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孤独死の処理が自分でできない理由と発見後の手続きと費用

孤独死とは誰にも看取られずに亡くなった場合のことを指します。
日本は核家族化や高齢化が進み、昔に比べると近所付き合いも少なくなってきました。隣人の異変に気づかないこともあるため、孤独死は社会問題の一つとされています。

身内が孤独死したときの処理や手続きについてご紹介します。



【監修】遺品整理士協会認定 遺品整理士
片山 万紀子

祖父の遺品整理をきっかけに遺品整理や不用品回収に興味を持ち、遺品整理士協会認定・遺品整理士の資格を取得。ReLIFE(リライフ)のディレクターをする傍ら、年間600件以上の遺品整理に携わる。遺品整理を通して「ありがとう」という言葉をいただけること仕事のやりがいとしています。


孤独死の処理は自分でできない

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孤独死の処理は自分で行うことはできません。

技術面もさることながら、気持ちの面でも処理を行うことは非常に困難です。自分で処理は行わずに専門の清掃業者(特殊清掃業者)へ依頼しましょう。

孤独死の処理が自分たちでできない主な理由を3つご紹介します。

技術面

孤独死の処理は防護服、防毒マスク、ゴーグル、腕カバーを着用して完全防備した上で作業します。

孤独死で発見が遅れた場合にはドアの外側からでも分かるほどの強烈な臭いがし、その中には目には見えない細菌が浮遊しています。防護服で最近からの感染症を防いでいます。

特殊清掃業者は孤独死や事件、事故、自殺などの現場を特殊な薬剤と道具を用いて清掃し、必要であれば床板や壁紙をはがし、臭いと汚れを取り除きます。

最後の場所や状況が異なると作業内容や順番も変わるので、経験と知識からくる知識がなければ孤独死の処理はできません。

特殊清掃については【特殊清掃と遺品整理・賃貸物件の場合の費用】をご覧ください。

感情面

孤独死の遺体は多くの場合、腐敗が進んでいます。

故人との関係性にもよりますが、身内の変わり果てた姿を見るのは精神的にショックが大きく、体調を崩す可能性があります。最後を迎えた場所を見るだけでも、言葉には言い表せない感情がこみ上げてきます。

室内の光景や強い異臭はトラウマやPTSDになる可能性もあります。

健康面

部屋の空気中には未知のものを含めウイルスや菌が浮遊している恐れがあります。

死後3日以上が経過してから発見されると害虫が大量発生している場合もあります。夏場であればもっと早くから窓の隙間や換気扇からハエや蛆が入り込み遺体に卵を産み付け、悲惨な状態になります。

適切な防備を整えず孤独死の処理をした場合には、ウイルスや菌に感染する恐れがあり、健康被害にもつながります。

精神面、衛生面、技術面から孤独死の処理はご遺体の移動から遺品整理まで、専門業者に任せる事をおすすめします。

遺品整理がつらい。悲しみを乗り越えた事例

孤独死の発見後の流れ

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第一発見者の多くは不動産管理者です。
家賃の支払いの遅れや郵便物が溜まっていることで気づくケースが多いようです。また異臭により近隣住民が気付き、通報によって気づくこともあります。

ここからは孤独死の処理の流れをご紹介します。

1.救急・警察へ連絡

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孤独死が疑われる状況を発見した場合は警察か救急へに連絡します。

ご遺体が腐敗しているときなど明らかに死亡が確認されているならば警察へ連絡しますが、眠っているような様子で生死の判断がつかない場合は救急へ連絡します。連絡がつかなくなってから数時間程度であれば意識が朦朧としているだけの可能性もあります。

第一発見者が不動産管理者など他人の場合は、契約書や持ち物から身元を割り出し、警察から血縁関係の強い順番で、家族・親戚へ連絡が入ります。身元がすぐに判別しない場合はDNA鑑定をするケースもあります。
親族と連絡が付かない時には遺体は専用の保管庫にて保管され、保管料は一泊2,000円程度が相場で、遺族に請求されます。

2.警察での処理

医師に看取られない限り、自宅での死亡は異常死・不審死として処理されます。

亡くなった部屋では警察の現場検証が行われ、自然死と判定されるまで家族や不動産管理人は入室できません。遺体は警察へ搬送され「検視」が行われます。検視の結果、事件性がないと判断された場合は医師により死因や死後経過時間などの詳細を判定する「検案」が行われます。

検視・検案が終わると「死体検案書」が交付され、警察での対応は終了します。警察での検視や検案は3日程度かかりますのでこの間に葬儀の手続きをすると後に慌てなくて済みます。

なお、故人が自宅などで亡くなった場合、24時間以内にかかりつけ医の診断を受け「死亡診断書」が交付された場合は、警察への通報および検視は必要ありません。

3.孤独死後の火葬・手続き

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死体検案書が作成された後、遺族が警察から遺体を引き取ることになります。
死亡が確認されてから7日以内に死亡届を出し、同時に葬儀社の手配もしなければなりませんので、悲しむ暇もない1週間になります。

遺体の搬送から安置、自治体への死亡届・火葬手続きの代行も含まれているプランを用意している葬儀社もあります。遺体を搬送する場合は霊柩車を手配する必要がありますし、孤独死では腐敗が進んでしまっているケースも多いので衛生上すぐに火葬するために葬儀社を検討する時間は短いです。

葬儀社で遺体の搬送・安置(保管)・火葬・葬儀全般をまとめたプランは20万円~200万円程度が相場価格です。葬儀に参列する人数が多い時には費用が高くなります。2021年2月現在、新型コロナウィルスの影響もあり家族だけで葬儀を行う方も増えています。

葬儀費用の支払いが困難な場合
故人または相続人が生活保護受給者で、葬儀費用が支払えない場合は自治体へ葬祭扶助の申請ができます。葬祭扶助は20万円ほど支給されますが、直葬(火葬)までしか行われません。

住民登録している自治体の公営の火葬施設が費用が安く、他の地域に搬入すると割高になるという事情があります。

遺体の引き取り拒否
孤独死の場合の遺体・遺骨の引き取り拒否は可能です。

引き取り手のない場合は、「行旅死亡人(こうりょしぼうにん)」として扱われ、自治体によって直葬され、遺骨は無縁仏として合祀墓に納め、供養されます。かかった費用は故人の財産から充当します。

不足分は相続人の負担となりますが、相続放棄や支払う資力がない場合は、最終的に自治体が負担することになります。

相続は必要
遺体の引き取り拒否と遺産相続は別で、拒否しても戸籍上つながりがあると相続の手続きが必要です。

遺産相続や相続放棄を司法書士や弁護士に依頼する場合、10〜30万円が費用の相場です。相続放棄を自身で手続きする場合は5,000円ほどですが、故人の戸籍収集など手間がかかります。故人に負の遺産がある時には自分で相続放棄の手続きをした方が費用は抑えられます。

その他にも「公共料金」「携帯電話」「賃貸物件の解約」など孤独死後の手続きはあります。

4.特殊清掃業者・遺品整理業者へ依頼

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賃貸物件の場合には原状回復が敷金や保険金から賄われることもあり、遺品の撤去だけで良いケースもあります。管理会社や大家と話し合った後で必要であれば特殊清掃業者を手配しましょう。

孤独死された現場が体液や腐敗臭がひどい時には特殊清掃業者を手配します。また、自身で遺品整理を行えない時には遺品整理業者も手配します。

遺品整理業者がオプションとして特殊清掃業を行っているケースも多いですし、特殊清掃業者は遺品整理業者と提携していること多いです。特殊清掃と合わせて遺品整理を依頼する時には「特殊清掃ができる遺品整理業者」に依頼することをおすすめします。

見積もりは無料ですので、時間に余裕があれば3社の業者から見積もりを取って比較検討すると適切な処理を適切な価格で行う業者と出会えます。良い遺品整理業者は「遺品整理業者の選び方」でご紹介します。

孤独死に備える保険は【孤独死保険は家主用と入居者用の2タイプ。孤独死でかかる3つの費用】をご覧ください。

特殊清掃業者に依頼する目安

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孤独死で遺体が腐敗するまでの日数は、季節や地域、エアコンや暖房器具の使用状況など複数の条件によって変わるので、一概に断定することはできません。

目安として夏場は3日、冬は最長1ヶ月、平均すると2週間程度で腐敗が始まります。

特殊清掃が必要な孤独死の特徴

孤独死の腐敗が進みやすい夏場は、3日以上経過していると以下のような状態が考えられ、特殊清掃が必要となります。
・異臭が強く部屋の外まで漏れている。
・害虫が大量発生している。
・床にまで体液が染み付いている。
孤独死された方に怪我や腫瘍があった場合もさらに腐敗の進行が早くなります。これ以上の異臭や床の腐敗を止めるため、特殊清掃が必要となります。

特殊清掃が必要ない孤独死

孤独死でも以下のような場合は、消毒のみで特殊清掃を必要としない場合があります。
・早期に発見された
・冬場などで腐敗が進んでおらず、ほとんど異臭がない場合。
・ベッドの上で死亡しており、床へのシミがない。部屋の中のダメージがない。

孤独死の部屋の清掃

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孤独死では多くの場合、発見まで1週間から1か月以上かかる場合が多いので、特殊清掃が必要になります。前述した通り、早期発見の場合は、異臭や体液が室内や家財に付着していないので特殊清掃は必要ありません。

この項では特殊清掃にかかる費用の目安や作業内容をご紹介します。

費用の目安

孤独死の部屋の清掃費用は長く遺体が放置された場合は、害虫駆除やオゾン脱臭が必要なため、料金が高くなります。特殊清掃をメイン業務とする業者では腐敗した床板の切り出しや下地の処理まで行います。

業者によっては「おまかせプラン」などまとめて提示し、費用の内訳が分からないこともありますが、以下の表の内容を組み合わせた料金設定がされています。

作業内容 料金相場(円)
床上清掃 30,000〜
浴室清掃 30,000〜
消臭剤・除菌剤の散布 10,000〜
汚れた畳の撤去 1枚 3,000〜
オゾン脱臭 1日 30,000〜
汚物撤去 20,000〜
害虫駆除 10,000〜
作業員の人件費 20,000〜

臭いがひどい場合にはオゾン脱臭機24時間稼働させ、1日に1回換気をする作業を3日程度繰り返しますので、費用が高くなります。

遺体から滲み出た体液が床下や壁の奥まで到達している場合、薬剤での清掃、壁紙やカーペットの張り替えだけでは臭いが除去されません。そのため、床板の切り出しや石膏ボード、下地の処理も必要な場合があります。

フローリングの切り出しや壁紙の撤去までは特殊清掃業者でも対応可能ですが、張替えからは提携するリフォーム業者が入ることもあります。

害虫駆除

遺体の腐敗が進むと窓やドアの隙間からハエや蛆が入り込み、卵を産み付け、大量発生してます。オゾン脱臭機を使用する間に繁殖は防げますが、虫の死骸が大量に床に落ちている状態ですので、まずは害虫の駆除から行います。

ハエ程度であればその場で駆除できるのですが、ネズミやイタチ、コウモリなど害獣が住み着いているときには別途、害駆除業者を手配する必要があります。

都心のマンションではなく、田舎の戸建てでは住み着きやすいです。

清掃作業の流れ

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孤独死後の特殊清掃は以下の流れで行われます。
特殊清掃の所要時間は、目安としてワンルーム程度で3〜8時間ほどです。オゾン消臭が必要な場合、消臭にかかる日数をプラスすることで全体の所要時間がわかります。

作業終了後は、依頼者が各部屋の状態や清掃状況を確認し、問題がなければ支払いを行い作業終了となります。

①消臭・脱臭
孤独死から発見まで日数が経過しており、部屋に異臭が蔓延している、または外に漏れ出している場合、すぐに室内での作業ができません。オゾン脱臭機を使用し臭いの元を取り除きます。

オゾン脱臭機を24時間稼働させ臭いの元を吸着した後、1日に1回換気をして悪臭を外に出します。この作業には3日以上かかります。

②撤去・清掃

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汚染箇所の特殊清掃を行います。害虫が発生している場合は、踏みつぶして汚染拡大しないよう、先に除去します。ベッドや布団の上などで亡くなられた時には、体液が染み込んでいるので、先に移動させます。

浴室で亡くなられた時には血液や体液で排水口が詰まっていることも多いので、少しずつしか流せず、作業に時間がかかります。水回りの場合には汚れの成分に合わせて適切な洗剤で元の状態になりますが、床や壁の場合には洗剤だけでは落としきれません。

フローリングや畳に染みついているときには下地まで汚れが染み込んでいることもあります。特殊清掃専門業者では経験から汚れの範囲やシミ具合を判断し、必要な部分だけを撤去する技術があります。

③リフォーム
壁紙や床板をはがしたときには張替えが必要になります。
清掃や遺品整理後にリフォーム業者が入り、作業日数は早くて1日、リフォーム箇所が多いと工期も長くなります。

特殊清掃業者がまとめて手配してくれる場合もありますので、見積りの際にはどこまで清掃してほしいのかを明確に相談します。

賃貸物件の場合には孤独死後の部屋をフルリフォームすることもありますので、事前にどこまでの原状回復作業が必要か確認します。

近隣への配慮
作業開始前に可能であれば近隣住民へ挨拶回りを行い清掃業者が入ることを伝えます。

作業中は不用品搬出や清掃により、騒音が発生してしまいます。特に集合住宅の場合は、エレベータを一時的に占有してしまう可能性もあります。事前に作業を行うことを伝えると、近隣からの苦情を最小限に抑えることができます。

直接挨拶できるタイミングがない時には管理会社を通して貼り紙をしてもらうだけでも効果が期待できます。孤独死があったことは伏せた方が不快感を与えないでしょう。

特殊清掃の詳細は【特殊清掃と遺品整理・賃貸物件の場合の費用】をご覧ください。

孤独死の遺品処理

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孤独死は発見が遅くなると部屋だけでなく、現場にある家財にも異臭が染み付いてしまいます。雑菌も発生しており不衛生なため、売却やリサイクルは不可能ですので遺品は廃棄処分されることになります。

ここからは孤独死後の遺品処理の目安料金や作業内容をご紹介します。

費用の目安

以下が目安の料金になりますが、物の量によって数万円の差が開くことがあります。

部屋の広さ(間取り) 料金(円) 作業人数(目安)
1K 35,000〜 2名
1DK 60,000〜 2名
1LDK 80,000〜 3名
2LDK 150,000〜 4名
3LDK 200,000〜 5名
4LDK 250,000〜 6名

料金詳細は【遺品整理の料金と安くする4つのコツ】をご覧ください。

作業内容

孤独死された部屋の清掃が終わったら、遺品整理の作業は以下の手順で進みます。

①遺品の仕分け
遺品の仕分けや分別を行います。
特殊清掃が必要現場での遺品の8割以上は買取対象外となりますが、資源としてリサイクルできるよう分別します。

仕分け作業中に通帳や現金、貴金属、印鑑など貴重品が見つかった場合にはまとめて返却してもらえますが、予め見つけてほしいものや返却してほしいものを伝えると過不足なく処理してもらえます。

例えば、写真や手紙は遺族にしか分からない思い出が含まれているものです。
自身で仕分けしたいものがある時には、その旨を見積もり時に遺品整理業者に伝え、まとめて渡してもらいます。遺品整理業者と一緒に仕分け作業を行うとスタッフの作業の妨げになりますので、作業効率が悪くなります。

自分で確認したい遺品がある時には事前にある程度の遺品整理を済ませます。

②遺品の搬出
遺品の仕分けや分別が終わったら、トラックへと積み込んでいきます。
団地の5階など階段がない建物や高層マンションでエレベーターを待つ時間があると作業時間が長くなります。

③遺品の処分
引き取られた遺品は遺品整理業者の倉庫で紙、鉄、木…など資源ごとに分別されて、リサイクルされます。孤独死の場合には供養を希望する方もいますので、その場合には住職を倉庫に来てもらい、引き取った遺品の合同供養を行います。

供養証明書を発行してくれる遺品整理業者もありますので、見積もり時に確認します。

孤独死の清掃業者の選び方

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清掃業者と契約する前には時間があれば3社から相見積もりを取って比較検討することをおすすめします。

相見積もりしていることを業者へ伝えると不正な料金の上乗せを防ぐだけでなく、同じ質でも安くしてくれる可能性もあります。

1.見積もり内容が明記されている

見積もりには作業内容が詳細に書かれているかを確認します。
書かれていない場合にも口頭で説明を受け、納得できる作業内容と金額であれば問題ありません。

例えば、異臭がする場合にはオゾン脱臭機が必要になりますので、脱臭だけでも50000円程度はかかります。脱臭方法や作業内容を聞いた時に曖昧な答えや洗剤の種類をすぐに答えられない清掃業者は信用に欠けます。

2.有資格者がいる

特殊清掃に必須資格はありませんが、資格を持っていることは常に新しい知識と取り入れている証拠でもあります。中でも特殊清掃士はご遺体の腐敗で汚れてしまった箇所を清掃することに特化した資格です。

特殊清掃現場を掃除した数が多いので経験や知識も豊富です。

その他にも臭気判定士や遺品整理士など孤独死の処理に長けている資格がありますので、依頼する時の基準にするといいです。資格所の有無は各業者のサイトから確認できます。

3.実績が豊富

孤独死された場所や遺体の状況によって、使用する洗剤や手順、工程数は変わるので経験値が豊富なスタッフがいる業者ほど適切に処理してくれます。

特殊清掃業者はSEOに力を入れてない場合もあるので「特殊清掃業者 地域名」で検索してもネット上に自社サイトが上位表示されていないこともあります。紹介サイトでは紹介料金が上乗せされた金額になることもありますが、数ある業者の中から信頼できる業者だけを紹介してくれる点では安心して依頼できます。

遺品整理業者の選び方ではより詳しくご紹介します。

孤独死の処理まとめ

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身内が孤独死をした時の手続きや作業内容をご紹介しました。

孤独死は突然のことが多く、気が動転している中で必要な手続きや業者の手配などをしなければならないので遺族にとって負担の大きい時間です。特に特殊清掃や遺品整理は感情面・技術面から自分たちで行うことは困難とされています。特殊清掃業者や遺品整理業者を利用すると、心と体の負担を減らすことができます。

孤独死で特殊清掃や遺品整理についての不安やご相談はReLIFEへお問い合わせください。

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