えてきます。
衣類やタオルなど買取対象の遺品が虫食い被害にあってゴミになってしまう状況になることも考えられます。遺品整理を無駄なく進めるためにもキッチンの仕分けから始めます。
近隣に配慮する
遺品整理することを近所に連絡すると苦情に発展しにくくなります。
作業中は騒音も出ますし、家に面している道路に駐車したりと近隣に迷惑をかけることもあります。両隣や向かいのお宅には1週間から2週間前に遺品整理をすることを伝えましょう。故人の知り合いであるなら、快く受け入れてくれます。
伝えること
・遺品整理をするため、音が出ること
・遺品整理をする日時
マンションの場合は管理人や管理会社に事前に連絡をすると、マンションの掲示板やエレベータに「〇月×日△号室9:00-17:00まで引っ越し作業のためご迷惑をおかけします」と貼り紙で住人に周知してくれます。
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無心になる
遺品整理を始めたら心のスイッチをオフにして作業として淡々と進めます。
遺品から故人との思い出を振り返ったり、これはいくらになるだろうなど考え事をしていると手が止まってしまうからです。遺品整理を自分でおこなったときに時間がかかる理由の一つです。
目の前のものは「残す遺品」「残さない遺品」「迷う遺品」どれに当てはまるかだけを基準に無心で仕分けするのがコツです。
親族間で平等にする
遺品の分配は相続者で話し合った後で行いましょう。
誰か一人が勝手に分配したり、了承なく見つけた人がとってしまうと親族間のトラブルに発展します。
遺品整理では10万円以上する時計やアクセサリーも大量に出てきます。
「生前、口約束をしていたから」など証拠が残っていない主張を納得されることは少ないのが現実です。
遺言書やエンディングノートなどが見つからなければ、話し合いの上平等に分配しましょう。
遺品を引き受ける権利は誰か一人ではなく相続者全員に与えられています。
遺品整理ができない。3つの対処法
遺品整理ができない原因は心理面・体力・時間のいずれかが原因になっています。それぞれの対処法とできない時の解決策をご紹介します。
心が落ち着くのを待つ
気持ちの面で遺品整理ができない時には時間をおくといいです。
死後すぐや49日法要後すぐに遺品整理ができないのは当たり前のことです。気持ちに整理がついていないと遺品を見るだけで、故人との思い出に浸ってしまい作業がすすめられません。
グリーフケアを取り入れて悲しみと向き合ってみることで解消されることもあります。
時間が許すなら故人の死を受け入れられるまで、期間をおくことが対処法です。
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3人以上で遺品整理する
3人以上で進めるとベッドやダイニングテーブルなどの大型家具も処分できるようになります。遺品整理ができない理由の1つに「体力がない」ことがありますが、孫や子供、兄弟と協力して進めると、体力面をカバーできます。
人数が多い分、作業自体も速く進みます。
時間をかけて進める
時間をかけて進めれば遺品整理は必ず終わります。遺品は仕分けと処分を繰り返せば、減っていきますが、増えることはないからです。
遺品1つ1つと向き合い丁寧な仕分けをすることは故人の供養にもつながります。自分の気持ちにも区切りがつきやすいです。
持ち家で期日が決まっていない時には、半年から1年以上かけてゆっくりと遺品整理に時間をかけても問題ありません。
賃貸物件や解体期日が迫っているときには、遺品整理業者を利用する方法もあります。
遺品整理業者に依頼する
自分で遺品整理が進まない時には遺品整理業者を利用するのも選択肢の一つです。
遺品整理のプロが仕分けから搬出、処分まで全て引き受けてくれます。
遺品整理業者のサービス内容
遺品整理業者のサービスは遺品の片付けに関わる「仕分け」「梱包」「搬出」「処分」などで多岐にわたります。
故人が部屋で亡くなられた場合には遺品整理の前に特殊清掃が必要になりますし、遺品整理後の不動産の売却や空き家管理まで引き受けてくれる業者も増えています。その他、依頼内容に合わせ供養や形見分けの配送を行うこともあります。
遺品整理業者のサービス
・遺品の仕分け、梱包 ・搬出 ・リサイクル ・遺品の買取 ・処分 ・ハウスクリーニング、簡易クリーニング ・特殊清掃、消臭作業 ・供養、お焚き上げ ・貴重品の捜索 ・不動産の仲介、買取、リフォーム、解体 ・相続の相談 |
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遺品整理業者選びの5つのポイント
許可を持っていて対応がいい遺品整理業者をえらびましょう。自分で選ぶ自信がない方や相見積もりを簡単にとりたい方はリライフへご相談ください。
自分で選ぶ時には最低でも3社から見積もりをとり、比較すると失敗しません。
いい遺品整理業者の特徴
・遺品整理士資格をもっている ・接客や電話対応が丁寧 ・金額が相場価格 ・訪問見積もりが無料 ・見積書に詳細がかかれている |
その他にも細かいポイントは10個以上あります。
より詳細な遺品整理業者の選び方は遺品整理業者の選び方・失敗しない3つのポイントでトラブル回避するをご覧ください。
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遺品の処分だけたのむ
遺品の買取と処分だけを遺品整理業者に依頼するという「ハイブリッド」もおすすめしています。
遺品整理業者に仕分けから処分まで全てを任せると費用は高くなります。自分たちで時間をかけて形見分けの品を探したり、写真の選別をしたいというご相談もいただきます。
自分たちで遺品の仕分けとゴミの分別をしたあとで、遺品整理業者に大型の家具や家電、細々した不用品を引き取ってもらえます。
遺品整理業者が行うのは引き取りと処分だけになるので、費用の交渉もしやすくなります。
遺品整理業者との比較
遺品整理業者を利用するときと自分たちだけで行う時を比較すると以下のようになります。
遺品整理業者 | 自分たち | |
費用 | 〇 | ◎ |
時間 | ◎ | △ |
どちらにもメリットがあるので、併用して利用する方法もあります。
安いのは自分たちで遺品整理
遺品整理の費用が安く抑えられるのは自分たちで行うメリットです。
遺品整理業者に支払うスタッフへの人件費や車両費を自分たちで手配することで10万円以上費用が安くなるからです。遺品整理の場合にはワンルームであっても3人のスタッフと1.5トン車が必要なので、それだけで5万円以上はかかります。
自分たちで遺品整理を進めれば、ゴミの処分代だけで済ますこともできます。
早いのは遺品整理業者
遺品整理を早く済ませたいなら遺品整理業者を使うべきです。
作業人数やトラックを1度に集めて、作業を始めるので戸建であっても1~2日で空の状態にしてくれます。遺品の取り扱いは丁寧ですが、仕事と割り切って依頼者の要望に応えるため「遺品の捜索」と「仕分け」に専念します。
経験と知識が豊富なので仕分けから搬出までのスピードが速く、自分たちで遺品整理を行う3倍以上の早さで終わります。
負担が少ないのは遺品整理業者
体力と精神面での負担が少ないのは遺品整理業者に任せることです。
故人が孤独死した部屋の遺品整理を進めるのは、精神的につらいものです。日常的に体を動かしていない方であれば、1日遺品整理をしただけで筋肉痛や腰痛になることもあります。
遺品の中にはタンスやベッド、冷蔵庫など大型家具も10点以上処分しなければならず、体への負担も大きいです。不安を感じる方は遺品整理業者を利用するのがおすすめです。
はじめての遺品整理2つの体験談
遺品整理を自分で進めた方の体験談をご紹介します。
自分で遺品整理した
故人との間柄:娘
間取り:3LDKのマンション
期間:1カ月以上
作業人数:1人
費用:5000円くらい(ゴミ袋代のみ)
母が長年住んでいた3LDKの賃貸住宅の遺品整理を一人で行いました。
衣類やキッチン用品、本など細かい遺品は順番に分別して、可燃ゴミや不燃ゴミの日に少しずつ出しました。空気清浄機や扇風機などは持込処分なら無料でしたので、毎週ゴミ処理場へ通って減らしていきました。
遺品を片付けていくうちに母の思い出が蘇り何度も止まってしまうことがありましたが、それも供養の一つかと思います。
大型の家具は無理
長年住んでいた賃貸住宅で、大家さんとも面識があるうえ、解体予定の住宅であったため「不要なものは置いていってもいいよ、全部まとめて処分するから」と言っていただきました。
大型の家具は大家さんのご厚意に甘えて置いていきましたが、タンスやベッド、ダイニングテーブルなど大型の家具を自分で捨てに行くのは一人では無理だったかと思います。
自分で遺品整理はできなかった
故人との間柄:嫁
間取り:4LDKの戸建て
期間:3日以上
主人の実家を売却することになったため遺品整理を始めましたが、挫折しました。
当初は主人の兄弟で遺品整理を進める予定だったのですが、結局長男夫婦である私たちに押し付けられる形になっていました。
週末、主人と子供と遺品整理をしていたのですが、全く生前整理をしていなかったのでタンスの中身や押し入れもパンパンの状態でした。さらに食器棚から現金が見つかったり、ベッドの下に通帳が落ちていたりとまとめて処分も出来ず、丸一日作業をしたのに1部屋も片付きませんでした。
主人が状況を説明し、親族柄同意が得られたので遺品整理業者を利用することにしました。費用は50万円でしたが、分別から処分まで全て代行してくれた上に必要なものや現金も返却してくれたので、安いくらいです。
遺品整理に挫折した理由
自分たちで遺品整理が進まなかった原因は2つ考えられます。
1つ目は規模が大きかったことです。
戸建て中に入っている家財一式を出すと2トントラック3台分になり、遺品整理業者のスタッフ5人でも4日以上かかることもあります。
2つ目は嫁という立場です。
親族でありながら決定権が少ないので判断は息子であるご主人や兄弟に委ねることになるため進みが遅くなります。また、嫁の立場では自分が住んでいたこともない家で、義父の性格なども深く分からないので、どこに何があるか分からない状況では必要以上に時間がかかってしまいます。
親族で遺品整理をしようと言っていたのにもかかわらず「押し付けられた」という不公平な状況になってしまうこともよくあります。親族複数人で取り掛かるときには事前に遺品整理の日にちを決めて、不公平にならないようにすることが大切です。
自分で片づけた後で遺品整理業者に依頼
故人との間柄:娘
間取り:1LDKマンション
期間:1週間
費用:50,000円
自分たちで衣類や食器など細かいものを片付けた後で、ベッドや冷蔵庫など大きなものは引き取っていただきました。
最初は遺品整理業者さんにお任せする予定で、お見積もりをお願いしたら「できるだけ安くしたい」と伝えると自分で片づけることを提案していただきました。
例えば、タンスの中身を空にするだけでも効果があるとのことでしたので、以下の3つを重点的に行いました。
「自分整理した、3つのこと」
1.タンスの中の衣類を自分で捨てる
2.食器棚やキッチンの食器や調理器具をゴミの日に出す
3.ジュエリーや通帳を持ち帰る
遺品整理業者さんが来たときには、大型の家具や家電を引き取っていただくだけの状態にしてあったので、立会時間もとても短くできました。
着物や指輪など買取対象になりそうなものはその場で買取いただき、総額から引いていただきました。
はじめての遺品整理まとめ
・はじめての遺品整理は計画的に進めると失敗しない
・親族への連絡やゴールを決めることも大切
・シーンに合わせて遺品整理には道具や資材が必要。ホームセンターや100円ショップで付録なくそろえる
・遺品整理は3ステップで終わるが、仕分けにも処分にも時間がかかる
・残す遺品は「貴重品」「買取品」「形見分けの品」の3種類に分けられる
・遺品の処分方法6つだが、売れるものは1割にも満たない。ほぼ処分品となる
・処分しにくい「仏壇・仏具」「ぬいぐるみ」「写真」の3つはひと手間加えて捨てると罪悪感なく捨てられる
・遺品整理は「無心で」「計画的に」「キッチンから」行うのがコツ。近隣への配慮や挨拶を忘れないこと。
・遺品整理ができないときは「心理面」「時間面」「体力面」のいずれかが原因になっている。それぞれに対処法があるが、遺品整理業者の利用でも解決する。
・遺品整理業者に依頼するときに対応がよい業者を選ぶこと
・遺品整理業者と自分たちで進めた場合を比較すると、自分たちで行った方が安い。時間や手間は遺品整理業者の方が10倍以上早い
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