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遺品整理

失敗しない!遺品整理の見積もりと流れ。たった3つのコツで安くする

遺品整理の見積もりの流れや見積書の内容が分からない方もいるのではないでしょうか。
引っ越しと同様に遺品整理は相見積もりをすると業者間で価格競争が起こり、安くなります。

見積書が正しく発行されないと、見積書の効力が発揮されず当日に追加料金が発生し、予算オーバーになってしまうことも考えられます。
この記事では遺品整理業者の見積もりの流れや見積書で確認する事項、料金を安くするコツをご紹介します。

この記事を読むと遺品整理の見積もりで失敗しなくなり、丁寧な遺品整理業者に最適な価格で依頼できるようになります。



【監修】遺品整理士協会認定 遺品整理士
片山 万紀子

祖父の遺品整理をきっかけに遺品整理や不用品回収に興味を持ち、遺品整理士協会認定・遺品整理士の資格を取得。ReLIFE(リライフ)のディレクターをする傍ら、年間600件以上の遺品整理に携わる。遺品整理を通して「ありがとう」という言葉をいただけることを仕事のやりがいとしています。

遺品整理,見積もり

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見積書で確認する3つのこと

遺品整理,見積もり
遺品整理から見積書をもらったら「基本事項」「買取関連」「責任者印」の3点が記載されているか確認します。

1.遺品整理の必要事項が書かれている

見積書として機能するための必要事項が記載してあるか必ず確認します。
具体例な必要事項としては、以下の6つが挙げられます。

遺品整理の基本事項
①社名や電話番号など基本情報
②作業内容・作業人数・スケジュール
③基本料金(体積×料金単価)
④追加料金と内訳
⑤処分する家財道具の品目と点数

中には「遺品整理一式 ○万円」などざっくりとした金額しか書かない業者もいます。内訳が記載されていないと後から追加料金やオプション内容を請求されることにもなりかねません。

遺品の量が多い時や時間がなくてその場で全て書ききれない場合は、メールなどで詳細を書いた見積書を送ってもらいたいと要望を出し、不利にならない見積書をもらいます。

2.買取金額・品物が書かれている

遺品の買取が発生する時には、見積書に「買取金額」と「品物名」が書いてあるか確認します。見積書に買取の項目を明記することは依頼者・業者の両方にとってメリットがあります。

依頼者のメリット
買取金額を明確にしてもらうことで買取り価格を把握し、より高く買い取ってくれる業者に依頼する選択肢も増えます。
古物商許可を取得している業者であれば買い取ることはできますが、専門知識に欠けているときには相場価格よりも低く買い取られてしまうこともあります。例えば、宝石や骨董品、ブランド品の査定には経験と知識が必要です。

買取価格が書かれた見積書があれば、専門の買取業者と比較することも可能になります。ただし買取品が減る時にはその分、遺品整理料金総額が増えますので、事前に遺品整理業者に伝えましょう。

遺品整理業者のメリット
遺品整理業者としては買取品を正確に把握することで、当日に買取品がない事にもすぐ気づくことができます。相続人が複数人いる時には見積もりから作業当日までの間に遺品をもっていってしまうこともあります。

予め買取品として見積書に記載すると、作業の最初に確認できるので損失を防ぐことにつながります。
遺品の買取は【遺品整理で買取される遺品7つと高く売るたった3つのコツ】をご覧ください。

3.責任者の印がある

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見積書の右上に見積もり担当スタッフの印鑑と責任者印の欄があることを確認します。
訪問見積もりの際にその場で契約する時には、訪問見積もりに来たスタッフの印鑑しかもらえないので、後から責任者印を付けた見積書を郵送またはメールで送ってもらいましょう。

責任者の印鑑があると、責任者が内容に責任を負うことを明確にするという意味になります。押印の事実は責任者が契約に同意したことを示し、会社全体に効力が及ぶことになるため、押印は必須となります。

遺品整理の料金相場

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見積書に書かれた金額が、遺品整理の料金相場からずれていないかを確認します。

間取り 料金相場 作業人数 作業時間
1R・1K 30,000円~80,000円 1~2名 1~3時間
1DK 50,000円~120,000円 2~3名 2~4時間
1LDK 70,000円~200,000円 2~4名 2~6時間
2DK 90,000円~250,000円 2~5名 2~6時間
2LDK 120,000円~300,000円 3~6名 3~8時間
3DK 150,000円~400,000円 3~7名 4~10時間
3LDK 170,000円~500,000円 4~8名 5~12時間
4LDK以上 220,000円~600,000円 4~10名 6~15時間

遺品整理は同じ間取りでも処分する遺品の量や質によって費用が大きく異なります。さらに地域ごとにゴミの処分費も変動するため、実際の金額は訪問見積もり後にしか決まりません。

遺品整理の料金の決まり方

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遺品整理の料金は(基本料金)+(追加料金)―(買取による値引き料金)の金額となります。

基本料金
基本料金は遺品の量に影響を受けます。荷物の量(立方メートル)×単価を基準にして、トラック台数やスタッフの人数が計算され、それらを合計したものが「基本料金」です。基本料金には遺品の分別、仕分け、搬出、廃棄処分費用など遺品整理に必要最低限の作業が含まれています。

追加料金
追加料金とは家電リサイクル法によって定められている家電の処分費用や、エレベーターのないマンション高層階での搬出費用、供養費用、エアコンの取り外し費用などのオプションに対する料金です。ハウスクリーニングや特殊清掃もオプションに含まれます。

遺品整理先がゴミ屋敷の時には相場価格から大きくずれることになります。
ゴミ屋敷の片付け費用は【ゴミ屋敷の片付けるマインドと費用―片付け業者に依頼すると10万以上】をご覧ください。

遺品整理の料金が高くなる2つの理由

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料金が高くなる理由は基本料金が高くなる時と追加料金が高くなる時の2通りあります。

基本料金が高くなる時

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遺品の量が多いと、単純にスタッフの人数やトラック台数が増えるため費用が高くなります。
エレベーターがないマンションの5階以上などでは、搬出に時間がかかるのでスタッフの人数を増やさなければなりません。また、住宅密集地で家の前にトラックを駐車できない場合は50m先にトラックを止めて作業することもあります。

移動距離が長いほど遺品整理作業にかかる時間やスタッフ人数が増えるため追加料金が発生し、費用が高くなるのです。

追加料金がかかる時

オプションを追加した場合も遺品整理の料金が高くなります。
例えば、孤独死で死後に発見されるまで数日以上かかった場合は、腐敗した遺体による室内汚染が進んでいるため特殊清掃が必要であり、特殊清掃費用として10万円程度追加される場合もあります。

エアコンの取り外しや、供養もオプション料金の対象です。
合同供養であれば無料サービスしてくれる遺品整理業者もありますが、単独供養になると30,000円以上の追加料金が発生します。

また、買取されない冷蔵庫や洗濯機はリサイクル料金が発生するので、リサイクル家電1つにつき3,000円程度のリサイクル料金がかかります。

冷蔵庫の買取は【冷蔵庫の買取は5年以内が最低条件―高く売れる時期とメーカー別査定額―】をご覧ください。

遺品の供養手順や時期は【遺品の供養の手順・時期・依頼先・料金をご紹介―供養する意味は?】をご覧ください。

遺品整理の料金詳細は【遺品整理の料金は4つ+αで決まる!いい遺品整理業者の方が安い理由】をご覧ください。

遺品整理の料金を安くする3つのコツ

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遺品整理の料金は3つのコツを掴むと、遺品整理の料金が10,000円以上安くなる場合もあります。

1.自分でも遺品整理を進める

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自分で遺品整理を進めると、業者に回収や仕分け、処分を依頼する作業量・遺品の量が減るため、遺品整理費用を抑えることができます。

自分でゴミ捨て場に持っていけるものや、粗大ごみに出せるものは、作業前に処分しておくと遺品整理業者への依頼を減らすことができます。明らかにゴミと分かる雑誌やペットボトル、空き瓶や仕分け作業の必要がなく自分でも粗大ゴミの集積所へと運べる布団などは、自分たちで進めると安くなります。

価値が分からない遺品は残す
価値の分からない遺品は処分せず、遺品整理業者に査定してもらってから処分するのがおすすめです。

例えば、ゴルフクラブセットや骨董品、比較的新しい家電製品、贈答用のタオルは買取ってもらえることもあります。処分すれば0円ですが、買い取ってもらえれば遺品整理費用を安く抑えることもできます。

迷う遺品や価値の分からない遺品は1カ所に固めて査定してもらいましょう。
遺品整理を自分でやるコツは【遺品整理を自分でやるコツと手順/体験談と業者に頼んだ方が良いケース】をご覧ください。

遺品の仕分け方は【遺品整理の仕分けで残す3つの遺品・プロが教える遺品整理のコツ】をご覧ください。

2.相見積もり・金額交渉

3社以上から相見積もりをとって、一番依頼したい遺品整理業者に金額交渉をするのがおすすめです。料金とサービス内容を比較できるので納得のいく依頼をすることができ、費用相場が分かるので悪質な業者を避けることにもつながります。

相見積もりをとる時は後から比較しやすいように、遺品整理を依頼する部屋数や日程など条件同じにします。また、相手業者に相見積もりである旨を伝えるのがマナーですし、伝えると最初から値引き後の金額を提示してもらいやすいです。

金額交渉術
本命の業者を最後の順番に持っていき、訪問時に「他社が○○円で、もっと安いのですが」と提示すると金額交渉をスムーズに進めやすくなります。具体的な金額例があれば高確率で値引きしてもらえますし、他社の見積もりから相場を掴んでおいて「何円以下なら契約できる」という意思を示すと、相手業者も対応しやすくなります。

見積もりを取りに来たスタッフの経験が浅いと見積もり金額を読み間違えることもあります。トラックの台数が1台増減するだけで費用が8万円以上変わることもあるため、他社と車両台数やスタッフ人数が大きく異なったら再度交渉しましょう。

上席がミスに気づき、適正価格になることもあります。

3.買取業者と遺品整理を併用する

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一般的な傾向として、買取専門業者での買取り金額が一番高くなります。

さまざまな買取業者があり、訪問買取可能なリサイクルショップ、郵送で査定してくれる業者、ネットオークション、フリマアプリ、貴金属や着物などの専門業者など、選択肢は多岐に渡ります。切手や着物、貴金属、宝飾品、ブランド品、コレクション品などは、各種鑑定品の専門業者に買取依頼すると価値を正当に評価され、高額買取につながりやすいです。

遺品整理業者が古物商許可証を持っている場合でも、最終的な売却先は専門業者であるため、仲介料の分だけ買取価格が低くなります。遺品整理業者を介さない方が、高値で現金化しやすいのです。ただ、一件ごとの買取依頼に手間がかかり、大型の家財道具などは搬出・運送が難しいのがデメリットです。時間と手間を省きたい場合は、遺品整理業者に買取も一括して頼むほうがおすすめです。

遺品整理業者の選び方

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相見積もりで3社選ぶ段階から、悪徳業者を避けて良い業者を選んでおくほうが安心です。
大切な人の遺品を整理するのですから、質が悪い業者や違法な業者は避けなければなりません。良い業者選びのポイントは以下の4点です。

1.許可や資格を取得している

遺品整理に関連する資格や許認可には「一般廃棄物収集運搬業許可」、「遺品供養士」、「古物商」などがあります。これらの許可や資格がなくても遺品整理業を行うことができますが、遺品の回収や買取ができなかったり、故人の気持ちに寄り添った対応ができないこともあります。

一般廃棄物収集運搬業許可
「一般廃棄物収集運搬業許可」の有無は、許可・資格の中で最も重要な確認事項です。一般廃棄物収集運搬業許可は市町村ごとに定められており、無許可の業者は不要になった遺品を廃棄場などに運搬することができません。

一般廃棄物収集運搬業許可の有無は、市区町村の担当窓口またはホームページで確認することが可能です。

ただし、一般廃棄物収取運搬許可を取得していない業者でも、許可を持っている別業者と提携している場合は運搬を委託できるので問題ありません。一般廃棄物収集運搬業許可を持っていない業者に対しては、「どの様に処理されるのか」を必ず確認しましょう。

別業者に委託していることをすぐに返答できない業者は、選ばないほうが賢明です。遺品を「産業廃棄物」として処理することは違法であり、その業者がもしも遺品を不法投棄した場合は遺品整理の依頼者に不法投棄の責任が問われることとなります。

古物商許可
遺品を買いとる時に必要な許可で警察署、公安委員会へ申請して承諾を受けます。古物商許可があれば遺品を不用品として価値のあるものとして引き取ることができますが、ゴミや汚泥の回収はできません。

遺品整理士
遺品整理士は遺品整理士協会が運営する民間資格ですので、必須資格ではありません。遺品整理士の資格を取得する過程では「遺族との接し方」「遺品の仕分け」「遺品の処分に関わる法律」を総合的に学ぶので、資格を取得していることはサービスの充実している業者やスタッフということもできます。

遺品整理士の詳細は【遺品整理士は必要?資格の意味と業務内容】をご覧ください。
遺品整理業に必要な資格は【遺品整理の資格3つー持っていない業者やばいかも。】をご覧ください。

2.会社情報が公開されている

住所、代表者名、法人・個人事業主の区別など会社情報が確認できる、遺品整理業者を選びましょう。会社ホームページなどで確認できます。

住所はグーグルマップで所在地の確認するのがおすすめで、マンションの1室だった時には個人事業主の可能性が高くなります。個人事業主が一概に悪いとは言えませんが、法人のほうが社会的な信用度が高く、サービスやスタッフの教育も行き届いている可能性が高いです。

また、自社のホームページ上で遺品整理事例を実績として公開している業者やホームページ内に顔出ししている業者は、実績や信頼度の面で安心できます。遺品整理では現場から金品や貴金属が見つかることも多々あるため、実績豊富で責任感のある業者を選ぶとリスクが低くなります。

3.必要なメニューがある

オプションとしてでも必要なサービスが展開されていると、遺品整理に関する様々な工程を1つの業者で完結できるので便利です。

サービスの具体例としては買取、ハウスクリーニング、特殊清掃、行政書士・弁護士の行政手続き代行の紹介サービス、供養などが挙げられます。オプション費用がかかると費用は高額になりやすいですが、ひとつひとつの作業に適した業者を探し直さずに済むため、手間を大幅に省くことができます。

特殊清掃の詳細は【特殊清掃と遺品整理・賃貸物件の場合の費用】をご覧ください。

4.スタッフの対応がいい

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スタッフの対応がいい遺品整理業者は作業にも期待できますし、会社としても信頼できます。

遺品整理の最初の問い合わせや訪問見積もりで確認することができます。例えば、電話での話し方や訪問時の身だしなみ、マナーや遺品整理に対する知識の豊富さです。スタッフの質が良い業者は経営状態も安定している傾向にあります。企業として健全であれば、遺品を違法処分されるリスクも大幅に下がります。

見積もり訪問に来たスタッフが当日の遺品整理作業も担当する体制を取っている業者もあります。依頼者にとってはどんな人が当日作業を行ってくれるのかが分かる上、相談内容に向き合ってくれるので安心感が高いです。

遺品整理業者の選び方は【遺品整理業者の選び方・失敗しない3つのポイントでトラブル回避する】をご覧ください。

関わってはいけない遺品整理業者

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ネットや電話だけでは見極めきれず、訪問見積もりに来るまで業者の実態が分からないケースもあります。いわゆる「悪質」業者には2種類のパターンがあり、作業の手抜きや技術不足など作業レベルが低い場合と、盗難や高額請求などの違法行為を働く場合があります。

訪問見積もり時に以下に当てはまったら、悪質業者の可能性があるので断ることをおすすめします。

「早い」「安い」だけがセールスポイント

早い、安いに越したことはありませんが、見積もりに来たとき金額や所要時間などの表面的な説明しかしてくれない業者は、おすすめしません。

遺品整理は分別や仕分けに一定数の時間がかかる作業であり、コストカットできない部分があるためです。孤独死現場の特殊清掃のような専門技術も求められまれますし、人件費・車両費・家電リサイクル料金などを考慮すると、安すぎる業者は違法な処分方法を取っている可能性も否定できません。

悪質な労働環境
例えば、従業員の給料が低すぎたり、時間外残業で疲れ切っていたりなど悪質なコストカットをしている可能性もあります。

作業が早くてもきちんと仕分けをせず、遺品の価値を見極めようともせずにゴミとして処分しようとするなど、遺品を雑に扱われるリスクもあります。相場からかけ離れた安さや、根拠の提示できない早さだけを売りにするような業者は避けたほうが賢明です。

信頼に欠けるスタッフと会社の体制

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見積もりに来たスタッフの言動は会社の体制にも直結しているため、言葉使いや遺品に対しての扱いが雑だったり、清潔感がなくだらしなかったりと、スタッフに不快感を覚えた場合は避けたほうが良いです。社員教育が行き届いていない業者は、作業の質にも期待できません。

悪質業者では、作業中に価値ある遺品を盗まれるリスクもあります。遺品整理では本のページの間から現金や手紙などが見つかることも多いので、責任感・信頼感にかける業者は不適切といえます。

明確な回答がない

訪問見積もりの際、遺品の処分場や各作業の費用内訳を明確に答えられない業者は、悪質な遺品整理業者である可能性が高いです。遺品の回収後の処分方法や処分場の名前を即答できない場合、処分場と提携していない可能性もあるため違法処分をしていることも考えられます。

遺品の回収後に不法投棄をされた時には「排出者責任」と言って依頼した側も責任を問われることになります。

また、どの作業にいくらかかるのかという、見積もり金額の根拠となる費用や作業時間の内訳を提示できない業者も不審です。遺品整理の現場に馴れたスタッフならば、遺品の量と質から費用や所要時間を割り出すことが可能です。

見積もりの時点で不審点が見られる業者は、選んではいけません。

遺品整理ができる4つの業者

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遺品整理を依頼できるのは「遺品整理業者」「不用品回収業者」「便利屋」「リサイクル業者・買取業者」の4つですが、遺品整理業者が最適と言えます。業種によって得手・不得手とする分野がありますので、それぞれの特長を理解した上でどこに依頼するか判断しましょう。以下に、各業者について解説します。

1.遺品整理業者

遺品整理業者とは、亡くなった人の部屋の片付けをしてくれる専門業者です。思い出の品など「残しておきたいもの」と、「処分したいもの」を分別し、貴重品などの捜索もしてくれます。

処分したいものは不用品として回収処分し、古物商許可を持っている遺品整理業者ならば遺品の買取も可能です。リサイクル業者と連携している業者もあります。

遺品整理業者が他の業者と比べて優れているのは、遺品の取り扱いへの専門性が高いという点です。とくに「遺品整理士」の在籍している業者は、遺品に関する知識や適切な整理法への理解が深いため、供養などを含めて適切に対応することができます。

廃棄物やリサイクル品の取り扱いに関する各法規制も熟知しているので、安心して遺品整理を任せられるのが遺品整理業者です。

2.不用品回収業者

不用品回収業者は一般家庭などで不用となった品物をリユース・リサイクル可能なものとして回収を行う業者のことです。不用品を速やかに搬出・処分してくれ、「ゴミか買取できるか」の仕分けを得意としています。

しかし、貴重品の捜索や形見分けの知識については乏しいです。遺品整理を不用品回収業者に頼むと、金銭的な価値の有無だけで遺品を判断されて、値段のつかない「思い出の品」をゴミとして処分されるケースもあります。

自分で遺品の仕分けや分別を行った後に併用するのはおすすめです。

不用品回収業者の選び方は【不用品回収業者の選び方とトラブル事例・対処方法】をご覧ください。

遺品整理業者と不用品回収業者の違い

遺品整理業者と不用品回収業者の違いは、「遺族にとって価値のある遺品」を選び出す専門性と配慮の有無と言えます。「価値のある」と言うと現金、印鑑。通帳、金券、宝飾品などが思い浮かべやすいですが、遺言書やエンディングノート、写真、手紙、想い出の品物も貴重な遺品として取り扱わなければなりません。

遺品としての配慮がなければ「ただの紙ゴミ」としか見えないような落書きが、家族との思い出を残した大事な手紙だという可能性さえあるのです。そのような配慮は、遺品整理のスペシャリストである遺品整理業者にゆだねるほうが安心と言えます。

遺品整理は、ただ不用品を捨てて部屋を空にすることではありません。必要な遺品とそうでない物を選り分けて遺された家族に要・不要を判断してもらう作業が不可欠であり、不用品回収業者では配慮しきれない部分もあります。

3.便利屋

便利屋とは、日常生活の中にある困ったことを解決するために、さまざまな業務を代行するビジネスのことです。部屋の掃除や洗濯、買い物、ゴミ出しなど家事全般から引越し作業、高齢者のサポートまで、あらゆる困りごとをサポートしてくれます。遺品の仕分けや整理を依頼できますが、幅広いサービスの中の一つとして行っているので、遺品整理の実績や経験が少ない可能性があります。

古物商許可を持っている便利屋ならば買取もできますが、許可がない場合は買取・廃棄物処分など専門分野にどこまで精通しているかはその業者次第となります。過疎地では個人事業主が便利屋を営んでいることも多く、本人の力量によって左右されます。

4.買取業者・リサイクルショップ

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買取業者・リサイクルショップは古物商の一種で、中古品や未使用品などを売買する業種のことです。

遺品を少しでも高く現金化したい場合や、着物・貴金属など高額買取が期待できる遺品については、買取業者や遺品整理業者に依頼したほうが高額で売却できる可能性が高くなります。遺品整理業者や不用品回収業者がサービスの一環として買取を行う場合、最終的にはそれらの業者を介して買取業者に売却しているため、仲介業者が増える分だけ買取価格が下がってしまうのです。

ただし、買取業者やリサイクル業者では、買い値のつかない遺品は引き取ってもらえません。家の中を空にしたい場合は遺品整理業者などと併用する必要があります。

遺品整理業者の流れ

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遺品整理を業者に依頼する場合の実際の流れは、問い合わせ、見積もり、契約、当日作業の4段階となります。

1.問い合わせ

遺品整理ができる業者に、見積もりの問い合わせをします。相談や見積もり無料の業者が多いので、気になる業者には気軽に問い合わせましょう。

相見積もりを取る業者を3社~4社選んで、同じ日に訪問見積もりを依頼すると1日で業者選びを完了できます。同日内に他社と比較することで、価格交渉も進めやすくなります。

どこがいいか分からない時
自分で遺品整理業者を選ぶのに不安がある時には、遺品整理業者の仲介業者を利用するのもおすすめです。仲介業者に日付や希望のスケジュール、条件を伝えると、提携している遺品整理業者から必要な業者を複数社紹介してもらえます。

また、仲介業者は見積もり金額や契約しなかったときに断る作業も代行してくれます。

2.訪問見積もり

訪問見積もりでは業者スタッフが遺品整理先へ訪問して、遺品整理にかかる金額を提示します。回収処分の品目や個数、買取可能な品目、買取額や階段・エレベーターの有無などを詳しく確認することで、正確な見積もりを立てることが可能となります。

供養したい物品を把握してもらい、どの作業内容が基本料金に含まれて、どこからがオプションになるのか、など業者ごとに異なる内容を確認すると相見積もりで比較しやすくなります。

3.契約

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相見積もりをしているときには、全社終わってから契約する業者を決めた方が料金も安くなりますし、作業内容も満足したものになります。

納得できる金額・サービス内容を提示した業者を選ぶのがポイントです。前述のとおり、担当者・責任者の押印や必要事項の漏れがないか、見積書を十分に確認してから契約します。

相見積もりの場合には業者の見積書が届いてから契約になるので、電話で契約することが多く、手元にある見積もりの条件で同意することになります。

4.遺品整理作業

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遺品整理作業当日は、まずスタッフと作業内容について変更がないか確認をします。それから、建物や通路を養生したり、近隣住民の方へ挨拶したりします。準備が整ったらスタッフが各部屋に配置され、遺品の仕分けや貴重品探索を行います。

遺品整理は短くても3時間、長いと丸一日になるのでずっと立ち会う必要はありません。立ち会わない時は作業終了後に電話で知らせてもらい片付いた部屋を確認します。

依頼者が不要と判断した遺品は遺品整理業者が梱包して搬出し、トラックに積み込んで回収されます。供養の必要な物は、引き渡しの後で供養されます。

遺品の積み込みが終わったら簡易清掃が行われ、貴重品や希望のあった遺品を返却されます。遺品整理作業中に買取できる遺品が見つかったときには、見積もり金額から買取金額を差し引いた価格で清算されます。

遺品整理の見積もりまとめ

・見積依頼をする遺品整理業者は4つのポイントをクリアしている業者を選定する
・見積書は相見積もりをするときの比較材料になるので、買取品や作業内容の内訳まで記載してもらう
・遺品整理の料金相場は決まっているので、異常に安い/高い時には遺品の量や作業内容を見誤っていることがある。また、悪徳な業者で当日になって追加料金を請求される可能性もある
・金額交渉する時には他社の金額や自分の出せる金額を伝えるとスムーズに進む
・遺品整理業者以外にも遺品整理ができる業者はあるが、遺品整理に特化している分、遺品整理業者は要望や希望に応えてくれやすい

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