リノベーションで一軒家に二世帯が住む家(二世帯住宅)のポイント
バブル期に建てられた家も築30年を迎える中、壁のクロス張替えなどの小規模な物からシステムキッチンやユニットバスの入れ替えなどそろそろうちも…と考えている方も多いのではないでしょうか。
結婚をし、子供が生まれ、子供の成長と共に必要な部屋数が変わったり、子供が独立して夫婦だけに戻ったり、はたまた高齢になったご両親と住むことになる方もいらっしゃるでしょう。今回は二世帯の家族で住まう家をリノベーションで作るにはどのようなことがポイントとなってくるのか、事例やアドバイスなどを含めてご紹介いたします。是非ご一読ください。
目次
リノベーションで一軒家を二世帯同居できる住まいへ
二世帯住宅とは、親世帯と子世帯、そしてその子供が同一棟の建物に世帯を別にして住まうことを指します。二世帯住宅には家族の形に合わせ様々な形があり、完全に暮らしを分けてしまうものから、寝室以外は全て共有にしてしまう場合など様々です。また、上下で暮らすパターン、隣接して暮らすパターンも各家庭や土地の大きさなどによっても変わってきます。
結婚後どちらかの実家で暮らす。核家族化が進む中、珍しく思う方もいるかもしれませんが二世帯で住まうのは大きなメリットがあります。
まず、子世帯がご夫婦共働きでなかなか家事や育児が難しい場合、親世帯の手助けによって負担を減らすことが出来ます。親世帯もお孫さんを身近に感じることが出来る点ではとても大きな魅力と言えるでしょう。更に、生活費を削減できることも大きなメリットです。最後に親世代が高齢化した際、体調や生活面で様子を見られることも双方の安心につながるのではないでしょうか。
リノベーションで一軒家を二世帯住宅にする際のポイント
ここではリノベーションの際に優先して考えるべきポイントをご紹介いたします。
リノベーションで一軒家を二世帯住宅にする際のポイント①リビング・ダイニング
二世帯で暮らす場合、まず決めておきたいのがリビングやダイニングを一緒にするのか、別々にするのかという点です。1日3回の食事以外にも家族の団欒スペースであり、寝室の次にリラックスできる場所となっている方も多いことでしょう。
しかし、だからこそ別々にしたほうがいい場合もあります。それは子世帯が夫婦共働きで帰りが遅い場合です。物音を立てて起こしてしまったり、食事の支度を手伝わせてしまったりと気遣ってしまうことも多くなるでしょう。こうなってしまうとリラックススペースとは程遠くなってしまいますね。こういった場合は世帯で別々に分けるほうがおすすめと言えます。
リノベーションで一軒家を二世帯住宅にする際のポイント②キッチン
次に決めておきたいのがキッチンです。リビングを分ける場合でも料理は一緒に行う、道具も一つずつで済むという利点からキッチンは1つだけにするというご家庭も多くいらっしゃいます。このような場合はかならず食卓までの動線をスムーズにしたいところです。
リノベーションで一軒家を二世帯住宅にする際のポイント③浴室・トイレ
浴室やトイレは共有にすることで光熱費や水道料金を大きく節約することが出来ます。しかし、子世帯に子供を多く授かったり、もともとの家族の人数が多かったりすると入浴時間や朝のトイレなど込み合ってしまうなんてことも出てくるでしょう。家族の人数に合わせてバランスよく設置したいものです。
リノベーションで一軒家を二世帯住宅にする際のポイント④玄関
2世帯でも大きく分かれてくるのが玄関です。玄関を一緒にして家の中は行き来が出来るように作る方もいますし、玄関を1階2階に分けて外階段のみで行き来出来るようにするご家族もいらっしゃいます。どちらで作るにあたってもご家族を近くに感じられるのが二世帯の大きな魅力と言えるでしょう。
リノベーションで一軒家を二世帯住宅にする際の主な間取り
二世帯住宅にリノベーションする際、間取りはどのように決めればいいのでしょうか。二世帯の間取りは空間をどこまで共有するかで大きく分けることが出来ます。では、その中で最も多くの方が取り入れている間取りをいくつかご紹介いたします。
完全分離型
キッチンや廊下、玄関までも全ての生活空間を世帯ごとに全て分けるタイプを完全分離型二世帯と言います。一般的には世帯ごとに住むスペースを上下や左右に分けていることがほとんどです。生活スタイルが大きく違う場合や、ある程度のプライバシーを守りたいご家族が選ばれる間取りと言えます。
完全分離型は世帯ごとのプライバシーが守られるというメリットはあるものの、完全に暮らしが分かれている為、生活費用の節約など二世帯の経済的なメリットの恩恵は受けることはできません。むしろ、リノベーション時はコストが割高になってしますので費用面ではデメリットの方が大きいと言えるでしょう。
部分共有型
部分共有型はトイレやキッチン、浴室や玄関など設備の一部を共有する間取りのことを指します。リビング、キッチンや浴室などどこを共有するかは各世帯によって相談しながら決めていくことが出来ます。光熱費や、水道料金の節約などの面を考えると部分共有型の間取りはかなりおすすめの間取りと言えるでしょう
家族の時間を大事にしたいという方はリビングのみを分けたり、水回りが一緒なのは気にしてしまうという方は玄関のみを共有したりと各家庭によって多くの個性が出る間取りです。
完全同居型
玄関、廊下からキッチンや浴室など全ての生活を共有して住まう二世帯のスタイルを完全同居型と言います。大家族でにぎやかに暮らすことが出来、建築時の費用や生活費用などを大幅に節約することが出来ます。
昭和以前は多く取り入れられていましたが、平成以後ライフスタイルの多様化に伴いこのような形で暮らす世帯大幅に減少しています。しかし、人生100年時代と言われる現代だからこそこのような暮らしの形を取り入れていく必要があると言えるでしょう。
リノベーションで一軒家を二世帯住宅にする際気を付けるべき点
1つの家族といえども二世帯となるとお嫁さんやお婿さんなど、嫁いできた方と親世帯が一緒に生活をすることになります。他人同士が一つ屋根の下で暮らすのですから気を付けるべき点も多く存在します。こちらでは二世帯経験者の声から気を付けるべき点と対策方法などについてご紹介いたします。
リノベーションで一軒家を二世帯住宅にする際気を付けるべき点①プライバシーの保護
部分共有型や完全同居型ではプライバシーが完全に守られることはとても難しくなってきます。夜に共有部分でバタバタと動き回るから音が気になる、分けたはずの部屋にまでノックなしで入ってくるなど小さなストレスが溜まっていくという声も少なくありません。
また、そこまでひどくない場合にも人にはあまり話したくない気分の日などもあるでしょう。いつも共有部分を使っているのに自分の気分で避けてしまうと相手に知らずに嫌な思いをさせてしまうことも出てきます。
二世帯リノベーション時の予算など部屋の間取りを選ぶ理由は様々ですが、同居を始める前にはあらかじめ自身の性格や趣味などを家族に伝え同居する上で最低限必要な価値観の擦り合わせをしておくことが必要となってきます。
リノベーションで一軒家を二世帯住宅にする際気を付けるべき点②テレビやオーディオなどの占有
リビングを共有にしている二世帯住宅では、テレビやオーディオの占有が気になってしまうこともあります。年代によって見たいテレビや聞きたいものは様々です。小さな日頃のストレスが大きな問題になってくることも多くあるでしょう。
予め世帯ごとにテレビを用意するなどの工夫が必要となってくるでしょう。
リノベーションで一軒家を二世帯住宅にする際気を付けるべき点③家事の分担
二世帯住宅の大きなメリットともなる家事の分担ですが、気を付けるべきことも多いと言えます。キッチンや洗濯機の使い方は各家庭で変わってきますし、汚れやゴミの処理などは人によっては気になってしまう方も多いのではないでしょうか。
また、子世帯にお子さんがいる場合家事のみでなく子育ても分担となってくる場合があるでしょう。前もっての話し合いだけでなくお互いの気になる点は逐一報告しあえるようにしていけるのが円満の秘訣とも言えます。
リノベーションで一軒家を二世帯住宅にする際気を付けるべき点④ライフスタイル、時間などを報告する
年代、性別、仕事や生まれ持った環境によって生活スタイルは変わってきます。特に気になってしまうのは生活時間ではないでしょうか。玄関や浴室が共用の場合、生活時間が違うと音が響きやすくトラブルの原因になってきます。なるべく寝室などから離すなどの工夫で改善できる点も多いので検討してみましょう。
また、食事の時間が違ってくると臭いが気になるという場合もあります。換気扇の位置や通気口の位置などは設計の際に一緒に考えてもらえる業者さんを選びましょう。
リノベーションで一軒家を二世帯住宅にして家族の顔が見える生活を送ろう
二世帯住宅で気を付けるべき点等参考になりましたでしょうか?核家族化が進み、家族のつながりが薄くなっている現代であえて親世代、子世代が一緒に暮らすことは新たな幸せの形を発見することにつながるかもしれません。もちろんメリットだけでなくデメリットも存在します。しかし、予防できることも沢山ありましたね。トラブルは前もって回避し、素敵な生活につなげてみてはいかがでしょうか。