実家リノベーションで高齢者が暮らしやすい住まいを実現!コツや費用を解説
両親が高齢者なので、高齢者でも快適に住める実家にリノベーションしようと思われている方もいるのではないでしょうか。高齢者になると足腰が弱くなります。そのため、住み慣れた住居でも住みづらさを感じることは自然なことでしょう。
しかし、闇雲にリノベーションをしても失敗する可能性が高くなるでしょう。そこで、今回は高齢者でも安心して住めるリノベーションのコツをご紹介します。実家のリノベーションを検討している方はぜひ参考にしてください。
目次
高齢者の住みやすさを意識した実家リノベーションのコツ
高齢者が住みやすいようにリノベーションするためのコツは4つあります。これらのコツを参考にして両親が快適に住める実家を実現しましょう。
段差をできるだけなくす
高齢者になると少しの段差でも躓いてしまう可能性があります。もし、転倒すれば、最悪の場合、足や腕、肋骨を骨折してしまうこともあるでしょう。そのため、段差はゼロの状態がベストです。
住居で段差が多い箇所は、お風呂場や玄関です。その中でもお風呂場は床が濡れているので滑りやすくなっています。また、お風呂場は独立した空間です。転倒して動けなくなると助けを呼ぶことが難しくなりますので、親御さんがお一人で暮らしているなら特に気を配ってあげましょう。
手すりの設置
手すりの設置も実家をリノベーションするときのコツです。手すりを設置することで、転倒事故を少なくすることができます。実家に階段がある方は手すりをつけるようにしましょう。
また、水回りは滑りやすく転倒する可能性が高くなります。そのため、トイレや手洗い場、洋室など、水を使用する場所はできるだけ手すりをつけてあげてください。
転倒しない床素材を使用する
床には滑りづらい素材を使用します。段差をなくす、手すりの設置と同様に転倒を防ぐためです。
フローリングは靴下を履いて生活することもあり、滑りやすいのでコルクタイルなどを検討するといいでしょう。また、階段の床材にはノンスリップ材を使用し、玄関にはノンスリップタイルを使うと滑りづらいです。
ストレスなく快適に生活ができる環境
高齢者が転倒しないことを意識して実家をリノベーションすることはとても重要です。しかし、安心して暮らせるだけでなく、親御さんがストレスなく快適に暮らせることを考えてあげることも大切ではないでしょうか?
例えば、住居自体を閉鎖的にしてしまうと隣人とのコミュニケーションがしづらくなります。これではご近所さんとお話したりすることができませんので、引きこもりがちになるかもしれません。また、趣味を楽しめない環境だと生きるモチベーションが低くなります。
それぞれのご家庭で、ストレスのない快適な生活に必要なことは異なるでしょう。「家の中にどのような設備があったら嬉しい?」と親御さんに聞いてみたり、相談したりすることはリノベーションをする上でもっとも重要なことです。
高齢者も住む実家のリノベーションでは住居機能の見直しも忘れずに!
実家の住居年数はどのぐらいでしょうか。もちろん、家は住居年数が経てば経つほど住宅機能が低下していきます。また、実家がとても古いと耐震機能がないので、リノベーションをするときに見直すことをおすすめします。
耐震機能をチェック
実家の築年数が古いと旧耐震基準をもとに建築された可能性があります。2016年に発生した熊本地震で旧耐震基準をもとに作られた木造建築物の28.2%が倒壊しました。そのため、耐震機能の見直しは非常に重要です。
1982年よりも前に実家が建っていて機能補強をしていない場合、旧耐震基準の住居です。日本では毎年災害級クラスの地震が発生しています。もし、大きな地震が発生すれば被災し、家を失ってしまう、大怪我をしてしまうこともありますので、機能チェックをおすすめします。
断熱機能をチェック
リノベーションをするときは断熱機能をチェックしておくといいでしょう。断熱機能が低下しているお家は、夏は暑く冬は寒くなりがちです。そのため、住みづらくなります。
断熱機能を高めることで、冷房で冷やしたり、暖房で温めたりした空気が外に逃げづらくなります。そのため、快適な室内温度を維持できますし、光熱費の節約にも繋がります。また、急激な温度変化によって引き起こるヒートショックの予防にもなりますので、見直しておいて損はないでしょう。
実家で高齢者と同居するならリノベーション時に設備の増設を検討しよう
同居も視野に入れた実家のリノベーションを検討している方もいるのではないでしょうか。同居をするなら、そこで住む家族の人数が増えるため、設備の増設も考えなければなりません。具体的にどのような設備を増設すればいいのか解説していきます。
トイレの増設
忙しい朝はトイレが混雑します。そのため、トイレが少ないと不便さを感じることでしょう。特に女性はトイレにかかる時間が長いため、同居後に女性の数が増えるなら、気を配りたい設備のひとつです。
もし、トイレが住居の中に1つしかなく、家族の人数が10人以上いる場合は検討したほうがいいでしょう。もちろん、トイレの個数が多すぎてもその分住居スペースが小さくなるので、その点も考慮してください。
キッチンの増設
同居をするときはキッチンの数も見直すといいでしょう。例えば、両親と自分の家族の食事をわけるときは、もう1つキッチンを設置すると料理がしやすいです。もし、両親と同じ食事を食べる場合、キッチンのスペースを広くするとお母さんと妻が一緒に料理できる環境を作ることができます。
高齢者と暮らす実家のリノベーションにはいくらかかる?
リノベーションをするときに気になるのが費用。そのため、実際にどのぐらい費用がかかるのか知っておきたいという方も多いでしょう。結論から言えば、どのような設備を入れるのか、何をリノベーションするのかで費用が異なってきます。
大体ざっくりとしたリノベーションの相場は、580万円〜3,600万円ぐらいです。例えば、1箇所手すりを設置するなら、3万円〜10万円かかります。また、耐震診断や耐震リフォームをすると、45万円〜240万円程度必要です。
リノベーションの費用を計算するときは、まずはリノベーションしたい部分や取り入れたい設備をピックアップします。そして、その設備やリノベーションにどのぐらい費用が必要なのか計算して、合計すると実家のリノベーションにかかる費用を算出できるでしょう。
高齢者のための実家リノベーションは減税を受けられる
実は、リノベーションの内容によって減税が受けられることをご存知ですか?優遇制度を受けられるリノベーションは、バリアフリーのためのリノベーション、耐震補強、省エネリフォームなどです。そのため、高齢者が住みやすい実家にリノベーションをする場合、バリアフリーのためのリノベーションに該当するため、減税を受けることができるでしょう。
具体的に何が減税されるのかというと、所得税の控除や固定資産税の減額などです。もし、利用すれば節税対策になるので、優遇制度の利用をおすすめします。
高齢者が安心して快適に過ごせる実家をリノベーションで作りましょう!
高齢者住宅のリノベーションをすることで、親に安心して暮らせる住居を提供することができます。また、住みやすさもアップしますし、災害の対策もできますので、リノベーションをして損はないでしょう。親孝行をするつもりで実家のリノベーション計画を立ててみてはいかがでしょうか。