使い捨てカイロは燃えるゴミ?燃えないゴミ?未使用カイロの処分(分別)と再利用
冬の必需品使い捨てカイロは、外でお仕事をされる方はもちろん通勤や通学で冷たくなった体を温めてくれる優秀なアイテムです。使い捨てカイロの温かさが続くのは7時間程度なので、毎日捨てる方もいるのではないでしょうか。
さて、あなたは使い捨てカイロを捨てるとき正しく分別・処分できていますか?
この記事では、使い捨てカイロの正しい分別方法とその理由や未使用の使い捨てカイロを処分する時の注意点、処分する前にできる再利用方法などをご紹介します。
【監修】遺品整理士協会認定 遺品整理士
片山 万紀子
祖父の遺品整理をきっかけに遺品整理や不用品回収に興味を持ち、遺品整理士協会認定・遺品整理士の資格を取得。ReLIFE(リライフ)のディレクターをする傍ら、年間600件以上の遺品整理に携わる。遺品整理を通して「ありがとう」という言葉をいただけることを仕事のやりがいとしています。
目次
1.使い捨てカイロは燃えるゴミ?燃えないゴミ?
使い捨てカイロは自治体によって燃えるゴミにも燃えないゴミにも分別されます。自治体ごとの分別例を以下の表でお示しします。
自治体 | カイロのゴミ区分 |
東京都大田区、東京都足立区、東京都荒川区、 東京都板橋区、東京都江戸川区、愛知県名古屋市 |
不燃ゴミ |
神奈川県横浜市、愛知県東海市 | 燃えるゴミ |
このように、同じ都道府県内でも市区町村ごとにカイロのゴミ区分が異なるケースが多く見られます。
使い捨てカイロの成分の半分以上は鉄であるため、多くの自治体では不燃ゴミ扱いです。一方で、鉄以外の含有成分である水・塩類・バーミキュライト・活性炭などが可燃性であるため、可燃ゴミに分別指定している自治体もあります。
カイロを捨てる際には、自分の地域のルールを確認することが大切です。
市区町村が発行する「ゴミの出し方ガイドブック」や自治体ホームページから、家庭ごみの取り扱い区分を調べてみましょう。カイロに関する記載がなければ、役所の担当部署に電話などで確認すれば教えてもらえます。
2.未使用の使い捨てカイロの取り扱い
未使用の使い捨てカイロは処分する前に使用期限や有効期限を確認しましょう。有効期限内であれば、捨てずに次の冬まで持ち越せます。
有効期限が過ぎた使い捨てカイロは、徐々に劣化して温度や持続時間に悪影響が出るため捨てることをおすすめします。「まだ期限が過ぎたばかりだし、捨てるのはもったいない」という場合には、開封して加熱具合などを十分に確認のうえで使用を検討しましょう。
未使用の使い捨てカイロの寿命
使い捨てカイロの使用期限はメーカーにより異なりますが、購入から2年から5年間程度です。外袋に使用期限が記載されているので、確認しましょう。
使用期限が過ぎても保管状態が良ければ使える場合がありますが、なかなか温まらなかったり、本来7時間持続するところ4時間で冷えてしまったりと不便が生じる可能性があります。各メーカーでも使用期限を過ぎた使い捨てカイロは適切に処分するよう呼び掛けています。
未使用の使い捨てカイロ処分方法
使用期限が過ぎたカイロを捨てるときは、外袋を開封して完全に冷め切ってから自治体のゴミ区分に従って処分してください。未開封の状態で処分すると、外袋が破れてゴミ袋の中で発熱してしまうおそれがあるので注意しましょう。
カイロの温度は最高でも70度程度まで上がらないため火災が起こる危険性は非常に低いのですが、万が一の火災のリスクを避けるため、きちんと開封して冷ましてから捨ててください。
冷めるまでの時間は大きさに比例しますが、一日放置すれば再度温かくなることはありません。
未使用の使い捨てカイロ保管方法
大量に買って余ってしまった使い捨てカイロは、使用期限内なら翌年以降に持ち越せます。外袋に穴が開かないようジップロックなど密閉できる袋に入れて、日の当たらない場所に保管しましょう。外袋に穴が開いてしまうと、そこから空気が入って発熱し、使えなくなってしまうので注意が必要です。
古いものから使えるように、保管した日付も記入しておくとよいでしょう。
非常用袋に入れて保管するのもおすすめです。停電で暖房器具が使えない災害時に暖をとれる使い捨てカイロは重宝します。
3.使い捨てカイロの発熱の仕組みと成分
使い捨てカイロの中身には以下の成分が含まれています。
・鉄粉
・水
・塩類
・バーミキュライト
・活性炭
これらが混ざった状態でカイロの外袋を破いて空気中の酸素に触れさせると、カイロ内部の鉄が急速に酸化して、熱が発生します。
鉄の酸化とは、錆びさせることです。屋外に置きっぱなしにした自転車のように徐々に錆びていくのであれば熱は発生しませんが、カイロは急速に酸化するため高熱が生じます。
カイロに含まれる鉄は不燃ゴミに分別されますが、塩類や活性炭などは燃えるゴミとして処分されるのが一般的です。そのため、自治体によってカイロのゴミ処理区分が異なります。
4.使い捨てカイロを再利用する方法
カイロの発熱を止めて再利用したり、中に含まれる成分を有効活用したりする方法をお伝えします。
発熱を止めて、再利用する
発熱中のカイロをジップロックなど密閉できる袋に入れて空気を抜くと、発熱を一時的に止めることができます。
保存袋に入ったカイロは徐々に冷えていき、20分程度で完全に冷たくなります。
発熱が止まるのは、使い捨てカイロの中に入っている成分に酸素が加わらないと温まらないからです。
再度利用したいときには空気を入れて軽く振ります。
発熱を一時停止させると「通勤時間だけ」「作業の前だけ」など短時間使ったうえで、翌日も同じカイロを使えるようになります。
使い捨てカイロの再利用方法1.消臭剤として使う
冷たくなった使い捨てカイロをそのまま靴や冷蔵庫の中に入れると、消臭剤として使うことができます。使い捨てカイロに入っている活性炭の表面には、ニオイ分子を吸着する効果があるためです。
冬場のブーツや毎日使う作業靴など、蒸れてニオイの付きやすいに靴への使用に重宝します。
消臭剤として売られているものより炭の量が少ないので1週間程度で効果は薄れてしまいますが、手軽で経済的に消臭効果が得られるのがメリットです
使い捨てカイロの再利用方法2.除湿剤で使う
使用済みの使い捨てカイロは除湿剤として使用することも可能です。中に含まれる活性炭には、除湿効果もあるためです。
クローゼットや下駄箱、洗面所の下など湿気のたまりやすい場所に置くと、空気中の湿気を吸い込みカビの発生を防ぐ効果が期待できます。
ただし、消臭剤と同様に除湿剤として販売されているものよりは除湿効果の持続期間が短い点には注意しましょう。
袋のまま置くだけでも効果は得られますが、より効果を高めたいときや下駄箱や冷蔵庫など広い範囲に効果を求めるときには、不織布を切って使い捨てカイロ中身を平たいお皿に移して設置することをおすすめします。
使い捨てカイロの再利用方法3.土の肥料にする
使い捨てカイロに含まれるバーミキュライトは園芸用土に土壌改良用の成分としても含まれています。ただし、使い捨てカイロには塩類が含まれていて、これが塩化ナトリウム(塩)だった場合にはこの成分を取り除かないと植物が枯れてしまうので注意してください。
【ガーデニングの肥料にする注意点】
塩類(塩化ナトリウム)を取り除くには使い捨てカイロの中身を取り出し、お湯に混ぜ塩化ナトリウムを溶かします。塩化ナトリウム以外は水に溶けないので、コーヒーフィルターなどでろ過すると、水に溶けた塩分が下にたまり、フィルターには塩類(塩化ナトリウム)が抜けたバーミキュライトや鉄粉などが残ります。
まずは雑草が生えている土壌で試し、変化がなければ肥料を使用したい植物の周りに撒きましょう。塩分が残っていると土壌のバランスが変化し、植物が枯れてしまうことがあります。使い捨てカイロの外袋裏側に“ご使用後は肥料としてそのまま使えます”という一文が記載されていれば、塩化ナトリウム以外の塩類が入っているので、ろ過しなくても植物が枯れる心配はありません。
5.使い捨てカイロの処分のよくある質問
使い捨てカイロの処分に関して、皆さんが疑問に思う点とその答えをお伝えします。
使い捨てカイロを水にぬらすと火事になる?
使い捨てカイロを水にぬらしても火事になりません。
水に含まれている酸素が使い捨てカイロの中身と反応して、急速に酸化し熱くなる可能性はありますが、発熱と同時に水が熱を奪うので火事になるほど高温にはならないでしょう。
使い捨てカイロとよく間違えられるのが、除湿剤やスナック菓子を湿気から守るために入れられている「乾燥剤」(シリカゲル)です。乾燥剤に含まれているシリカゲルは水と反応すると一瞬にして100度以上の高温になります。火事になる危険もあるため、シリカゲルは水にぬらしてはいけません。
使い捨てカイロを温かいまま捨てると火事になる!?
使い捨てカイロを暖かいままゴミ箱に放置しても火事になる可能性は極めて低いです。使い捨てカイロは最高でも70度程度までしか温度が上がりません。また、使い捨てカイロを覆う袋は不織布という燃えにくい紙を使っているので、発火することもないでしょう。
一度冷めた使い捨てカイロは特別な処理をしない限り、再度発熱することはありませんが、少しでも火事のリスクを減らすため完全に冷ましてから処分しましょう。
また、使い捨てカイロを放置しても火事にはなりませんが、火傷をする危険はあります。使い捨てカイロを体の同じ場所に3~4時間以上当て続けると低温火傷を引き起こす危険があるので、注意しましょう。
使い捨てカイロの代用品
「使用済みのカイロを捨てそびれて部屋が散らかってしまう」、「エコのためにも使い捨てカイロはあまり使いたくない」という人にもおすすめの、使い捨てカイロの代用品を紹介します。
湯たんぽ
家で使用するなら「湯たんぽ」がカイロの代用品となります。
湯たんぽはプラスチックや金属でできた容器に熱湯を入れて暖を取るアイテムで、1,000円~5,000円程度とお手頃です。電子レンジで温めるだけで使えるものもあり、足専用の「ブーツ型の湯たんぽ」など形のバリエーションも豊富です。
ドラッグストアではシンプルなものを購入できますし、おしゃれな湯たんぽはロフトやハンズに陳列されています。
ゴミが出ない「充電式カイロ」
使い捨てではない充電式カイロや、電子レンジで温めて繰り返し使えるカイロも販売されています。値段は3000円から8000円で繰り返し500回使えます。一回当たりの使用料は約6円(3000円÷500回)と使い捨てカイロに比べ経済的で、使う度にゴミを捨てる手間もかかりません。デザイン性の高いものも多いので、ファッションアイテムの一つにもなります。
充電式カイロは小型家電や不燃ごみではなく、「水銀使用物」や「リサイクルボックス回収」するように決められています。モバイルバッテリーと同様に発火の危険があるからです。
使い捨てカイロの処分方法のまとめ
● 使い捨てカイロの分別は地域によって異なり、燃えるゴミにも燃えないゴミにもなる。
● 使い捨てカイロは水にぬらしても、放置しても火事にならない
● 未使用の使い捨てカイロは使用期限内であれば翌年も使える
● 使用期限が切れた使い捨てカイロは品質が低下し、高温にならなかったり持続時間が短くなったりすることがある
● 処分前の使い捨てカイロを再利用する3つの方法
① 消臭剤として
② 除湿剤として
③ 土の肥料として
● 袋に入れて密封すると、発熱の一時停止ができる
● 使い捨てカイロの代用品として「湯たんぽ」や「充電式カイロ」がある
大量の使い捨てカイロはリライフで簡単処分
大量の使い捨てカイロも、不用品回収のReLIFE(リライフ)なら分別不要でまとめてお引き取りできます。
未開封のカイロがたくさんある場合、すべてを開封してから捨てるのはなかなか大変です。しかし、リライフでは未開封の使い捨てカイロもスタッフが回収してから適切に処分するため、お客様には負担がかかりません。
カイロだけでなく家じゅうに未分別であふれているゴミや、使わなくなった家具・家電などもすばやく分別・仕分けして運び出します。
引っ越しや断捨離、遺品整理など、不用品の処分でお困りの際は、お電話またはメールフォームからリライフへお気軽にご相談ください。
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