ハンガー6つの捨て方｜プラスチックハンガーはゴミよりリサイクル
「ハンガーは何ゴミになるのかわからない」
「間違った方法で捨てて、回収されなかったらどうしよう…。」
「プラスチックだし、リサイクルしたほうがいいのかなぁ？」
と迷う方も多いのではないでしょうか？
ハンガーは素材や大きさ、もらった場所によって捨て方が6種類もあります。誤った捨て方をするとゴミ収集で回収してもらえず、再度出し直しになることもあります。
この記事でわかること
・6つのハンガーの捨て方
・ハンガーをお得にリサイクルする裏技
・ハンガーのリメイク方法
【監修】遺品整理士協会認定 遺品整理士
片山 万紀子
祖父の遺品整理をきっかけに遺品整理や不用品回収に興味を持ち、遺品整理士協会認定・遺品整理士の資格を取得。ReLIFE（リライフ）のディレクターをする傍ら、年間600件以上の遺品整理に携わる。遺品整理を通して「ありがとう」という言葉をいただけること仕事のやりがいとしています。
ハンガーは4種類のゴミに分けられる
ハンガーは材質や大きさによって、4種類に分別されます。
「ハンガーの分別」
１．可燃ごみ
２．不燃ごみ
３．資源ごみ
４．粗大ゴミ
自治体によってはさらに細かく金属製の資源ごみなど分けられていることもありますが、基本的なルールは変わりません。
ハンガーの種類ごとの分別と異なる素材が組み合わさったハンガーの分解方法をご紹介します。
針金のハンガー
クリーニング店で受け取る機会の多い針金ハンガーは不燃ごみや燃えないゴミに分類されます。
針金部分はアルミ、スチール、ステンレス、メッキ仕上げなどからできており、可燃ごみの処分場では処理できないためです。針金の周りのビニール加工部分も含めて、半数以上の自治体で針金ハンガーは不燃ごみとされています。
プラスチックハンガー
プラスチック製ハンガーは可燃ごみまたは資源ごみに分類されています。
可燃ゴミか資源ごみになるかは「プラマーク」がついているか、いないかで判断できます。ハンガーそのものにマークがついているケースもありますし、購入した製品表示にプラマークが記載されていることもあります。
ハンガーは「容器包装プラスチック」に該当しないため、資源としての再利用が難しいことがプラスチック製のハンガーでも資源ごみにならないと理由です。
相模原市や神戸市ではハンガーに「プラマーク」があればプラスチックごみとして捨てるよう指示されています。
※参考：日本容器包装リサイクル協会
ピンチハンガー
靴下を干すときに利用する洗濯ばさみがたくさんついた、ピンチハンガーは大きさと素材によって粗大ゴミにも一般ごみにも分別されます。
粗大ゴミになるのは折りたたんでも指定のゴミ袋に入らなかったり、一辺の長さが30㎝を超えるピンチハンガーです。粗大ゴミにならない大きさのピンチハンガーはハンガーと同様に素材によって可燃ごみや不燃ごみ、資源ごみに分類されます。
木製ハンガー
衣類をかける部分が木製になっているハンガーは可燃ごみや不燃ごみに分類されます。
全て木でできていれば可燃ごみになりますが、フック部分が金属でできていたときには分解、分別して処分するのが正しい分類です。
金属部分を外せない場合に限り、燃えるゴミにまとめて出してもいいとしている自治体もあります。
リメイクハンガー
針金に毛糸や布が巻き付けてあるリメイクハンガーや衣類をかける部分に絵が描かれている木製ハンガーは燃えるゴミ、燃えないゴミ、資源ごみになります。
2種類以上の素材が使われているため、分解と分別作業が必要です。目黒区、練馬区では金属部分と本体部分で極力分別するように呼びかけています。
本体部分は木やプラスチック、フック部分は金属など異なる素材で作られているハンガーは、金属部分をペンチで挟んで引き抜きます。
ハンガー6つの捨て方
１．自治体のごみ収集で捨てる
地域ごとに決められた可燃ごみや不燃ごみの日にハンガーを捨てるのは手軽で簡単な処分方法です。指定袋に入れて、決められた収集日の収集時間までに所定の場所に排出します。
可燃ごみの収集日は週に1～2回ありますが、不燃ごみの収集日は月に1回しかない自治体もあるので、事前に確認しましょう。
針金ハンガーを捨てる時には先端を折り曲げて、ゆとりをもった袋に詰める配慮をすると、収集スタッフも安全に回収できます。
２．粗大ごみで捨てる
着物用ハンガーなど粗大ごみに該当する大きさのハンガーは「戸別収集」または「持ち込み処分」で捨てます。
戸別収集
最寄りの集積所まで自治体と提携している廃棄物処理業者が引き取りに来てくれる方法です。1点につき200円程度で処分できます。
① 収集の申し込み
自治体のサイトにアクセスし、電話もしくはインターネットで申し込みをすると、粗大ごみの収集日や処分手数料を案内されます。電話の場合は、金額や収集日のメモをしておくと安心です。収集申し込みから回収日までは1週間から1か月の期間があくので余裕をもって申し込みます。
② 粗大ごみ処理券を購入
収集日までにハンガーの処分料金に合わせた粗大ごみ処理券をスーパーマーケットやコンビニ、役所の窓口で購入します。粗大ゴミ処理券には受付番号や氏名を書いてハンガーに貼り付けます。
③ ハンガーを搬出
申し込みの時に案内された収集日当日に、粗大ごみを指定された場所に出します。
持ち込み処分
地域で決められた粗大ごみ処分場へ持ち込み処分する方法もあります。処分料金は品目のほかに重量によって決まり、10kgにつき200円程度です。
① 申し込み予約
処分場または自治体の環境課にて持ち込み予約を取ります。
② 持ち込み
予約した時間に持ち込み、係員の指示に従ってハンガーや粗大ごみを下ろしたら提示された金額を支払います。
処分場の受付時間は平日の9：00-17：00までに限定されていることが半数以上です。
３．不用品回収業者で捨てる
クローゼットいっぱいにハンガーがたまっている、引っ越しでハンガーや衣類、タンスもまとめて引き取ってほしいときには不用品回収業者が便利です。
処分費用は段ボール1箱につき500円程度で、別途基本料金3,000円が加算されます。
ハンガーだけの引き取りであれば割高になってしまいますが、タンスやカラーボックスなどの不用品も同時に引き取ってもらったとしても基本料金は1回につき3000円しかかかりません。
不用品回収業者に依頼する手順
① 問い合わせ・見積もり
自分の地域を対応エリアとしている不用品回収業者へ電話やメール、LINEから問い合わせます。ハンガー1箱分とタンス1つなど品目がはっきりしていれば電話口で見積もり料金を伝えてもらえます。
② 予約
見積もり金額に納得できれば、そのまま予約へと進みます。スケジュールに空きがあれば希望日時に回収してもらえるので、都合のよい時間を伝えてあげましょう。
③ 回収作業
回収日当日は見ているだけで構いません。
クローゼットに入れたままの状態から梱包や搬出を行ってくれます。
作業を終えたら料金を支払います。現金のほかにクレジットカードや電子マネー対応している不用品回収業者も増えています。あらかじめ支払い方法を確認しておくと、当日慌てることもなく安心して支払いができます。
優良な不用品回収業者の選び方｜初めてでも失敗しない5つのポイントをプロが解説
４．ハンガーを寄付する
ハンガーを支援団体やNPO法人に寄付することもできますが、寄付金がかかるため無料ではありません。
発展途上国や支援施設で再び使ってもらうことが前提なので、ゆがみや壊れていないハンガーであることが寄付できるハンガーの条件です。
寄付の手順
① 寄付するハンガーを準備し、段ボールに詰める。
② 支援団体HPの問い合わせフォームに必要事項を記載する。
③ 寄付日までに寄付金の入金を済ませる。
④ 希望日時に自宅に訪問した作業員に、寄付したい物を渡す。
ハンガー寄付ができる支援団体
NPO法人『ワールドギフト』『ワールドギフト』では、衣類、バッグ、靴など、ハンガー以外の物も寄付を受け付けています。ワールドギフトへ届けられた支援品は発展途上国を中心に貧困地域、学校、福祉施設など、世界中の物資を必要としている人々に届けられています。
寄付金と送料の目安
| 集荷方法 | 3辺合計 | 寄付金（送料込み） |
| 郵便局 | 140cm以内 | 2,900円 |
| 佐川急便 | 160cm以内 | 3,700円 |
５．ハンガーを売る
ハンガーを売るという選択肢もあります。
売るコツはブランドロゴのあるハンガーや同じ種類のハンガーのまとめ売りです。フリマアプリ『メルカリ』では、Brooks Brothersのハンガーが1本2,800円、マワハンガーや無印良品のハンガーがセット売りで1,000円～2,000円で取引されていることを確認できました。
ブランド物のハンガーではなくても、20本、30本などとまとめ売りであれば買い手が見つかる可能性があります。まとめてハンガーを出品した場合の相場は300円～2,000円ほどでした。
ニトリから販売されている「服がズレ落ちにくいハンガー」など同じ種類をまとめて捨てるときには検討する価値があります。
サイトを経由して販売した時には事務局へ販売手数料として販売価格から10％程度かかります。送料や作成資材費用、梱包費用なども考慮した値付けをすると損することなくハンガーの売却が可能です。
ハンガーが売れるサイト
ハンガーが売れるのは個人間で取引ができるサイトで、2種類に分けられます。
手を加えずにハンガーが売れるのはフリマアプリのメルカリやネットオークションのヤフオクです。
リメイクして売るのであれば、ハンドメイドサイトの大手ミンネやクリーマでも出品できます。ハンドメイド通販サイト『ミンネ』では、アレンジされたハンガーが1,000円～2,000円で取引されています。
ハンドメイド通販サイトでは子ども向けの商品に需要があり、動物のイラストが描かれているハンガーやカラフルな装飾したほうが売れやすく、価格も高くなります。
6．クリーニング店のハンガー回収
クリーニング店でハンガーをリサイクル回収してもらうこともできます。回収されたハンガーは約70％が再利用され、約95％以上が再資源化されています。クリーニング業界全体としての回収率は約50％ですが、まだ半数以上のハンガーがごみとして捨てられています。
名古屋市ではクリーニング後についてくるプラスチック製ハンガーや針金ハンガーは、自治体に出すよりも店舗に返却することを推奨しています。
ハンガー回収の実施店舗
規模の大きなクリーニング店は積極的にハンガーの回収をすすめており、多くのハンガーがリサイクルされるように特典を設けていることもあります。
たとえば、白洋舎ではハンガー5本を返却すれば、エコポイントが1ポイントたまるという取り組みを導入しています。ポイントが貯まると洗剤やバッグなどがプレゼントされます。
ハンガーを返却するとポイントとしてクリーニング料金から値引きするクリーニング店もあります。
| 店舗 | 回収方法 | 特典 |
| 白洋舎 | 持ち込み | 5本につき1ポイント |
| ホワイト急便 | 持ち込み | ポイント追加、料金の値引きなど、各店舗により内容が異なる。 |
| ポニークリーニング | 回収ボックスにいれるか従業員に渡す | 他社のハンガーでも回収可 |
| うさちゃんクリーニング | 持ち込み | 1本につき1ポイント |
| フランス屋 | 持ち込み | 不要になった洋服も無料で回収 |
プラスチック資源循環促進法
2022年4月1日より、プラスチック資源循環促進法が施行されました。
プラスチック資源循環促進法とは、プラスチックごみの排出を抑制し、プラスチック資源のリデュース・リユース・リサイクルを促進することで、持続可能な社会を実現することを目的とした法律です。
法律施行後、すべてのクリーニング事業者はプラススチック製ハンガーや衣類カバーの使用抑制、回収・再利用に取り組んでいます。
ハンガーゴミを減らすコツ
ハンガーを捨てなくてもいいコツをご紹介します。
リメイクして再利用
ノーブランドの針金ハンガーや木製ハンガーをリメイクして使うこともできます。
インテリアや子供の趣味に合わせてアレンジができるので、ハンドメイドや絵が得意・興味がある方におすすめの方法です。
針金ハンガーに毛糸や布を巻きつけていきます。真ん中の部分に花やリボンなどの飾りをつけてリメイクしていきます。
木製ハンガーは木の部分に好きな絵をペイントしていきます。ニスなどコーティング剤で仕上げると色落ちや服への色写りを防いで使い勝手もよくなります。
ハンガーを受け取らない
最初からハンガーをもらわないこともゴミにしないコツです。
東京都クリーニング生活衛生同業組合ではプラスチック削減の取り組みの一つとして最初からハンガーを受け取らないことを呼びかけています。
車や集配サービスを利用するときには店頭や配達の際にハンガーを外してから引き取ることもできます。クリーニング店で使用されているハンガーは運搬時を想定して作られているため、衣類の保管には向かず型崩れにもつながりやすいと言われています。
衣類を購入する際にも外してから持ち帰るだけでプラスチック削減に貢献できます。
ハンガーの回収事例
不用品回収業者でのハンガー引取事例をご紹介します。
大量のハンガーと衣類の回収
お母さまが介護施設に入所させることになり、クローゼットの片付けと引き取りをお願いしたいとご連絡いただきました。服飾関係のお仕事をされていたとのことで6畳の部屋いっぱいにハンガーラックや布、ミシン、衣類がございました。
衣類のポケットには小銭やアクセサリーが入っておりましたので、１つ１つ確認して片付け作業を進めました。ハンガーだけでも段ボール10箱以上はありました。
「私一人では何日かかっても終わらなかったので、助かりました」と感謝のお言葉をいただきました。
ハンガーとタンスの回収
お引っ越しに伴いタンスと洋服、ハンガーのお引き取り依頼をいただきました。新居では備え付けのタンスやクローゼットがあるとのことでしたので、タンス3竿とハンガーラックを処分したいとお伺いしました。
途中で衣類回収もご依頼いただきましたので、20袋ほど追加回収いたしました。
引っ越しまで残り1週間と迫っている中で、「すぐに来てもらえてありがたい」とお言葉を頂戴しました。
ハンガーの捨て方まとめ
ハンガーは素材によって決められている自治体のゴミルールにそって処分するのがもっとも簡単な処分方法です。
しかし、捨てたい理由やリサイクルの視点から考えると、あなたにとっては最適な方法ではないこともあります。
ハンガー以外に衣類やタンスもまとめて捨てたいときには不用品回収業者を利用することも選択肢の一つです。
クリーニング店をよく利用するなら、店舗へ返却したほうがリサイクルにも貢献できます。
・ハンガーを捨てる理由
・ハンガーの種類
から選ぶと満足のいく処分ができます。
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