スケルトンリノベーションにかかる工期は?メリットやデメリットも合わせてご紹介
お住まいのリノベーションを検討している方はスケルトンリノベーションという言葉を耳にしたことがあることでしょう。
間取りも含めてご自宅を改装したいというニーズがある方は、スケルトンリノベーションという手段を選択すると思いますが、具体的な内容についてよく知っているという方は少ないのではないでしょうか。
この記事では、スケルトンリノベーションについての基本的な事項と、スケルトンリノベーションを選択したら、どれほどの工期が想定されるのかを説明していきます。是非ご参考にしてみてください。
目次
スケルトンリノベーションとは?
リノベーションにおける「スケルトン」という言葉は、「建物の骨組みそのものにする」という意味を持っています。
具体的には、住宅の設備・内装や間仕切り壁などを全部取り払い、建物の骨組みとなる構造体そのものになった状態のことを指します。マンションのような集合住宅の場合、天井・床・壁すべてむき出しのコンクリートに囲まれた状態にすることも「スケルトン」と言います。
また、建物を一度スケルトンの状態にしてリノベーションすることは「フルリノベーション」と呼ばれています。
つまりスケルトンリノベーションとは、フルリノベーションと同じ意味をもち、一部分だけリノベーションをする、「部分リノベーション」とは「骨組みにする」という意味において真逆と言えるでしょう。
スケルトンリノベーションのメリットは?
こちらでは、一度スケルトンにしてからリノベーションすることの利点を説明します。部分ごとリフォームとの違いなども一緒に確認していきましょう。
スケルトンリノベーションのメリット①自由度が高い
外壁・梁などの建物の構造上動かすことのできない構造体と共有部分を除いて、すべてを一新することができるので、リノベーションの自由度が高いのがスケルトンフルリノベーションのメリットといえるでしょう。
お住まいの間取りを変更したいというニーズや、内装を変更したいというニーズに応えられるという点は「自由度が高い」リノベーションであると言えます。
例えば、出産を機にご家族が増えた場合や、ペットを飼い始める場合などに、現在の間取りや内装では利便性・デザイン性の面でお住まいが住みづらくなってきたということも考えられますよね。さらに、現在のお家は家族とその時間経過の度合いによっては使いづらくなることもあるでしょう。
そんなときに、広々とした団欒のスペースを作るために和室とリビングをつなげたり、大きくなった子どものために子供部屋を作ったり、ということを実現できるのはスケルトンリノベーションの魅力の1つですよね。
今までのお住まいを自分の理想の間取りに改装できるというのは大きなメリットではないでしょうか。それに加えて、中古物件を購入する場合は、同条件の新築物件と比較してコストの面では有利なこともリノベーションのメリットです。
スケルトンリノベーションのメリット②老朽化に対応できる
年月とともにお住まいの配管・配線も老朽化します。配管・配線の老朽化はそのまま水漏れや漏電といったトラブルに直結するだけでなく、快適な生活の障壁になり得ます。そんな配管・配線をのみ後から改修するのは大変難しく、コストもかさみます。
スケルトンリノベーションは配管・配線においてもリノベーションすることができるので、老朽化に対応できると言えますね。老朽化しているであろう「目に見えない部分」も含めて真新しくできるのは、リノベーションを行なう大きなメリットと言えるでしょう。
スケルトンリノベーションのメリット③建物の構造上の設備を向上
建物をスケルトンリノベーションする際、壁の内側に様々な設備を入れることで目に見えなくとも家の設備をアップグレードすることが出来ます。例えば断熱材を入れることで部屋の温度を保つことが出来ますし、床暖房などをとりこめば冬でも暖かい家にすることが可能です。
その他にも、全ての部屋にLAN配線を通したり、ホームシアターの設備を壁に埋め込むことが出来ます。 各箇所の細かいリフォームなどと違い家全体を一気に向上できるのはスケルトンリノベーションならではの魅力ともいえるでしょう。
スケルトンリノベーションのデメリットは?
では次に、スケルトンリノベーションのデメリットについて見ていきましょう。
スケルトンリノベーションのデメリット①コスト・時間がかかる
スケルトンリノベーションは部分リノベーションと比べて、施工コストがかかります。言うまでもなく、お住まいの状態を「スケルトン」にするわけですから、解体や解体に伴って出るゴミを処分するための費用等、簡単な部分リノベーションと比べてコストは跳ね上がります。
さらに、リノベーションに合わせて家具等を刷新する場合もコストがかかりますので、真新しいお住まいを実現するまでにいくらくらいかかるのか見積もっておいた方が良いでしょう。
加えて、お住まい全体に関わるリノベーションになりますので、工期が長くかかります。その間の仮の住まいや(中古物件を購入後すぐリノベーションも含めて)家族のイベントごとを考えると、入念な準備が必要になることが想定されますね。
手順と工期に関しては詳しく後述します。
スケルトンリノベーションのデメリット②思わぬ物件の瑕疵が見つかる
リノベーションを進めていく過程で、お住まいに思わぬ瑕疵が見つかることもあります。「瑕疵」(かし)とは、通常、一般的には備わっているにもかかわらず本来あるべき機能・品質・性能・状態が備わっていないことを指します。
たとえば、水回りには問題がないと考えていたのに、いざ壁を剥がして見たら配管周りに重大な欠陥が見つかったりすることです。
この場合、当初に想定していたよりも、補修工事にコストがかかることも考えられます。
スケルトンリノベーションのデメリット③建物の構造上できないことがある
リノベーションをする際に構造体(耐震や耐久性などの構造上必要な柱や梁)が密接に関わってきますので、希望すれば何でもできるわけではありません。
理想の間取りやお部屋を作りたいのに、建物の構造上あきらめなくてはならないこともあります。そのため、スケルトンリノベーションをする前に建築士との事前調査でしっかりとした説明を受けることをお勧めします。
スケルトンリノベーションの手順
ここでは、リノベーションの手順を具体的にご紹介します。興味があるけど何から始めたらいいのかとお困りの方や次はどんなことをする必要があるのか確認したい方はぜひご確認ください。
①リノベーション業者を選ぶ
より良い業者を選べるように、施工実績や費用、アフターサービスの充実度などをもとに複数の選択肢から良さそうな業者を選びましょう。
②リノベーション業者と契約する
現在のお住まいの不便な点やリノベーションの要望を業者にお伝えして、相談をしましょう。住まいの点検や診断を事前調査した上で、リノベーションプランを作成してもらい、そのプランを話し合いながら修正したりして、見積もりを出してもらいましょう。
③工事スケジュールを組む→着工
工事着工前に、プラン・仕様等について最後の確認が終わったら、工事スケジュールを組んでいよいよリノベーション工事がはじまります。
④竣工調査・立会い・引渡し
工事の最中でも、進み具合を確認したり、細かい部分を確認し、希望通りの施工ができているかどうか立会いして確認しましょう。晴れて完成後引き渡しになります。
⑤アフターサービス
アフターサービスが充実している業者もたくさんありますので、引渡し後、何か不具合があったら業者にアフターサービスをお願いをしましょう。
※中古住宅を購入してのリノベーションの場合は、「中古住宅の選択」「中古住宅の契約」を最初に行います。
スケルトンリノベーションの工期
スケルトンリノベーションの工期は部分リノベーションよりも長くかかります。もちろん建物により工期はケースバイケースですが、一般的な工期について説明します。
一度、住宅の設備・内装や間仕切り壁などを全部取り払い、建物を骨組みそのものにしますので、解体工事から仕上げ工事に至るまで、最短でも2ヶ月ほどの時間がかかります。
上記のリノベーションを計画してプランニングの時間を加味すると、おおよそ3から5ヶ月程度の時間が必要になりますので、しっかり計画をしましょう。
スケルトンリノベーションは工期が長くかかるけど仕上がりは新築同様
建物を一度スケルトンの状態にしてリノベーションするには想像していたよりも時間がかかります。リノベーションを検討している方は、業者を選ぶ前に細かい間取りやキッチンなどの設備について決めておくと、スムーズにプランニングができ、工事の着工に進めますので、ご家族で理想の住まいについて細かく考えてみるのもいいかもしれませんね。