蛍光灯の正しい捨て方│費用や注意点・割れたときの対処法を解説
蛍光灯には有害物質が含まれているため、ゴミとして捨てる際は配慮が必要です。また、回収ボックスや家電量販店などではリサイクル対象品として引き取ってもらえることもあります。
使えなくなってしまった蛍光灯の捨て方について、以下のような疑問を持っている方は多いでしょう。
・蛍光灯はどうやって捨てたらいいの?
・捨てるときの注意点は?
・蛍光灯の処分にお金はかかる?
・オフィスの蛍光灯は、不燃ゴミとして出しても大丈夫?
このようなお悩みのある人に向けて、今回は蛍光灯の捨て方や処分の際の注意点などを解説します。事業所から出た蛍光灯の捨て方もお伝えするので、お役立てください。
【監修】遺品整理士協会認定 遺品整理士
片山 万紀子
祖父の遺品整理をきっかけに遺品整理や不用品回収に興味を持ち、遺品整理士協会認定・遺品整理士の資格を取得。ReLIFE(リライフ)のディレクターを務める傍ら、年間600件以上の遺品整理に携わる。遺品整理を通して「ありがとう」という言葉をいただけることを仕事のやりがいとしています。
蛍光灯処分の注意点
蛍光灯には有害物質である水銀が含まれているため、処分時には注意が必要です。割らずに処分するのが基本ですが、割ってしまったときには触らないように適切に対処しましょう。ここでは蛍光灯の取り扱い方法や、よく似た照明器具であるLED照明の捨て方についてご紹介します。
蛍光灯は有害物質を含んでいる
蛍光灯には有害物質の水銀が含まれています。
この水銀ガスに電流が通ると紫外線が発生し、蛍光灯内部の蛍光塗料に紫外線がぶつかると発光が起きるというのが、蛍光灯が光る仕組みです。
水銀は有害物質なので、誤った方法で蛍光灯を捨てると健康被害や環境汚染につながる可能性があります。そのため、蛍光灯を可燃ゴミなどとして出すことはできません。
世界的にも、水銀の人為的な排出を削減して水銀汚染を抑制しようという流れがあります。2017年に、水銀に関する取り扱いを定めた国際的な条約である「水俣条約」が採択されました。
それを受けて、2017年には環境省が蛍光灯を「水銀使用製品廃棄物」に指定しています。2024年現在では、多くのメーカーが水銀を使用した蛍光灯の製造を中止してLED照明へと移行しています。
蛍光灯を割って捨てるのはNG
蛍光灯を捨てるときには、割ってはいけません。割れているとリサイクルできなくなってしまいます。
また、割ると蛍光灯の中に含まれていた水銀が空気中に飛散して、体内に入ってしまうおそれもあります。ただし、微量であればほとんど吸収されることなく排出されるため過度に心配する必要はありません。
蛍光灯が割れてしまったときの対処法
蛍光灯が割れたら、水銀や蛍光体(蛍光灯のなかに含まれる白い粉)にはできるだけ手を触れないよう注意して、すみやかに換気をしてから回収しましょう。
割れた蛍光灯はリサイクル処理ができなくなるので不燃ゴミに出します。回収ボックスで処分したり家電量販店の回収サービスに出したりすることはできません。
破片によって収集スタッフがケガすることを防ぐためにも新聞やビニール袋で包み、蛍光灯であることを明記してから、ゴミ捨て場に出しましょう。
LED照明の捨て方
蛍光灯の代わりに普及が進んでいるLED(発光ダイオード)電球は、特別な半導体に電流を流すと接合面が発光する仕組みを応用した照明です。蛍光灯とは異なり、LED電球には水銀が入っていないため、多くの自治体ではLED電球を不燃ゴミまたはワレモノなどとして回収しています。
なお、白熱電球も蛍光灯とは違って水銀を含まないため、LEDと同様に不燃ゴミやワレモノでの扱いが一般的です。LED電球や蛍光灯、白熱電球は製品に付記された品番で見分けることができます。
<電球の見分け方>
照明の種類 | 品番のアルファベット | おもな分別方法 |
蛍光灯 | F、EFで始まる | 不燃ゴミ、有害ゴミ |
LED電球 | LDA、LDCなど | 不燃ゴミ |
白熱電球 | L、LW、G、NL、R、KRなど | 不燃ゴミ |
蛍光灯6つの捨て方
一般家庭と事業所では、蛍光灯の処分方法が異なります。一般家庭で蛍光灯を捨てる方法は6通りです。
<一般家庭で蛍光灯を捨てる6つの方法>
1.不燃ゴミに出す
2.粗大ゴミに出す
3.回収ボックス・ステーションに出す
4.家電量販店の回収サービスを利用する
5.リサイクル業者に引き取ってもらう
6.不用品回収業者を利用する
不燃ゴミに出す
一部の自治体では家庭から出た蛍光灯を不燃ゴミの日に回収しています。
ただし、水銀が含まれている蛍光灯は他のゴミとは区別したり、割れないように注意して出す必要があります。たとえば、蛍光灯を購入したときの箱に入れたり、新聞紙や厚紙で包んでから「蛍光灯」と記載したりしてから出すとよいでしょう。
自治体ごとのルールがある場合は、それに従います。透明なビニール袋に入れて出すよう定めている自治体では、蛍光灯以外のLED・白熱電球などとは別にして出さなければならないとするケースも見られます。
一部の自治体では有害ゴミに指定されていることもあるので、自分の自治体のゴミ区分をホームページやゴミ分別のガイドブックなどで確認しましょう。
粗大ゴミに出す
長さ30cm以上など自治体の規定サイズを超える蛍光灯は粗大ゴミに扱いとなる可能性もあります。お住まいの自治体のルールに従いましょう。
また、天井に据え付けるシーリングライトも大きさから粗大ゴミに指定されやすいゴミです。シーリングライトの蛍光灯は取り外して、バラバラにしてからそれぞれに合わせた方法で処分します。
蛍光灯1本あたりの処分料金は200円~400円程度で、粗大ゴミ処理券を購入して納付します。粗大ゴミを出す際には、以下の手順で行いましょう。
<粗大ゴミ回収の手順>
1.自治体の粗大ゴミ受付センターに電話やメールで申し込む
担当者に品目やサイズ、個数を伝え、処分料金を確認して収集日を予約します。
2.指定販売店で粗大ゴミ処理券を購入する
コンビニエンスストアなど自治体指定の指定販売店で、処分料金の金額分の粗大ゴミ処理券を購入し、蛍光灯に貼りつけます。
3.予約日当日の朝に指定場所に運び出す
家の前や集合住宅の指定回収場所など、指示された場所に当日の朝、蛍光灯を出せば完了です。もしものときに備え、箱や新聞紙などに包んで割れないよう配慮しましょう。
回収ボックス・ステーションに出す
蛍光灯はリサイクル可能な資源であるため、自治体の回収ボックスやステーション回収などに出せる場合があります。
回収ボックスは公民館やホームセンターなどに設置されていることが多く、最寄りの設置場所は自治体のホームページから確認できます。リサイクルステーションは毎日または指定曜日のみ資源回収を受け付けている回収場所のことです。
蛍光灯の回収を受け付けているか否かは、自治体ごとに違うため、ホームページなどから確認しましょう。なお、回収できるのは原則として壊れていない蛍光灯のみです。割れているものはリサイクルできないため注意しましょう。また、割れないように箱や紙で包んでから出すのがマナーです。
家電量販店の回収サービスを利用する
家電量販店の蛍光灯回収サービスを利用して処分する方法もあります。たとえば、ヤマダデンキやビックカメラの一部店舗には、無料の回収ボックスが設置されています。割れるのを避けるため、購入時の箱や新聞紙などに包んで回収ボックスにいれましょう。
回収サービスの有無や費用は家電量販店の店舗によって異なるため、事前に確認することをおすすめします。
回収ボックスがない店舗でも買い替えの際に、古い蛍光灯を無料で引き取ってくれることもあります。
リサイクル業者に引き取ってもらう
本数が多いときには、リサイクル業者にまとめて引き取ってもらうのも便利です。リサイクル業者とは、リサイクルを目的とした廃棄物の収集運搬を行う業者のことです。
リサイクル業者での処分費用は1kg300円程度や、1本につき40円など、業者ごとに異なります。リサイクルが前提であるため、割れた蛍光灯は引き取り対象外です。また、ガムテープでまとめたりするのもリサイクルを妨げるためやめましょう。箱や不要な新聞紙、布などに包んで渡すと作業員が安全に持ち運べます。
不用品回収業者を利用する
蛍光灯以外にも処分したい不用品があるときや、蛍光灯の取り外しから搬出まで一括して任せたいときなどは、不用品回収業者にまとめて引き取ってもらうのがおすすめです。
蛍光灯単品で回収してもらうと割高になってしまいますが、シーリングライトやスタンドライトとまとめて引き取ってもらうこともできます。なお、まとめて引き取ってもらう場合いでも作業員がケガするのを防ぐため、蛍光灯などの割れ物は別にしておいたり、いらない布などで包んでおいたりすると親切です。
自治体のゴミ処分とは違い、自分の都合の良い日時に家まで業者が来て回収してくれる点が不用品回収業者のメリットです。ごくまれに悪徳業者が混在しているため、業者を選ぶ際には料金体系が明確か否かなどをチェックする必要があります。
<不用品回収業者の利用手順>
1.不用品回収業者を選んでホームページなどから問い合わせる
電話やメールで問い合わせ、担当スタッフと処分したい不用品の個数などを伝えて見積もり金額を確認します。
2.回収日時を決める
見積もり金額やサービス内容に問題がなければ、回収予約日と時間帯を決めます
3.回収してもらい、料金を支払う
搬出し忘れなどがないか確認してから、回収料金を支払えば完了です。
事業所から出た蛍光灯の捨て方
オフィスや工場、学校などは事業所から出た蛍光灯は、一般家庭とは処分方法が変わります。
事業所で使っていた蛍光灯は産業廃棄物として扱われるため、自治体の一般ゴミ回収を利用できません。
自治体から許可を受けた「産業廃棄物処理業者」や「不用品回収業者」に引き取ってもらいましょう。
不適切な業者を選ぶと罰せられる場合も…
2017年10月1日より施行された産業廃棄物処理法により、水銀をふくむ蛍光灯は「水銀使用製品産業廃棄物」として扱われます。そのため、水銀使用製品産業廃棄物の収集運搬許可をもつ業者以外は蛍光灯を回収することができません。
事業者は産業廃棄物処理法第三条に定められた「事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない」とする排出責任があるため、適正な業者を選ばなければなりません。
具体的には、水銀使用製品産業廃棄物関連の許可を持っているかを確認することが事業者の義務となっています。許可を持たない業者に処理を依頼すると、事業者も罰せられる可能性があります。
さらに、違法な業者と契約すると、自社の信用問題に関わるリスクもあります。法改正からまだ数年しかたっていないため、処分許可を持たない不適切な業者も混在しているといわれています。法律にのっとった、適切な業者選びが欠かせません。
産業廃棄物処理業者の選び方
事業者が蛍光灯を捨てる際には、水銀使用製品産業廃棄物の取り扱い許可を持つ業者に依頼します。
蛍光灯の収集運搬や処理を業者に依頼するとき、事業者は産業廃棄物処理法に基づく契約書の締結とマニフェストの交付を行い、適正に処分されるよう管理しなければなりません。
排出事業者側の負担を軽減するため、業者がマニフェストを用意しているケースもあります。自社でマニフェスト作成などのノウハウがない場合には、廃棄物処理法の規定に従ったマニフェストを用意している業者を選ぶと便利です。
業者を選ぶときは産業廃棄物処理の実績が豊富か否かも確認し、事前に見積もりを取ってもらうことをおすすめします。料金は1kgあたり200円程度や1本につき200円など業者ごとに独自に決められています。
蛍光灯の捨て方まとめ
蛍光灯は有害物質である水銀を含んでいるため、ルールに従って処分することが大切です。主な捨て方には、自治体による回収、回収ボックスへの投入、リサイクルショップや不用品回収業者による引き取りなどがあります。処分したい蛍光灯の量などに合わせて選びましょう。
なお、どの捨て方でも蛍光灯は箱や新聞紙、不要な布に包んでから捨てるのがマナーです。また、割れた蛍光灯はリサイクルできません。中身が漏れたり破片でケガしたりしないようにしっかりと包み、蛍光灯であることを明記したうえでゴミとして処分しましょう。
引っ越しなどで不要な蛍光灯が多い場合や、照明器具なども一緒に捨てたい場合は不用品回収業者を利用しましょう。様々なものをまとめて捨てられるため、スピーディに片付けができます。
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