アパートメントのリノベーションは出来るの?注意点や費用をご紹介
アパートメント住まいだからと、リノベーションを避けてしまってはいませんか。また最近では、リフォームではなくリノベーション済みのマンションが売り出されていることも多く、魅力的なアパートメントが手に入ることもあります。
しかし、アパートメントをリノベーションするのであれば、注意しなければならない点があるのも事実です。
今回は、アパートメントのリノベーション相場や、注意点などを紹介します。
目次
アパートメントのリノベーションとは
リノベーションとは、住宅の大がかりな改修工事を指すものです。近い言葉にリフォームというものがありますが、リフォームは一部の工事にとどまる狭い工事であるため、リノベーションとリフォームは厳密には分類されて使われています。
しかし最近では、リノベーション規模でもリフォームと呼ばれることもあり、線引きがあいまいになっているのも事実です。
簡単に言ってしまえば、「リフォームの大型版がリノベーション」ということになります。
アパートメントでもリノベーション出来るのか
結論から言ってしまうと、アパートメントでもリノベーションは可能です。
当然、いま住んでいるアパートメントでも、これから購入しようとするアパートメントでも、リノベーションは可能と言えます。しかしアパートメントのリノベーションでは、戸建て住宅のリノベーションよりできることが限られてしまいます。
また、リノベーション済みで販売されているアパートメントは別ですが、リノベーションを行いたいのであれば、アパートメントの管理組合の許可を得ないとリノベーションができません。これは分譲の宿命であり、騒音や振動、荷物の出し入れなどでほかの入居者に迷惑がかかるためです。
もちろん、リノベーションは分譲だからできるのであり、賃貸マンションの場合には管理組合だけでなく貸主(大家)の許可ももらわねばならないため、ほとんどの場合にリノベーションの許可はもらえないでしょう。
アパートメントでリノベーションできる場所とできない場所
リノベーションの許可を得たアパートメントの中でも、リノベーションできる場所とできない場所が存在しています。
どのようなスペースでリノベーションができないのか、しっかりと把握してリノベーション計画の参考にしてください。
アパートメントでリノベーションできる場所とできない場所①部屋の中は基本的にリノベーション可能
ドアを開けて家の中に入ってしまえば、アパートメントでもリノベーションはほとんどの場合に可能です。
その理由は「専有スペース」だからです。自分の所有するスペースですので、間取りを変えるリノベーションも比較的自由にできます。
アパートメントでリノベーションできる場所とできない場所②共有スペースはリノベーション不可能
家の外にある廊下やエレベーター周り、オートロック部分など、共有スペースはリノベーションが不可能です。
その理由は、専有スペースとは対極的に、自分の所有するスペースではないからです。確かに管理費や修繕費などで負担している部分ではありますが、マンション住民全体で行っているものです。
つまり、アパートメントに住んでいる人たち共有の財産ですので、勝手なリノベーションは不可能なのです。
アパートメントのリノベーション相場は?
アパートメントのリノベーション相場は、1㎡あたり10万円~15万円程度です。仮に80㎡のアパートメントをリノベーションしたならば、800万円~1,200万円程度という計算になります。
これはあくまでも目安であり、水回りの場所を変更したり、高価なシステムキッチンを設置したりしたのであれば、費用は多くかかってしまいます。
アパートメントのリノベーションを安く抑えるコツ
アパートメントのリノベーションを安く抑えるコツとして、「どのようなリノベーションをしたいのか」また「予算」を明確にすることが挙げられます。
なぜ大切かというと、リノベーション業者に話を聞いてもらっても、どのようなイメージでなにをどうしたいのか明確なことが自分の中でまとまっていないと、見積もりを正確に出してもらうことができません。
また予算も伝えておかないと、やりたいことをやってもらおうとした結果、大幅な予算オーバーに驚いてしまうこともあるでしょう。
例えば、「予算は1,000万円、寝室と子ども部屋を1部屋にして大きな寝室へ、リビング横の部屋をなくして広いリビングに」などと、リノベーションの目標を明確にしておくのです。
するとリノベーション業者は、それに合わせて見積もりを出しやすくなりますし、予算オーバーであれば、「予算オーバーなので、ここを削るのはどうか」といったアドバイスもしやすくなり、話がスムーズに進みやすくなります。
見積もりを出してもらえれば、リノベーション業者数社と比較し、一番安い業者に依頼しやすくなります。このように、リノベーション費用を抑えたいのであれば、予算とやりたいことを明確にしておくことが大切と言えるのです。
アパートメントのリノベーションで注意するポイント
アパートメントのリノベーションには注意しなければならない点が存在します。
ここでは、アパートメントのリノベーションでは、どのようなポイントに注意が必要のなのか解説します。
アパートメントのリノベーションで注意するポイント①管理組合の許可を得る必要性がある
先にも述べたとおり、アパートメントのリノベーションでは管理組合の許可を得なければなりません。
騒音や場合によっては塗料の臭い、資材の搬入など、住民へ与える被害が戸建て住宅とは比較にならないほど伝わりやすくなってしまいますので、住人から理解を得る必要があります。
リノベーションをする際には、基本的に工事の1か月前には管理組合へ書類の申請をして、工事の承認を得ねばなりません。またリノベーション業者が使う駐車スペースも、独断で共有スペースを使うことは許されず、管理組合の許可を得ねばなりません。
アパートメントのリノベーションで注意するポイント②家の中なのに専有スペースではない場所がある
実は、扉を開けて家の中に入っても、専有スペースにならない場所があります。それが、天井や床、壁の内側にあるマンション本体、躯体と呼ばれる部分です。躯体は共有スペース扱いとなるため、管理組合の許可が下りない可能性があります。
とくに管理規約にその旨の記載がなければ拒否する理由は見当たりませんが、別紙に不許可とする旨が記載されていることもあるため、あらかじめ確認しておくことが大切です。
また見落としがちな点として、自室の窓や窓枠も共有スペース扱いです。そのため、リノベーション時、あとから勝手に変更することができないことにも注意が必要となります。
アパートメントのリノベーションで注意するポイント③近隣住民に挨拶をしておく
上下階に住む方や、同じ階に住んでいる方にだけでも本人が挨拶して回っておくと、同じリノベーションで迷惑をかけてしまっても心証が違うでしょう。
リノベーション内容にもよりますが、少なくとも数週間単位で迷惑をかけてしまうことになります。管理組合の許可が下りたとはいえ、ある日突然これからリノベーションしますと業者から一方的な通知があり騒音や振動で被害があれば、逆の立場になったら心証は良くないでしょう。
そのため、あらかじめ工期が決まったのであれば、リノベーションする部屋の上下階に住む方と同じ階に住んでいる方くらいには、本人が直接挨拶して回っておいた方が、理解も得られやすく、話もスムーズに通るのです。
その際には、あっても困らない洗剤やせっけんなど、決して高くないもので結構なので、品物とともに理解を得られるよう、挨拶して回っておくといいでしょう。
アパートメントのリノベーションはルールさえ守ればしっかりと出来ます
戸建て住宅と比べて制約が多いアパートメントのリノベーションですが、アパートメントの管理規約がよほど厳しくないかぎりは、満足のいくリノベーションは可能です。しかし、専有スペースと共有スペースの扱いがアパートメントによって異なる場合があるため、あらかじめ管理規約をよく確認しておくことが大切と言えます。
管理規約を確認できれば、どうしてもできないリノベーションは、見積もり段階でリノベーション業者も施工は難しいだろうと、別案を提示してくれることでしょう。
すでにリノベーション済み住宅として販売しているアパートメントにお住まいであれば、同等のリノベーションは認められると考えられますので、不動産の販売サイトでも自分のアパートメントを検索してみると、より簡単にイメージをつかめると言えます。