水回り修繕リノベーションの注意点!コツや予算をご紹介
リノベーションを機に、水回りも移動させたり、新しい製品を取り付けたり、いろいろなイメージを持っている方もいることでしょう。しかし、水回りを修繕するのであれば、意外と注意点が多いのです。
注意するポイントは、戸建て住宅とマンションで異なる部分もありますが、思ったとおりの修繕ができない可能性があることも念頭に置かねばなりません。
今回は、水回りを修繕する際の注意点や、予算を解説します。
目次
水回りの修繕リノベーションとは
水回りの修繕リノベーションとは、キッチンやお風呂、トイレなど、水を扱う場所のリノベーションを指します。
上下水道を完備せねばならず、リノベーションはもちろんリフォームも行わないのであれば、設備の交換はできても「場所の移動ができない」ものです。
例えば、サイズが同じであるユニットバスと既存のユニットバスを交換する工事はできたとしても、お風呂場の位置が気に入らないからと、いまは使っていない子ども部屋に設置してもらおうとしても、物理的に設置が不可能です。
そのような場合に水回りのリノベーションやリフォームを行い、上下水道を確保できるようであれば、晴れて移設工事が可能というものになっています。
また、「水回りのみ」をきれいにする工事は、リノベーション(リフォーム)業者でも多くが「水回りのリフォーム」と呼んでいるため、リノベーションとは似て非なるものです。今回は「リノベーション」について解説するため、このあとも「水回り以外」にも手を加える工事を前提に話を進めていきます。
水回り修繕リノベーションの注意点・戸建編
戸建て住宅において、水回りの修繕で注意するポイントは、このあとに紹介するマンションに比べて少なくなっています。
しかし、戸建ての水回りをリノベーションするにあたっても、注意しなければならない点があるので、理解を深めておきましょう。
水回り修繕リノベーションの注意点・戸建編①水回りの位置変更は大がかりな工事も覚悟する
水回りの修繕リノベーションをするにあたり、位置の変更を希望するのであれば、大がかりな配管工事も覚悟せねばなりません。
その理由は簡単で、上下水道の配管を設置し直す必要も出てくるからです。先にも述べた例だと、現在子ども部屋として使われている部屋には上下水道の配管が通っておらず、配管を設置し直さねばなりません。
現在配管が子ども部屋の真下を通っているのであれば、比較的小規模な工事で済みますが、子ども部屋とは全然違う方向に配管が伸びているのであれば、大がかりな配管工事を覚悟しなければならないということです。
配管の状態によっては、工期や規模に大きな差が出てしまうことに注意が必要です。
水回りの修繕リノベーションの注意点・戸建編②既存設備が流用できない場合がある
修繕リノベーションする際に、水回りの既存設備を新規に購入せず、節約のために流用する場合もありますが、設置を希望する場所によっては流用できない場合があります。
例えば、横幅2,500mmのシステムキッチンを利用しており、設置希望をする先の寸法が幅足らずになると、物理的に設置は不可能です。この場合には、リノベーション設計の見直し、もしくはシステムキッチンを設置希望先の寸法に合わせたものに買い替える必要があります。
よくサイズを確認して設計を行わないと、思わぬところでつまずいてしまうため、注意しなければなりません。
水回りの修繕リノベーションの注意点・マンション編
マンションで水回りを修繕リノベーションする際に注意するポイントは、戸建て住宅よりも厳しくなってきます。
ですが、水回りを含めたリノベーションが不可能というわけではないため、注意点を考慮しながら、リノベーションの計画を立てるといいでしょう。
水回り修繕リノベーションの注意点・マンション編 ①水回りのリノベーションが思ったとおりできないことも多い
マンションでは、水回りのリノベーションに制限が多く、思ったとおりのリノベーションができないことも多いです。
その理由として、上下水道の配管をマンションでは自由に移動させることができないからです。戸建て住宅ならば、配管そのものを移動させることで解決できますが、マンションでは、配管を伸ばす工事をし、水の流れを考えて傾斜をつけねばならないため、リノベーションの制約が生じやすくなってしまいます。
フラットな床でバリアフリーにも対応しようとしたのに、水の流れを確保するためには、どうしても段差が必要、ということもあるため、注意が必要です。
水回りの修繕リノベーションの注意点・マンション編 ②キッチンの移動は大規模なリノベーションになる
キッチンを移動させる必要がある場合、大規模なリノベーションを覚悟する必要があります。
その理由として、換気扇に使われるダクトが、上下水道の配管とは比べものにならないほど太いため、水回りだけの工事では済まず、排気を正常に行えるポイントを探す必要が出てくるのです。
マンションの共有スペースとなるはりや外壁など、勝手に穴開け工事をすることは許されず、管理組合の許可が下りることも少ない状況になっています。そのため、キッチンの移動はダクトの状態も見えるほど、ほぼすべての部屋を一度取り除く大規模なリノベーションが必要となる点に注意が必要です。
水回り修繕リノベーションの注意点・マンション編 ③水回りのリフォームとは厳密には別物
リノベーションとリフォームが別物であるのと同様、水回りのリノベーションは水回りのリノベーションを売りにしているサービスとは別物です。ですが、この言葉の違いには注意するポイントがあります。
リノベーションは大幅な改修のことを指しますが、リフォームはリノベーションよりも小規模な改修のことを指します。しかし、最近ではリノベーションとリフォームを同義語として利用しているケースがあるのも忘れてはなりません。
水回りのリフォームと水回りのリノベーションは厳密には別物ですが、ほぼ同じ意味合いで使われているケースもあり、リフォームと名がついているのに実質的にはリノベーション規模で改修を行えば、費用が高くなってきます。
そのため、マンション向けには特に多い「水回りのリフォーム」を売りにしているサービスを利用する場合には、それが「リノベーション」なのか「リフォーム」程度なのか、内容をよく確認する必要があるのです。
水回りの修繕リノベーションの失敗しないコツ
水回りのリノベーションを行う場合の注意点は複数ありましたが、失敗しないためのコツを知っておけば、より怖くなくなります。
ここでは、戸建てでもマンションでも使える、水回りのリノベーションに備え、失敗しないためのコツを解説します。
水回りの修繕リノベーションで失敗しないコツ①目的を明確にする
修繕リノベーションを失敗しないためには、目的を明確にすることが大切です。
水回りのリノベーションを「どのような目的を持って」したいのか、明確な構想を出すことで、のちのち「ああしたかった」「ああすればよかった」といった後悔をしなくなります。
水回りの修繕リノベーションで失敗しないコツ②予算を明確にする
修繕リノベーションするための予算は、いくらでも出せるわけがありません。予算を明確にして、いくらまでなら出せるのか、決めておくことが大切です。
見積もりを出してもらう際にもかかわりますが、予算に合わせて妥協するラインやグレードを高くしてもいいものが選べるため、いくらまでなら出せるのかを決めておきましょう。
水回りの修繕リノベーションの費用の注意点
水回りの修繕リノベーションに必要な予算は、おおよそ100万円~400万円程度です。ただし、この予算は水回りのみの費用であることと、使いたいシステムキッチンや浴槽などのグレードによって大きく変わることを把握しておきましょう。
安いグレードのものでそろえればリノベーション費用は安くなりますが、高級なグレードのものでそろえていくと、費用は高額になりがちです。予算に合わせて、妥協できるラインを考えておくといいでしょう。
修繕リノベーションとして、家全体を改修するときには、水回りも含めた金額となるため、予算はさらに高くなることは忘れてはなりません。
水回りの修繕リノベーションは注意点さえ抑えればスムーズに進む
水回りの修繕リノベーションは、完成予想図を自分の中でまとめ、どのような目的でリノベーションするのか把握しておくと進めやすいです。またマンションの場合には、できないことも増えてくるため、「妥協ライン」も決めておくと、よりスムーズにリノベーションができるでしょう。
単純にリフォームレベルである「水回りだけ」の工事をするのであれば安く見えますが、リノベーションと呼ばれる「家全体」の工事をするときには一千万円を超える費用がかかることも珍しくないため、リフォームローンの利用を考えるのもひとつの手です。
もしマンションの水回りの修繕リノベーションを考えているのであれば、管理組合の許可が必要となりますので、リノベーションの目的を明確にするとともに、管理規約にもしっかりと目を通しておきましょう。