古家のリノベーションで猫のための暮らし
自由気ままに、マイペースで過ごす猫はペットとしての人気が高く、日本の猫の飼育頭数は約9,650千頭にもなり、犬よりも飼育されています。
お住まいのリノベーションを考える上で、「愛猫に室内でも伸び伸びと動き回り、リラックスして過ごせるような空間を作ってあげたい」と考える方は多いと思います。
さらに、猫の平均寿命は15.32歳と犬よりも長いので猫と一緒に暮らす家を快適にしたいというニーズを持った方も多いのではないでしょうか。
猫を取り巻く環境について、特に近年では、交通事故防止・感染症予防の観点から猫の室内飼育が推奨されているので、住まいのリノベーションを検討している人は猫も人も快適に過ごすことのできる空間づくりをして、愛猫にとって必要な生活環境を整えてあげましょう。
この記事では、猫の習性と猫のためのリノベーションプランについて紹介します。
愛猫のために考えなければならない習性
すでにご存知かもしれませんが、リノベーションをする上で、考えなければならない猫の習性について確認しておきましょう。
猫は基本的に、日光浴が好きです。運動しなくても体温が保てる+ダニの駆逐や殺菌もできるので、日光のあるところでよく日向ぼっこをしていますよね。
ネコ科の習性から、天敵に襲われる可能性が低く、獲物を見つけやすい高いところを好みます。キャットタワーやキャットウォークを設置した方が良いのは、このためです。
さらに、身を隠しやすいという点から狭いところも好きです。入れる隙間や、ぴったり自分が治まれる隙間があると積極的に入っていきます。
とても綺麗好きなのも猫の特質すべき習性の1つです。トイレが汚いと、他の場所で用を足してしまうこともあります。
愛猫のためのリノベーションプラン
先ほども述べましたが、猫は室内飼育が推奨されていますので、猫のためにリノベーションでしてあげられることはとても多いです。
家の中にほとんどいるからこそ、元気に長生きしてもらうためにストレスなく暮らせる空間を作ってあげたいものです。
ここからは猫のためにリノベーションでしてあげられることを「運動不足解消」「生活・習性」「安全管理」の観点から紹介していきます。
運動不足解消
成長期の仔猫はよく遊び、体も日増しに成長していくので、室内飼育であってもたくさん運動をして、エネルギーはどんどん消費されます。しかし年齢を重ねてシニア世代に近づくと、仔猫のような激しい遊びもしなくなり、一日の殆どを寝るか、のんびり寛いで過ごします。
猫も人間と同様、加齢とともに代謝が落ちるので、それにつれて体脂肪も増えていきます。
室内飼いの猫は外へ出ることもなく、室内という安全で快適な環境におかれているので、さらにエネルギーの消費が押さえられ、結果的に肥満になってしまいます。
「のんびりするのもいいですが、少しは運動をして」と心配している飼い主もいるのではないでしょうか。
【キャットウォーク・キャットステップ】
そんな問題を解決するための運動不足解消のためのリノベーションプランは、キャットウォーク・キャットステップ・猫の通路を設置してあげることです。市販されているキャットタワーと違い、リノベーションの段階から家の中に運動する仕組みを取り入れるので、グラつかずに安全面も担保できます。
猫が自由に動き回れるように、行き止まりをなくし、高低差を利用した仕組みを作ってあげられると良いですね。
生活・習慣
猫の生活・習慣は人間が気を使ってあげなければならないことが多々あります。かゆいところに手が届くような愛猫の生活・習慣に関わるリノベーションプランを説明します。
【爪とぎ柱の設置】
猫は爪とぎをしますよね。特に気にいると毎回同じ場所で爪とぎを繰り返すため、壁紙や家具で爪とぎをされて困っているという方も少なくありません。
そんな状況であれば、初めから硬くて安定感のある爪とぎ柱を設置すると良いでしょう。他の場所での爪とぎを防止することができるので安心ですね。
【窓前スペースの拡張】
日光浴が好きな猫のために、窓の前のスペースを広く取り、猫が横になれるようにするプランもあります。猫は窓から外を確認して自分の縄張りを確認するのも大切な仕事の1つなので、外を見る+日光浴できる+お昼寝ができる空間を作ってあげましょう。
【トイレスペース】
猫が綺麗好きなのは前述しましたが、排泄物を隠す習性もあります。人間と一緒で誰かに見られている中では落ち着いてトイレができませんので、猫専用のトイレスペースを人目が気にならないところに設置してあげても良いでしょう。トイレスペースの床のみタイル等に変えれば、お手入れも楽になりますよね。
【水飲み場の設置】
猫専用の水飲み場を作るプランも、猫の生活習慣を考えるリノベーションでは有効ではないでしょうか。猫はあまりとどまっている水を飲みません。新鮮な水が飲める専用スペースを設置することで、水飲みボウル等を床面に置くことが避けられますし、掃除も手間がかかりません。
【クロスの工夫】
壁紙(クロス)にも工夫ができます。人の腰の高さの「見切り」部分で上下にクロスの性能を変えることで、猫がよく使う下半分のクロスのみ張り替えることができます。壁紙は汚れてしまう可能性があり、頻繁に張り替えるので下半分のみならばコストを大幅に抑えることができます。
安全管理
ここからは安全管理の観点から見たリノベーションプランです。
【間仕切りの設置】
猫は室内を積極的に動き回るため、危険が多いキッチンや水回りへ立ち入ってきたりすることがあります。「ここには入って欲しくないよ」ということをはっきりと伝えるために、ライトスルースクリーンなどの間仕切りを設置するのも良いかと思います。
【収納を隠す】
食器やゴミ箱、様々な収納で猫は遊んでしまいます。それも好奇心旺盛な猫の習性からしたら、しょうがないことですよね。
そこで、キッチン等にはゴミ箱それ自体を収納できるようなスペースを設けた方が良いでしょう。イタズラや事故を防ぐために「猫には開けられない」ところに置くのがポイントです。
【ペットドアと出入口周り】
お家の扉に室内用のペットドアを設置するのも1つのプランです。猫専用ドアをつけるので、万一飼い主が家を不在にするときには、部屋間の移動を制限することができますし、家のお掃除の時にも「ちょっとこの部屋で待っててね」というように他のスペースへ猫を誘導することもできます。
それと同様に玄関には格子戸を設置して、猫が勢い余って外に飛び出さないようにしても良いでしょう。さらに、勢いよくドアが開閉するのを防ぐドアクローザーの設置・ブラインドシャッターの設置なども猫の安全管理の面では大切です。
【カーテンボックス】
カーテンレールは猫の格好の遊び場になってしまいます。身軽な猫の場合、棚やカーテンレールを利用してエアコンの上に上がってしまい、そこから大ジャンプ!というようなことも考えられます。カーテンレールが外に出ているタイプのお家は、レールを天井に埋め込まれているカーテンボックスに変更するなどして対策しましょう。
猫の身体能力は高いのですが、人間と一緒に暮らすとなると、お互いの不便が出てしまうこともあるので、リノベーションの力を借りて、猫に合わせた安全対策をすることが大切ですね。
古家リノベーションで、猫と住みやすく暮らそう
リノベーションをして愛猫とより良い暮らしを実現させたい方に向けて、3つの観点からリノベーションプランを紹介しました。
大事な家族でもある愛猫と一緒に暮らすのであれば、彼らのこともしっかり頭に入れてリノベーションを検討すべきですよね。
自由気ままに、人間のことを気にせず、のんびり過ごしている猫。私たちをたくさん癒してくれる分、愛猫にはできれば長生きして欲しいですよね。
猫の習性・行動から考え、リノベーションで解決できる問題はたくさんありました。あなたも猫との理想の家を実現してみませんか。