ペンキの捨て方5選|缶の処分方法と料金・固まったペンキの対処法
・ペンキの捨て方が分からなくて、そのままになっている
・缶の中で固まったペンキの捨て方が知りたい
・地域のゴミ収集で手軽に捨てられるのかな?
上記のことが気になる方も多いのではないでしょうか?
あつかう機会が少ない方にとってペンキの捨て方は、ハードルが高いですね。
ペンキは時間がたつと缶の中で固まり、処分方法がさらに複雑で面倒になってしまします。
この記事を読むとわかること
・ペンキの捨て方
・固まってしまったペンキの対処方法
・ペンキの容器の捨て方
このページを読み終えるとペンキも容器もすっきりと処分できるようになります。
【監修】遺品整理士協会認定 遺品整理士
片山 万紀子
祖父の遺品整理をきっかけに遺品整理や不用品回収に興味を持ち、遺品整理士協会認定・遺品整理士の資格を取得。ReLIFE(リライフ)のディレクターをする傍ら、年間600件以上の遺品整理に携わる。遺品整理を通して「ありがとう」という言葉をいただけることを仕事のやりがいとしています。
ペンキの捨て方5選
ペンキは「量」によって向いている捨て方が変わりますが、液体のままでは捨てられません。ペンキは引火性があるため収集時に火災を引き起こすことも考えられますし、ゴミ収集車を汚してしまうこともあるからです。
少量のペンキなら自治体のごみ収集で捨てることもできます。
少量のペンキを捨て方
・紙に塗って捨てる
・布に染み込ませて
多めのペンキの捨て方
・固めて捨てる
・専門業者の引き取り利用
・不用品回収業者の引き取り利用
塗り広げて、捨てる
少量のペンキであれば、不要な紙や布に塗り広げてから完全に乾燥させると、燃えるゴミで処分できます。容器の底に余ってしまっているくらいの量を捨てるのに向いている方法です。
「必要な道具」
・汚れてもいい手袋、服装
・ビニール袋
・不要な布・紙(新聞紙やダンボール)
・刷毛やローラー
衣類についたペンキ汚れは洗濯洗剤では落ちないので、汚れてもかまわない服装や場所で行いましょう。床一面に新聞紙や切り開いたビニール袋を敷き詰めると後片付けが簡単になります。
「塗り広げて捨てる手順」
1.塗り広げる
刷毛やローラーを使い、いらない新聞紙やダンボールに塗り広げます。
2.乾燥させる
3日程度放置し、完全に乾燥させます。
3.燃えるゴミで捨てる
自治体のルールに従って指定ゴミ袋にまとめ、燃えるゴミの日に捨てます。
染み込ませて、捨てる
コップ2杯(400ml以下)程度のペンキは、不要な紙や布に染み込ませた後で完全に乾燥させると、ペンキを塗り広げた紙と同様に燃えるごみで捨てられます。塗広げるときと比べて、乾燥に時間はかかりますが、周囲を汚すリスクは少なくなります。
400ml以上のペンキを捨てたいときは、乾燥に時間がかかることも考えられるため固化剤で固めて処分する方法を検討すると良いでしょう。
「必要な道具」
汚れてもいい手袋、服装
容器(ダンボール、バケツ、洗面器)
ビニール袋
不要な紙(新聞紙、キッチンペーパー)や布
「染み込ませて捨てる手順」
1.容器にビニール袋をセット
容器にビニール袋をかぶせます。ビニール袋が破れると周囲がペンキで汚れるため、袋を二・三枚重ねると安心です。
2.不要な紙や布を入れる
ビニール袋の中に、キッチンペーパーや新聞紙、使い古しのバスタオルなどを入れます。
3.染み込ませる
ペンキを容器に流し入れて、染み込ませます。
4.乾燥させる
完全に乾くまで、3日~1週間程度放置します。
5.燃えるゴミで捨てる
自治体のルールに従ってビニール袋ごと燃えるゴミの日に捨てます。
固化剤・残塗料処理剤で固める
大量のペンキや未使用のペンキは残塗料処理剤を使えば、燃えるゴミで捨てられます。
残塗料処理剤はホームセンターやオンラインショップから500円程度で購入でき、油性・水性それぞれの専用、兼用の製品があります。固化剤の主成分は、紙おむつや簡易トイレなどに使用されている高吸水性ポリマーです。
固化剤を入れるとペンキの体積が2~5倍に膨れるため、油性ペンキは400mlに対し2L、水性ペンキは400mlに対し1L程度の大きさのバケツを用意します。
「必要な道具」
汚れてもいい手袋、服装
大きめのバケツなどの容器
固化剤(残塗料処理剤)
混ぜる棒(割りばしなど)
新聞紙
「固化剤で捨てる手順」
1.ペンキを流し込む
バケツにペンキを流し込みます。
2.固化剤を入れて、かき混ぜる
固化剤を少しずつ入れてかき混ぜます。一度に入れると固まりにくいため、よくかき混ぜながら入れます。固化剤を入れた後、ペンキの3倍ほどの水を加えてさらに2~3分かき混ぜるとモコモコと膨らみながらオカラ状に固まります。
3.乾燥させる
新聞紙の上に固まったペンキを広げ、風通しの良い場所で3日程度放置し、完全に乾燥させます。
4.燃えるゴミで捨てる
自治体のルールに従って、指定袋に入れて燃えるごみの収集日に指定場所へ出します。
塗料専門業者に回収依頼
塗料専門の回収業者に余ったペンキを引き取ってもらう方法があります。
金額の相場は一斗缶1つあたり3000~5000円ですが、自宅まで来てもらう時には引き取り手数料が3000円~10,000円程度かかります。
一斗缶10本からなど大量の引き取りを前提として料金を決めている塗料専門業者もあります。家庭で出た少量のペンキの処分は持ち込み処分が条件となっていることもあるので、塗料専門業者に電話やメールで問い合わせることから始めます。
不用品回収業者に引き取り依頼
余ったペンキを、不用品回収業者に引き取ってもらい処分する方法があります。
金額の相場は一斗缶1つあたり4000円ですが別途、基本料金が3000円程度かかります。基本料金には交通費や人件費、作業費などが含まれている金額で、不用品回収業者の事務所から離れた場所から依頼するときには4000円以上になることもあります。
不用品回収業者の魅力はペンキ以外にDIYで出た廃材などもまとめて処分してもらえる点です。
しかし、一部の不用品回収業者ではペンキの回収を行っていません。
油性ペンキは液体のままだと引火性がある危険物とみなされていることが理由です。問い合わせ時にはペンキの引き取り対応をしているか確認することから始めましょう。
不用品回収業者の中には無許可の悪徳業者がいる点に注意しましょう。一般家庭から不用品を回収するには「古物商許可」や「一般廃棄物収集運搬許可」が必要です。無許可の業者に依頼すると、不法投棄や高額な処理料金を請求される恐れがあります。
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やってはいけない4つのペンキの捨て方
水性・油性問わず、やってはいけないペンキの捨て方があります。
やってはいけないペンキの捨て方
1.ペンキを排水口に流す
2.スプレー缶に穴をあける
3.火の近くで作業する
4.密室で作業する
誤った捨て方は事故や体調不良の原因となってしまいます。
1.排水口に流す
油性・水性のペンキに関わらず、排水口にペンキを流して捨ててはいけません。
処理ができず、水質汚染や環境破壊へとつながってしまうからです。
特に油性ペンキは塗料が配管に付着し詰まる恐れがあるだけでなく、有機溶剤(シンナー)が含まれているため下水処理に大きな負担がかかります。下水が完備されていない地域ではそのまま河川へ流れ出てしまいますし、完備された地域であっても大雨などで処理能力を超えた場合は、自然界へ放出される可能性がゼロではありません。
水性ペンキは有機溶剤(シンナー)が含まれておらず、油性ペンキに比べて配管の詰まりや環境へのリスクは少ないですが、基本的には流さないほうが良いでしょう。
水性ペンキにも化学物質が含まれているため下水処理には負担がかかります。
塗布に使用した刷毛やローラーのペンキは、新聞紙などでふき取ってからバケツで洗います。洗浄後に塗料と水を分離する「水コロジー」などの製品を使って汚水を排水に流さないよう工夫をするのもマナーの一つです。
2.スプレー缶に穴をあける
カラースプレー缶に穴を開けて処分するのは、爆発の危険があるのでやめましょう。穴をあける際に散った少量の火花であっても中のガスに着火して、爆発に繋がる恐れがあるためです。
多くの自治体でスプレー缶の穴あけは禁止されています。
スプレーに充填されているガスは可燃性のあるブタンガスですし、油性ペンキに使われている有機溶剤(シンナー)には非常に燃えやすく引火しやすい特徴があります。
使い切れず中身が残っているカラースプレーは、新聞紙など不要な紙や布に、中身が無くなるまで吹き付けてから自治体の決まりに従って処分します。
噴射したガスや塗料を吸引しないために、風通しのいい屋外の風上で作業し、汚れてもいい服装・手袋・マスク・メガネを装着すると安心です。
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3.火の近くで作業する
ペンキを固化剤で固めたり、塗り広げる作業はキッチンやストーブの近くなど火の近くで作業してはいけません。
油性ペンキに含まれる有機溶剤(シンナー)は引火性のある燃えやすい液体な上に、揮発性が高く、すぐに蒸発して空気中に広がります。気化した有機溶剤が充満すると、些細な火花にも引火し爆発事故を引き起こす恐れがあります。
過去に停泊中の船の甲板でシンナー入りの塗料缶をグラインダーで切断しようとしたところ、刃を当てた際の火花が気化したシンナーに引火し爆発する事故が起こっています。屋外で行われた作業にも関わらず事故が起こったことを考えると、シンナーがいかに火気厳禁の危険物であるかがうかがえます。
作業中にタバコを吸うなど火を取り扱う行為はもちろん、静電気の起きにくい綿や麻などの服装で作業することも大切です。
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4.密室で作業する
ペンキを捨てる作業は密室を避け、風通しの良い場所で行います。
気化したシンナーは空気より重いため換気の悪い場所では辺りに充満し、めまいや吐き気などの中毒症状を引き起こす恐れがあります。特に妊婦や小さな子どもに影響が強く出るため、作業者自身だけでなく周囲の環境にも配慮しましょう。
屋外の場合は風通しのいい風上で作業すると安全です。屋内の場合や屋外であっても建物と建物の間やベランダなど風通しが悪い時は窓や扉を開けたり、換気扇や扇風機を回して空気を循環させます。
ペンキの臭いがソファーやカーテンに一度染み込むと臭いが消えるまで時間がかかることも密室で作業してはいけない理由です。
ペンキ容器の捨て方
空になったペンキの容器は
・材質
・大きさ
に合わせて、自治体のルールに従って捨てます。
缶・一斗缶
ペンキの入っていた缶や一斗缶の処分方法をご紹介します。
ペンキの入っていた缶は、9割の自治体で不燃ゴミ、1割の自治体で資源ゴミに分類されます。
一斗缶は大きさから粗大ゴミとすると定める自治体も一部あります。
ペンキの入っていた缶は、必ず中身を空にして、塗料をキレイに拭ってから乾燥させ処分します。液体のペンキが入っている状態の缶は、自治体では収集できません。
中身が空であることが分かるように、「缶の蓋を完全に開けておく」ことをルールにしている自治体もあります。缶を開けるためには、缶切りや一斗缶専用カッターを使用します。
プラスチック
プラスチックのペンキ容器は、プラマークがついていたら「資源ゴミ(プラスチック容器)」で処分することができますが、容器の汚れが取れない場合は「燃えるゴミ」です。
資源ゴミはリサイクルすることを前提に回収されるので汚れていないことが条件になります。プラスチック容器で販売されているペンキは基本的に水性です。メーカーでも中身を使い終わった後は容器に付着したペンキを拭い、水で洗って乾かしてから資源ごみで捨てることをすすめています。
燃えるゴミで捨てるときも容器を空にした後、蓋をあけて完全に乾燥させてから自治体のルールに従って処分します。
固まったペンキの捨て方
容器の中で完全に固まってしまったペンキは、中身を取り出せるなら分別して自治体のゴミで処分できますが、取り出せない場合は容器ごと業者に引き取ってもらい処分します。
ただし、缶からペンキを取り出せない場合は、長岡市のように「缶ごと不燃ゴミ」で引き取ってくれる自治体もあります。地域ごとの分別ルールは、自治体のホームページやゴミ出しガイドブックから確認できます。
固まったペンキの取り出し方
固まったペンキは削り取ったり、専用の液体を使って取り出せます。
固まったペンキの容器の底を開いて、スクレイパーなどで削り取って分別できれば、ペンキと容器をそれぞれ自治体の分別ルールにしたがって処分します。固まったペンキは「廃プラスチック類」の扱いとなり燃えるゴミですが、葛飾区のように固まったペンキを不燃ゴミとする自治体もあります。
油性ペンキであれば、硬化した塗料を溶かし液体に戻すことができる「クレオスの真・溶媒液」という製品もあります。
ペンキの捨て方まとめ
・ペンキの捨て方
→少量のペンキは紙に塗ったり、染み込ませて燃えるごみで捨てる
→大量に余ってしまったときは固化剤で固めてから燃えるごみで捨てる
→塗料専門業者や不用品回収業者では、量に関わらず引き取ってくれる
・やってはいけないペンキの捨て方
→排水口に流すと詰まったり、環境汚染につながる
→スプレー缶に穴をあけると、爆発する危険がある
→ペンキは火の近くや密室で作業すると事故につながる
・容器の捨て方
→一斗缶は不燃ごみや粗大ごみで捨てる
→プラスチック容器は燃えるゴミになることが多い
・固まったペンキの捨て方
→固まったペンキは削り取って、燃えるごみで捨てる
→容器から取り出せないときは専門業者に引き取ってもらう
ペンキを燃えるゴミとして受け入れていない自治体もありますし、量によっては断られることもあります。処分方法に迷っている間にもペンキは固まって、さらに捨てにくくなってしまいます。
不用品回収業者ではペンキはもちろん、DIYで作った棚や工具もまとめて引き取れますので、お気軽にご相談ください。
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