豆知識

不用品回収

孤独死の不用品処分と特殊清掃費用について

日本社会の高齢化が叫ばれて久しいですが、2016年(平成28年)の内閣府の調査では、65歳以上の高齢者人口は3,459万人にのぼり(高齢化率27.3%)、2025年には高齢化率は30%を突破し、さらに増加すると推計されています。
高齢化が進むと様々な問題が発生しますが、その中に、家族との繋がりが薄れたお年寄りが一人で死を迎えてしまう「孤独死」があります。
肉親と離れて暮らしている場合、たった数日連絡を取らなかっただけで孤独死が起きたり、また、部屋を貸す大家・貸主として孤独死に遭遇してしまうこともあります。
そのように突然にやってくる孤独死について、ここでは不用品処分と特殊清掃費用についてご紹介したいと思います。
参考資料:内閣府

1人で誰にも看取られることなく亡くなる「孤独死」

孤独死とは、一人暮らしの人が、疾病や事故により他の誰にも気が付かれずに亡くなることを言います。
「孤立死」という言葉を使うこともあり、基本的に部屋の中で亡くなっている状況に対して使われます。
その数は、2011年のニッセイ基礎研究所調べでは年間推計約2万7000人、2016年の読売新聞調べでは東京23区と19道県で約1万7000人(単純な全国推計約4万6000人)となり、多くの方々が1人で亡くなっている状況が増えていることが分かります。
孤独死は若年層にも起こりうることですが、基本的には、普段から家族や隣人などと社会的な繋がりをもたない「社会的孤立」した高齢者に最も起きやすい事例となります。
参考:ニッセイ

孤独死を発見したら

上記のように、孤独死は身近にあります。
もしかしたら、孤独死の発見者になることもあるかもしれません。
その時、どのように対処したらいいのでしょうか。
まず、変な臭い(腐敗臭)がしたら大家さんや管理会社に連絡して部屋の中の状況を確認して、そのあと警察と親族に連絡を入れます。
警察の方が到着したら、現場検証が始まり終わるまで中に入ることはできなくなります。
発見時の状況を聞かれたら、覚えている範囲で説明するようにしましょう。

孤独死の不用品処分をする際の注意点

孤独死した住人が残した遺品(不用品)はどのように処分したらいいのでしょうか?
故人の思い出の品は親族が大事に引き取るものですが、それ以外の家電や家具、生活用品などは一度にまとめて処分するのが良いでしょう。
その点、遺品整理や不用品回収の専門業者ならひとまとめに不用品を引き取ってくれて、買い取りもしてくれるので便利です。
注意しなければいけないのは、葬儀や片付けなどで忙しくしている所で、質の高くない業者に頼んでしまうケースです。
不用品処分で処分費用や買い取り費用、出張費用など、細かい請求がプラスされ、高額請求されることがあるので注意して下さい。
業者に依頼する場合は、明朗会計であるかどうか、見積もりをしっかりしてくれるかどうかが重要です。

孤独死の特殊清掃とはどのようなもの?

誰とも連絡を取らない人が自宅で1人で亡くなると、現場の状況は悲惨なケースになることが多くなります。
誰も気が付かないので、亡くなってから数日、時には数ヶ月も放置されることになります。
すると、腐敗した遺体や遺体から流れ出た体液などで腐敗臭・異臭の漂う部屋になってしまいます。
そして床には体液で大きなシミができ、時には床を通り抜けて階下の天井などに影響を及ぼすこともあります。
そこで必要となるのが「特殊清掃」です。
特殊清掃を行う業者は、臭いや細菌、感染症などのリスクなどから身を護るための防護服とグローブ、ガスマスクで身を包み、清掃作業を行います。
部屋の清掃は、通常の清掃・ハウスクリーニング業者の作業内容とは大きく異なります。
例えば、体液が染み付いた壁を削り落としたり、次亜塩素酸水を散布して強力に除菌したり、畳や壁紙は全て剥がしたり、オゾン脱臭機で脱臭したり、蛆虫やハエなどの害虫駆除・対策も行います。
“特殊”の名前通り、高度で専門的な作業になるのです。

孤独死の特殊清掃の費用はどれくらいするものなのか?

特殊清掃の費用の相場は、作業内容や業者の価格設定によって異なります。
・業者A:清掃・消毒・消臭のセットで約8万円
・業者B:除菌1万円・オゾン脱臭3万円・人件費2万円/1名
・業者C:室内清掃2万円、消毒・消臭3万円・害虫駆除2万円
といった価格になっており、合計すると6~8万円が特殊清掃の料金の基本的な相場となっています。
なお、特殊清掃後は、部屋を再び人が住める状態にするために、リフォーム費用がかかったり、原状回復費用がかかることが多くなります。
しかし、相場といえども状況によってはそれ以上にかかることもあります。
特殊清掃業者はその現場を見て、金額を決めることが多いのです。

不用品処分と特殊清掃を同時に依頼できる業者はあるか?

特殊清掃業者には、不用品処分や遺品整理も請け負っているところが多いです。
特殊清掃と不用品処分を別の業者に頼むと、それぞれに時間を割くことにもなり、割高になってしまうこともあります。
そういった手間を省くためにも、同時に行ってくれる業者を探して見積もりを出してもらいましょう。
ただし、粗大ごみになると地域ごとに対応が異なる可能性もあり、追加料金が発生することもあるのでよく確認することをおすすめします。
以上が孤独死の不用品処分と特殊清掃費用についてです。
孤独死の場合は、通常の清掃業者ではなく、より専門性の高いプロに依頼するのがベストだということがわかっていただけたと思います。
当然の孤独死で混乱はあるとは思いますが、そのような時こそ、冷静に相場や対応、見積もりの料金などを比較し、良い業者を見つけて頼って下さい。