かさばる発泡スチロールの捨て方｜無料回収ボックスや小さくするコツ
「発泡スチロールを捨てたいけれど、かさばって大変……」
「何ゴミに出せば良いの？」
というお悩みはありませんか？
発泡スチロールは食品トレイや家電製品の梱包材などさまざまなものに含まれており、つい捨てそびれて家に溜まりがちです。自治体によって発泡スチロールのゴミ区分が異なるため、捨て方が分からず困っている人も多いようです。
発泡スチロールはリサイクル可能な資源であるため、適切に処分すれば環境への負荷軽減にもつながります。今回は発泡スチロールの正しい捨て方や処分時の注意点などを解説します。この記事を参考にして、悩まず手軽に発泡スチロールを処分しましょう。
＜この記事で分かること＞
・発泡スチロールを捨てたいときの6つの選択肢
・やると危険！ NGの捨て方
・発泡スチロールゴミのかさを小さくする方法
【監修】遺品整理士協会認定 遺品整理士
片山 万紀子
祖父の遺品整理をきっかけに遺品整理や不用品回収に興味を持ち、遺品整理士協会認定・遺品整理士の資格を取得。ReLIFE（リライフ）のディレクターを務める傍ら、年間600件以上の遺品整理に携わる。遺品整理を通して「ありがとう」という言葉をいただけることを仕事のやりがいとしています。
発泡スチロールの処分方法6つ
発泡スチロールの捨て方は次の6つです。
1． 自治体の一般ゴミに出す
2． 回収ボックスに出す
3． 家電量販店で処分する
4． 不用品回収業者に引き渡す
5． 売却する
6． 捨てずに再活用する
処分したい発泡スチロールの量や種類などにより、自分に適した処分法を選ぶことが大切です。それぞれについて解説します。
1．一般ゴミで処分
発泡スチロールのとくに簡単な処分法は、一般ゴミとして自治体のゴミ収集に出す方法です。
プラマークの付いたものは資源ゴミ扱い、プラマークがないものは可燃ゴミ扱いとなるのが一般的ですが、自治体ごとに区分が異なるため地域のゴミ処理ハンドブックや役所のホームページでルールを確認しましょう。
自治体別のゴミ区分の例を次の表にまとめました。
| 市区町村名 | ゴミ区分 | 備考 |
| 東京都世田谷区 | 食品トレイ：回収ボックスまたは資源回収 緩衝材・保冷用：可燃ゴミ |
食品トレイは可燃ゴミで出すのも可 |
| 東京都八王子市 | 容器包装プラスチック | 汚れの落ちないもの、プラスチック製の文具・オモチャなどは可燃ゴミ |
| 神奈川県横浜市 | プラスチック資源 | 50cmより小さくして出す。 購入した発泡スチロールは最大辺50cm未満が可燃ゴミ、50cm以上が粗大ゴミ |
| 埼玉県さいたま市 | プラマークあり：資源物1類
保冷用：燃えるゴミ |
令和6年10月1日よりルール改訂され、食品以外の容器包装プラスチックも資源物1類ゴミとして扱う |
| 愛知県名古屋市 | プラスチック資源 | 食品トレイは店頭回収推奨 |
| 大阪府大阪市 | 容器包装プラスチック | 購入した発泡スチロール製品は普通ゴミ |
| 兵庫県神戸市 | 容器包装プラスチック | 汚れのあるものは可燃ゴミ |
| 福岡県福岡市 | 燃えるゴミ | 発泡スチロールはリサイクル対象外なので「ペットボトル・白色トレイ」には出せない |
プラマークがある容器でも、食品汚れなどが付着しているとリサイクル困難になるため可燃ゴミ扱いになってしまいます。あらかじめよく洗って、汚れを落としてからゴミ袋に入れましょう。大きくてゴミ袋に入らない場合は、小さく割ってから入れます。
2．回収ボックスに出して処分
発泡スチロールの中でも、食品トレイはイオン系列のスーパーマーケットや市役所などにある回収ボックス（リサイクルボックス）に出せます。食品トレイはリサイクル効率の良い資源であり、他のプラゴミと区別して捨てたほうが再資源化しやすいため、できるだけ回収ボックスを活用しましょう。
回収ボックスに入れられるのは通常、肉や魚、総菜などに用いられるプラマーク付き食品トレイのみです。インスタント麺や納豆、きのこ類の容器は、熱で変性したり、汚れが残りやすかったりするため回収対象外となることが多いです。P&Pマークの付いたフィルムをはがせるトレイも受け付けていないことが多く、回収ボックスの注意書きに従って適したものだけを投入しましょう。
回収ボックスに出す前に、洗って乾かしておくことも大切です。汚れや濡れが残ったままボックスに入れると、カビが生えたり他のトレイを汚したりしてリサイクルできなるおそれがあります。
3．家電販売店で処分
家電類購入時に梱包材として付属した発泡スチロールは、製品を購入した家電量販店に持ち込めば無料で引き取ってもらえる場合があります。すべての店舗で発泡スチロールを引き取っているわけではないため、持ち込む前に電話などで確認しましょう。製品を購入したタイミングで、回収可否についても質問しておくとスマートです。電話で確認する際には、製品の購入日や製品名なども伝えましょう。
家電量販店で引き取ってもらうと、無料で処分できるのがメリットです。しかし、自分で持ち込む手間がかかり、梱包材を欠いた状態だと製品の初期不良時に返品交換ができなくなってしまう点には注意が必要です。
4．不用品回収業者で処分
大量の発泡スチロールを捨てたい場合は、不用品回収業者に引きとってもらうと便利です。最短即日回収も可能なので、急いで片付けたい人にも適しています。
不用品回収業者を利用するときは電話やメールで問い合わせて、見積もりを確認しましょう。回収量が多い場合は現地見積もりが必要となることもあります。料金やサービス内容に納得できたら予約をとり、作業当日の回収後に料金を支払えば完了です。
不用品回収業者の費用目安は基本料金が3,000円程度、発泡スチロールが1袋500円程度の合計3,500円程度からとなっています。発泡スチロールだけの回収だと割高感があるため、引っ越しや遺品整理などに合わせて他の不用品もまとめて頼んだほうがお得です。
なお、必要な許可なしで違法営業したり、不法投棄や高額請求をしたりする悪徳業者がまれにいるため、業者選びには注意が必要です。3社程度で合い見積もりをとり、明朗会計で態度の良い業者を選ぶと安心です。
5．売る
保冷用や梱包用の箱型発泡スチロールは、専門業者やフリマサイトなどで売却できる場合があります。インターネットで「発泡スチロール 買取」と検索すると近隣の買取業者を探せるので、連絡して一般家庭の発泡スチロールを回収できるか確認するのもひとつです。
なお、一般的なリサイクルショップでは発泡スチロールは買い取ってもらえないことが多いですが、メルカリなどのフリマアプリやヤフオクなどのネットオークションなら買い手が見つかる可能性があります。
個人売買は好きな価格で出品でき、たとえばメルカリでは120サイズの梱包材発泡スチロールが1箱1,000円～2,000円程度で出品されています。状態の良いものを持っている人は売却を検討するのもおすすめです。ただし、すぐに売れるとは限らないので急いで捨てたい人には不向きです。出品の手間や、大型品は配送料が高くなってしまう点にも注意しましょう。
6．捨てずに再活用する
発泡スチロールは、捨てずに有効活用することもできます。厚みのある箱型発泡スチロールは保冷ボックスとして利用可能で、保冷剤を入れておけば1、2時間程度の保冷効果が期待できます。一般的なクーラーボックスより保冷力が低いので、本格的な利用には不向きですが、スーパーへの買い出し時など、短時間の冷蔵品の持ち運びなどには適しています。
また、発泡スチロールは子どもと遊ぶ工作材料としても役立ちます。大きな箱型発泡スチロールでおままごと台を作ったり、お好みのサイズにカットして手作りパズルなどを作ったりするのも楽しいかもしれません。発泡スチロールは油性ペンで溶ける性質があるため、何度もなぞって表面を溶かし、オリジナルスタンプを作ることもできます。
やってはいけない２つの捨て方
灯油・ガソリン・薬品で溶かす
発泡スチロールはガソリンや灯油などの有機溶剤に溶かしてはいけません。ガソリンや灯油は引火点が低く、火災が起きる危険があるので絶対に使用しないでください。
発泡スチロールの原料であるスチレンと、ガソリンなどは分子構造が似ています。そのため混ぜればすぐに溶けるのですが、危険物であるガソリンや灯油を本来の用途以外で用いてはいけません。
レモンやオレンジの皮にも発泡スチロールを溶かす成分が入っていますが、科学実験で少量溶かす程度ならともかく、処分のために大量に溶かすのは現実的ではありません。発泡スチロールの処分に、溶剤や薬品成分を使用するのはやめましょう。
自宅で燃やす
発泡スチロールを自宅で燃やしてはいけません。発泡スチロールを燃やすと「すす」と呼ばれる黒い煙が出て、自分の家を汚したり近隣住人に迷惑をかけたりするおそれがあります。また、自宅の庭などで発泡スチロールゴミを燃やすのは一般に「野焼き」と呼ばれ、廃棄物処理法第16条の2に違反する行為です。
発泡スチロールを野焼きした場合、廃棄物処理法により5年以下の懲役、1,000万円以下の罰金のいずれか、または両方が科せられます。発泡スチロールを燃やしてもダイオキシンが発生することはありませんが、すすが生じたり法令違反になったりとトラブルの原因になるため、自宅で燃やすのはやめましょう。
発泡スチロール小さくする４つのコツ
発泡スチロールの体積を小さくするための方法を4つ紹介します。
１．割って小さくする
発泡スチロールを割って小さくする際には、大きいゴミ袋に入れてから行いましょう。そのまま割ると細かいくずが大量に飛び散り、掃除に手間がかかります。
濡れぶきんなどで手や発泡スチロールを湿らせてから割ると、時短で作業を済ませられます。事前に濡らすと静電気の発生をおさえることができ、細かい破片がさまざまな場所にくっつくのを防げます。また、厚みがある発泡スチロールはあらかじめ包丁やカッターナイフなどで切れ目を入れておくと、簡単に割れます。
割るときに発生した細かいくずは、粘着テープやコロコロタイプの粘着クリーナーで取り除きましょう。掃除機で吸うと静電気でホースにくずが付着してしまい、掃除が二度手間になってしまいます。
２．カッターで切って小さくする
発泡スチロールをカッターで切断するなら、切れ味の良い大き目なサイズのカッターを選びましょう。カッターの先端を立てて、ざくざくと切り込みを入れるように上下に動かすと楽に切れます。
細身のカッターや切れ味の悪いカッターだと細かい破片が出やすく、切るときにキシキシと不快な音が出ることがあります。また、通常の紙を切るときのように平行に滑らせて切ろうとするとうまく切れず、刃が滑ってけがをするおそれがあるので注意してください。
３．発泡スチロールカッターで小さくする
大量の発泡スチロールを楽に切るなら、「発泡スチロールカッター」がおすすめです。発泡スチロールカッターには細い電熱線が入っており、発泡スチロールを溶かして切断することができます。
発泡スチロールカッターはホームセンターや100円ショップ、Amazonなどの通販サイトで購入可能です。電池式やコンセント式などの製品があり、性能によって価格は300円～2,000円程度の幅があります。
４．ドライヤーの熱で小さくする
発泡スチロールにドライヤーの熱をかけると、体積を小さくすることができます。一般的なドライヤーは100度～120度程度の高温になるのに対し、発泡スチロールは約90度で溶解するのでドライヤーは有効です。
ただし、ドライヤーを一か所に当て続けるとかなりの高温になってやけどや火災のリスクが生じるため、長時間同じ場所に当てるのはやめましょう。また、少しかさを減らす程度ならドライヤーを使うのは有効かもしれませんが、大量の発泡スチロールを処分するのにドライヤーを使うのはコストパフォーマンスが悪いのでおすすめできません。
発泡スチロールの捨て方まとめ
発泡スチロールは一般ゴミとして自治体のゴミ収集に出せますが、地域によって資源ゴミや可燃ゴミなど分別ルールが異なるのでゴミ出し前に確認しましょう。その他、回収ボックスに入れる、家電量販店に梱包材として引きとってもらう、不用品回収業者に処分を頼むなどの方法で発泡スチロールは処分可能です。
発泡スチロールを処分するために、薬品で溶かしたり燃やしたりするのはやめましょう。大量の発泡スチロールを一度に捨てるのはかさが大きくて大変ですが、素手やカッターなどの道具を使えば小さくできます。
処分の手間を省いて発泡スチロールを楽に捨てるなら、不用品回収業者の利用がおすすめです。
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