石油ファンヒーター6つの処分方法|無料回収の裏技と注意点
石油ファンヒーターの捨て方がわからず、車庫や押し入れにずっとしまってあるご家庭も多いのではないでしょうか。
「とにかく安く、 簡単に捨てたい」
「まだ使えるのにそのまま捨てるのはもったいない」
と言うご相談もよくいただきます。
石油ファンヒーターの 処分方法は6つしかありません。それぞれに料金や手順が違い、 新しい石油ファンヒーターやまだ使えるものであれば無料で引き取ってもらったり、売ってお金に変えることもできます。
まずは石油ファンヒーターの捨て方を知ることから始めてみましょう。
この記事でわかること
・石油ファンヒーターの6つの処分方法が分かる
・処分にかかる料金や無料で捨てる方法が分かる
・灯油やポリタンクの捨て方と注意点がわかる
【監修】遺品整理士協会認定 遺品整理士
片山 万紀子
祖父の遺品整理をきっかけに遺品整理や不用品回収に興味を持ち、遺品整理士協会認定・遺品整理士の資格を取得。ReLIFE(リライフ)のディレクターをする傍ら、年間600件以上の遺品整理に携わる。遺品整理を通して「ありがとう」という言葉をいただけることを仕事のやりがいとしています。
石油ファンヒーターの捨て方
石油ファンヒーターを処分するには、
1.粗大ゴミ回収で捨てる
2.家電量販店の引き取り
3.リサイクルショップでの売却
4.フリマアプリでの売却
5.不用品回収業者の引き取り
6.ホームセンターの引き取り
という6通りの方法があります。それぞれに特徴があるため、自分に適した方法を選ぶことが重要です。
1.粗大ゴミで捨てる
石油ファンヒーターを自治体のゴミ収集で捨てる場合、粗大ゴミとして処分するのが一般的です。粗大ゴミの基準は自治体ごとに異なりますが、通常は一辺30センチメートルを超えるものは粗大ゴミ扱いとなるためです。
粗大ゴミに出すときは、以下の3ステップで行います。
1.収集の申し込み
…地域の粗大ゴミ受付センターに電話やメールで申し込み、料金確認や予約日設定を行います。
2.粗大ゴミ処理券の購入
…粗大ゴミの処理券を、コンビニやスーパーなど自治体指定の販売店で購入します。
3.排出
…予約日当日の朝、指定の回収場所に石油ファンヒーターを運び込めば完了です。
石油ファンヒーターを粗大ゴミに出すときは、なかに入っている灯油を抜いておかなければならず、すべて使い切るかガソリンスタンドなどに持ち込んで適正に処分してもらう必要があります。また、石油ファンヒーター内部の乾電池は外して別に処分します。詳しい捨て方については、後述します。
2.家電販売店で捨てる
家電販売店のなかには、不用になった石油ファンヒーターを引き取ってくれるサービスを実施している店舗もあります。
家電量販店で石油ファンヒーターを処分する際には、店舗販売員に引き取り回収を申し込むだけです。新品購入時であれば無料で不用品を引き取ってくれたり、新品配送時に古い製品を回収してくれたりする家電量販店もあるため便利です。
引き取り料金や条件などは家電販売店ごとに異なり、一部対象外店舗があるケースも見られます。そのため、引き取りを希望する際には近くの販売店に問い合わせるのが確実です。おもな家電量販店の引き取りサービスについて、以下の表に記載しました。
販売店名 | 引き取り料金 | 条件 |
ビックカメラ | 無料 | ・同等商品1点購入につき1台引き取り ・店舗持ち込み ・ネットショップでの購入は対象外 |
エディオン | 2200円(税込) | ・3辺合計150センチメートル以下、重量20kg以下 ・フランチャイズ店は対象外 ・問い合わせ・申し込みは各店舗にて |
ヨドバシカメラ | 2200円(税込) | ・購入商品の配送時に交換で回収 ・3辺合計240センチメートル以下、重量20kg以下 ・引き取りのみの訪問では2200円の出張料金が追加 |
ケーズデンキ | 2200円(税込) | ・購入商品の配送時に交換で回収 ・引き取りのみの訪問では出張料金が別途発生 |
ヤマダ電機 | - | ・石油ファンヒーターは引き取りなし |
3.リサイクルショップで売る
製造後5年程度までの製品で、状態がよく人気メーカーのものならばリサイクルショップで売却できる可能性が高いです。ダイソンやシャープ、ダイニチ、コロナなどの製品はとくに高価買取が期待できます。省エネ機能や加湿・送風機能などが搭載された製品も、ニーズが高く買値がつきやすいです。
一方で汚れや傷があり、故障している部位がある石油ファンヒーターは売却が困難です。石油ファンヒーターの寿命が8年から10年程度であることを考慮すると、古い製品は売るより捨てるほうが現実的といえます。
高額査定のポイントは、できるだけ汚れを落として新品に近づけておくことです。汚れのたまりやすい背面吸気口や底部のトレイ、灯油漏れの跡が残りやすい注油口は、日頃のお手入れできれいに保ちましょう。説明書などの付属品をそろえ、外箱に入れてから査定に出すのも重要です。石油ファンヒーターは季節商品なので、需要の高まる秋から冬に売却すると高値で買い取ってもらえます。
4.フリマアプリで売る
リサイクルショップでは買い値のつかないような製品でも、使用可能な状態ならばメルカリやヤフオクなどで個人売買が成立する可能性があります。たとえば、メルカリでは状態の良いコロナやダイニチなどの石油ファンヒーターが、おもに1万円前後から出品されています。2015年製などの旧機種でも売買が成立している事例も見られるため、出品するのもひとつです。
フリマアプリを利用する場合は、会員登録して石油ファンヒーターをスマホなどで撮影し、商品情報を入力して出品します。購入者が現れたら、商品を梱包・発送しましょう。
個人売買でのトラブルを避けるには、傷や汚れの状態を写真付きで包み隠さず公開し、了承の上で購入してもらうことが欠かせません。製造年や型番、付属品の有無やサイズも明記します。
石油ファンヒーターは10kg程度の重さがある製品も多く、配送料だけで1500円以上になることもあります。送料を出品者負担にする場合は、利益を見込んだ価格設定にする必要があります。
5.不用品回収業者の引き取り
「不用品回収業者が向いている方」
・自分の都合の良い日に速やかに回収してもらいたい人
・自分で搬出するのが困難な人
・他にも処分したい不用品がある人
上記に当てはまる方は不用品回収業者に依頼するのが適しています。費用は基本料金3000円と処分料金1000円で、合計4000円程度となるのが一般的です。
不用品回収業者を利用するときは、悪徳業者に注意しましょう。高額請求や不法投棄などを起こす悪徳業者を避けるには、一般廃棄物収集運搬許可や古物商許可を持っている業者を選ぶことが欠かせません。問い合わせ時のマナーがよく、相場価格で引き取ってくれる業者は信頼性が高いといえます。
6.ホームセンターで捨てる
一部のホームセンターでは、石油ファンヒーターの無料引き取りサービスを行なっています。インターネットで「(ホームセンターの名前) 引き取り」と検索すると、引き取りサービスの有無を調べることができます。引き取りの基準や方法はホームセンターごとに異なりますが、新品の石油ファンヒーターまたは石油ストーブを1点購入するごとに1台の無料引き取りを受け付けているお店が多いです。
基本的には店舗に自分で不用品を持ち込まなければなりません。また、機器内部の灯油や電池を抜き取ってから持ち込む必要があります。オンラインショップで新品を購入した場合、引き取りサービスを利用できないお店もあるため、不明点があれば事前に店舗に質問して引き取りの可否を確認しておくことをおすすめします。
石油ファンヒーターの引き取りサービスを実施しているホームセンターの一例を以下の表でお示しします。
販売店名 | 引き取り料金 | 条件 |
コメリ | ・無料 | ・同等商品1点購入につき1台引き取り ・店舗持ち込み ・商品納品後1か月以内 ・納品書の提示が必要 |
島忠ホームズ | ・無料 | ・同等商品1点購入につき1台引き取り ・店舗持ち込み ・オンラインショップでの購入は引き取り対象外 |
ホームセンターバロー | ・無料 | ・同等商品1点購入につき1台引き取り ・店舗持ち込み |
カインズ | ・無料 | ・同等商品1点購入につき1台引き取り ・オンラインショップでの購入も対象 ・店舗持ち込み ・レシート、納品書、明細書 いずれかの提示が必要 |
捨てる前にやること
石油ファンヒーターを処分するときには、
1. 灯油を空にすること
2. 余った灯油の捨て方
3. 乾電池を抜くこと
の3点に注意しましょう。とくに灯油は発火の危険性があるため、 誤った処分方法をすると火災につながる恐れもあります。
1.灯油を空にする
石油ファンヒーターのなかの灯油は、捨てる前に空っぽにしておくことが重要です。
灯油を入れたままで処分すると、発火事故を起こす危険があるからです。
灯油の残りがポリタンク1杯未満なら、石油ファンヒーターで燃焼させて使い切るのが簡単です。石油ファンヒーター内部のタンクに最大量の灯油が入っている場合でも、通常は1日以内に使い切ることができます。
使い切るときは十分に換気を行ない、燃焼不良による一酸化炭素中毒に注意しましょう。なお、翌シーズンまで持ち越した灯油は変質して着火不良を起こすため、長期保管はできません。
2.灯油の捨て方
ポリタンク1杯を越える大量の灯油が残っている場合には、ガソリンスタンドに持ち込んで処分するのが一般的です。お近くのガソリンスタンドで灯油の処分を受け付けているか電話などで確認し、引き取り可能であれば店舗に持ち込みます。
費用は無料から数百円程度となることが多いです。
灯油をガソリンスタンドに運搬するときは、安全のために必ずポリタンクからノズルなどを外して密栓しましょう。なお、不用品回収業者では石油ファンヒーターの引き取りと一緒に、余った灯油も回収してもらえる場合があります。
たとえ少量であっても、灯油を土に埋めたり下水に流したりすることはできません。これらの方法は環境汚染や大爆発につながるリスクがあるため、不適切です。なお、食用油の凝固剤を使おうとしたり、直火で燃やしたりするのも火災事故につながるため絶対にやめましょう。
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3.乾電池を抜く
乾電池式の石油ストーブは、処分する前に乾電池を抜き取りましょう。乾電池が入ったまま処分すると、適切なリサイクルを妨げたり思わぬ事故につながったりするおそれがあるためです。
一般的な石油ファンヒーターは常にファンを回すためコンセント式になっていますが、着火時のみ電気を要する石油ストーブでは乾電池式の製品もあります。
乾電池ケースは、本体背面や底面などについていることが多いです。なお、石油ストーブを処分せずに翌シーズンまで保管する場合にも、液漏れを防ぐために乾電池は必ず抜いておきましょう。
石油ファンヒーターを捨てるタイミング
まったく使わなくなったときだけでなく、故障のサインが出たときも石油ファンヒーターを処分すべきタイミングといえます。石油ファンヒーターの故障について解説します。
故障のサインと対処法
エラーコードがデジタル表示されるタイプの石油ファンヒーターの場合には、取扱説明書でエラー内容を見れば故障か否かを判断できます。たとえば、本体の傾きや過熱防止装置の作動が原因でエラーコードが表示された場合には、指示通りに再運転すれば問題なく稼働します。しかし、電気系統の故障や不完全燃焼防止装置の作動などを示すエラーコードが出ている場合は、修理を依頼するしかありません。
デジタル表示のついていない石油ファンヒーターの場合にも、動作不良や異臭がある際には取扱説明書を見て、故障の有無を判断します。もし着火不良や匂いなどのトラブルが出た場合でも、フィルター汚れや電池切れなどが原因になっている可能性もあるので、まずは取扱説明書で対処法をチェックすることが大切です。
取扱説明書を失くした場合は、メーカーのホームページからダウンロードできる場合があるので検索してみましょう。
故障しているのに、使い続けるのは危険
故障のサインを無視して使い続けると、異常燃焼などを起こすおそれがあります。普段とは違う炎の色になったり、匂いやススが出たりしている場合にはいったん電源を切ってから取扱説明書を確認しましょう。
故障の可能性があるときはすぐに使用を中止して、修理や買い替えを検討します。
なお、故障した石油ファンヒーターの部品交換は、安全のために石油機器技術管理士などの修理資格者が行う必要があります。自分では修理できないので、販売店やメーカーに相談し、メーカー純正部品で修理してもらいましょう。
ポリタンクとポンプの捨て方
灯油を保管していたポリタンク 石油ポンプを捨てる方法について解説します。
自治体で捨てる
灯油を使い切ったあとで空っぽになったポリタンクは、一辺30センチメートルを超える場合は粗大ゴミ、超えない場合は不燃ゴミまたは可燃ゴミとして自治体のゴミに出します。処分費用は、粗大ゴミの場合は数百円程度、不燃ゴミや可燃ゴミなら無料です。
金属製の灯油缶の場合は金属ゴミとして処分しますが、一辺のサイズが粗大ゴミの規定サイズに該当する場合はポリタンクと同様に粗大ゴミ扱いとなります。
なお、粗大ゴミのサイズ基準や不燃・可燃の区分は自治体ごとに異なるので、事前の確認が必要です。
石油ポンプの捨て方
灯油をポリタンクから石油ファンヒーターに移すときに使う石油ポンプは、一般的には可燃ゴミとなります。電池式のポンプの場合は、電池を外してから可燃ゴミに出します。粗大ゴミの規定サイズに当てはまる石油ポンプは粗大ゴミ扱いです。
また、神奈川県横須賀市のようにコンセントから電源を取るタイプの石油ポンプを粗大ゴミ扱いとしている自治体もあるため、お住まいの地域のルールを確認しましょう。
石油ファンヒーターの回収口コミ
毎年、秋口と春先になると石油ファンヒーターの引き取り依頼をいただいています。
お問い合わせの中でも特に多い、
・時間がない方
・自身でゴミの集積所まで運べない方
からの口コミをご紹介します。
石油ファンヒーターの処分
主人の転勤で、福島県いわき市から埼玉県さいたま市へ引っ越しすることになりました。関東は冬場も暖かいためエアコンがあれば十分だと思い、使わなくなった石油ファンヒーターは処分することに。
粗大ゴミの日の朝に出すのは大変だったので、不用品回収業者を利用しました。土曜日の引き取りに対応してもらえたのが、決め手でした。こちらの都合に合わせて柔軟に回収日を設定してくれたので、助かりました。
当日になってお願いしたベビーサークルも一緒に引き取って頂けたことも、不用品回収業者にお願いしてよかったなと思ったポイントです。
(35歳・女性)
石油ファンヒーターの処分
齢を取り、灯油を買って持ち運ぶのが体力的に厳しいと感じていました。床暖房に変更したため、石油ファンヒーターを使う必要がなくなったため捨てることにしました。
粗大ゴミでの処分も検討しましたが、重たい石油ファンヒーターを集積所まで運び出すのが大変なので断念しました。不用品回収業者に依頼したところ、業者の方が運び出してくれたので楽でした。自分は見ているだけでよかったので、ありがたかったです。
石油ポンプとポリタンク5個も、一緒に引き取ってもらえたのでよかったです。
(65歳・女性)
不用品回収業者の利用方法
不用品回収業者の利用は、以下の3ステップで行います。
1.お問合せ
…住まいのある地域を対象エリアとしている不用品回収業者から、利用したい業者を選んで電話などで問い合わせます。
2.見積もり・予約
…担当スタッフが回収品の数や種類を確認して見積もりを出してくれるので、金額やサービス内容に納得できたら予約に進みます。
3.作業とお支払い
…予約日当日に業者スタッフが不用品を運び出してくれるので、作業後に運び忘れがないか確認してから支払いをすれば完了です。
石油ファンヒーターの処分方法まとめ
石油ファンヒーターは無料から有料まで6つの捨て方があります。
まだ使えるファンヒーターであれば、リサイクルショップやフリマアプリを通して売るのも選択肢の一つですが、 故障のサインが出ていたり不調が続くのであればゴミとして処分しましょう。
石油ファンヒーターの寿命は一般的に8年から10年とされているので、この年数を過ぎると買い取ってもらうのが難しくなります。
自治体や不用品回収業者などを利用して正しく安全に処分しましょう。
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