粗大ごみシールの買い方・料金・申し込み先をプロがやさしく解説
いらなくなったタンスや空気清浄機を捨てるには粗大ごみシールが必要らしいけど、
・どこで購入したらいいかわからない
・いくら分買ったらいいかわからない
・そもそも粗大ゴミを捨てたことがなくて不安…
粗大ゴミを捨てる機会は多い方でも1年に1回程度しかないため、分からないことや不安になって当然です。粗大ごみを捨てるには決められた手順と料金が必要で、自治体ごとに決められています。
全国で粗大ごみの捨て方をリサーチし続けているプロが粗大ゴミシールの買い方や申し込み方、注意点をやさしくご紹介します。
【監修】遺品整理士協会認定 遺品整理士
片山 万紀子
祖父の遺品整理をきっかけに遺品整理や不用品回収に興味を持ち、遺品整理士協会認定・遺品整理士の資格を取得。ReLIFE(リライフ)のディレクターをする傍ら、年間600件以上の遺品整理に携わる。遺品整理を通して「ありがとう」という言葉をいただけることを仕事のやりがいとしています。
粗大ごみシールの買い方
粗大ごみシールの購入方法は自治体によって定められており、粗大ごみシールを導入している自治体の8割以上では同じルールで販売されています。自治体によっては粗大ごみシールを「粗大ごみ処理券」「粗大ごみ証紙 」などと呼ぶ場合もありますが、いずれも同じ意味で処理券の裏側がシール状になっています。
粗大ごみシールをスムーズに購入するために、以下の流れをおさえておきましょう。
料金を調べる
粗大ごみシールを購入する前に、粗大ごみで出す品目の処分にはいくらの料金がかかるのか、処理費用を調べておきます。
処理にかかる金額分の粗大ごみシールを購入することで、所定の粗大ごみ費用を納付したとみなされるからです。粗大ごみシール取扱店の店員さんに尋ねても、どのごみにいくらかかるのかを把握できていないケースも多いです。
そのため、購入前にあらかじめ料金を調べておかなければなりません。
処分手数料の調べ方
1.粗大ごみの料金は自治体ホームページを検索する
2.役所の担当課に電話で問い合わせる
3.地域ごとに配られる「粗大ごみのガイドブック」を確認する
自治体ホームページやガイドブックを調べるときは、粗大ごみの処分料金一覧ページを見て自分の捨てたい品目を探しましょう。一覧表を見ても「要問合せ」と表記されていたり、タンスなどでサイズを判断しかねたりする場合には、役所の担当課へ電話で問い合わせる必要があります。
品目別・目安料金表
ダイニングテーブル | 500円〜 |
学習机 | 1000円〜 |
いす(1脚) | 200円〜 |
ベッド(シングルサイズ) | 800円〜 |
ベッド(ダブルサイズ) | 1600円〜 |
マットレス(シングル) | 600円〜 |
マットレス(ダブルサイズ) | 1200円〜 |
テレビ台 | 500円〜 |
敷物(カーペット、ホットカーペット)
4.5畳以上 |
500円〜 |
タンス(腰丈) | 1000円〜 |
タンス(背丈) | 1500円〜 |
ソファー(2人掛け) | 1000円〜 |
自転車(大人用) | 500円〜 |
仏壇 | 1000円〜 |
粗大ごみの料金は全国一律ではなく、自治体ごとに定められているので自分の自治体での料金を必ず確認しましょう。安い自治体では、「粗大ごみの処分料金は一律200円」というケースもあります。
粗大ごみシールの販売店
粗大ごみシールは、自治体から取り扱いを許可された販売店でのみ販売されています。
粗大ごみシールを売っているお店では、店頭に「粗大ごみシール取扱店」の張り紙が掲示されているので参考にしましょう。自治体のホームページ や担当課への問い合わせで、粗大ごみシールの販売店を調べることが可能です。また、役所の担当窓口でしか販売されていないケースもあります。
よくある販売店
・コンビニ
(ローソン、ミニストップ、セブンイレブン、ファミリーマート、デイリーヤマザキなど)
・スーパー
・ドラッグストア
・個人商店
粗大ごみシールの購入
粗大ごみシールを買うときは販売店の店員さんに「粗大ごみシールを購入したい」と伝えると、用意してもらえます。粗大ごみシールは切手や図書券などの金券と同じ扱いになるため、カウンターの奥で保管されているのです。
「600円分」や「200円の処理券を3枚」など、事前に調べておいた必要料金を店員にはっきり伝えましょう。コンビニの店員のなかには外国人留学生も増えており、粗大ごみの処分に関する知識が乏しい店員もいるため、スムーズに購入するには分かりやすく伝えてあげることが大切です。
粗大ごみシールが必要ないケース
一見すると「粗大ごみかも?」と思うような品目でも、実際には粗大ごみではなくシールが不要なケースもあります。捨てたい品目のごみ処理の区分を、あらかじめ確認しておきましょう。
また、大きな棚をのこぎりで切断するなど、粗大ごみに手を加えれば燃えるごみ・燃えないごみなどとして処分可能になる自治体も多く見られます。粗大ごみでなくなれば粗大ごみシールを購入する必要がなくなるため、事前の確認が重要です。
粗大ごみ以外のとき
捨てたいごみが粗大ごみに該当しないときには、粗大ごみシールは必要ありません。「燃えるごみや燃えないごみ、資源ごみとして処分するときは指定袋に入れて出す」など、自治体によってルールが決められています。
一辺の長さが30㎝を超えるごみを粗大ごみと定めている自治体であっても、一部品目については例外とするケースも見られます。たとえば、傘は資源ごみや不燃ごみ 、じょうろ は素材によって資源ごみやプラごみ、竹ぼうき は切断してから可燃ごみ、フライパン は不燃ごみや資源ごみ、のように例外となる品目は自治体によってさまざまです。
粗大ごみに該当しない品目では粗大ごみシールを買う必要はありませんし、仮に粗大ごみとして出しても引き取ってもらえない場合もあるので注意が必要です。
リサイクル家電のとき
リサイクル家電を捨てるときには、粗大ごみシールは必要ありません。なぜなら、リサイクル家電は粗大ごみに該当せず、自治体での回収は行っていないからです。1998年6月に公布された家電リサイクル法 (特定家庭用機器再商品化法)によって、リサイクル対象家電は小売業者が引き取って製造業者などに引き渡すことが定められています。
さらに、小売業者から製造業者などへと渡ったリサイクル家電は、リサイクルされて資源を有効活用されることとなるのです。
リサイクル家電の対象となるのはエアコン、テレビ、冷蔵庫(冷凍庫)、洗濯機(乾燥機)の「家電4品目」です。家電4品目を捨てるときは粗大ごみにはならないので、購入店や買い替え時の店舗に問い合わせてください。
収集されないごみのとき
自治体で収集不可とされているごみは、粗大ごみシールを貼っても収集してもらえません。
重すぎたり大きすぎたりして戸別収集が困難なごみや、適切に処分できる処理施設がないごみは、自治体では収集を受け付けていないからです。家庭から出るごみのなかでも、自治体による適正な処理が困難な製品は「適正処理困難物」 と呼ばれています。
たとえば、石油、消火器、プロパンガスのように有害性・引火性のあるもの、タイヤ、石・砂・土など処分が難しいもの、スキー板、サーフボードなど長さが180cmを超えるもの、金庫、ピアノ、大型バッテリー、ボウリングの球のように極端な重量物などが、適正処理困難物です。適正処理困難物を捨てたいときには、自分で不用品回収業者や廃棄物処理業者などに依頼して処分してもらう必要があります。
また、事業系の粗大ごみやオフィス家具類など、事業で発生したごみは粗大ごみの対象とはなりません。 事業系ごみや適正処理困難物の処分方法、自治体のホームページや担当課で確認できます。
粗大ごみシールの使い方
粗大ごみシールの扱い方を間違えると、粗大ごみを引き取ってもらえなくなるリスクがあります。
(1)申し込み
(2)購入と貼り付け
(3)粗大ごみの排出
の3つのステップについて、それぞれの注意点とともに解説します。
1.申し込み
インターネットや電話で、「粗大ごみ受付センター」に粗大ごみ収集の申し込み予約をします。粗大ごみ受付センターは自治体ごとに異なっているので、連絡先を自治体のホームページなどで確認しましょう。
通常、申し込みから収集日までは1週間から1か月程度かかるので注意が必要です。収集日がどのくらい先になるかは収集車の回収スケジュールの空き状況次第となりますが、引っ越しシーズンである3月上旬から4月中旬まではとくに込み合って予約しづらくなります。引越しの期日が迫っている場合などは、粗大ごみの収集日が間に合わなくなる場合もあるので注意が必要です。
捨てたい品目の処分料金が自分では分からないときには、申し込み時に料金を確認しましょう。品目名や3辺サイズを伝えると、正確な金額を教えてもらえます。
粗大ごみの申し込みが完了すると、収集日と受付番号を教えてもらえます。
2.購入と貼り付け
粗大ごみの処分に必要な粗大ごみシールを、自治体指定の販売店で購入します。申し込み予約の際に伝えられた受付番号や氏名を粗大ごみシールに記入してから、粗大ごみの上部や側面など、見えやすい場所に貼り付けましょう。
捨てたい品目1点ごと に、所定の料金分のシールを貼ります。布団やカーペットのように剥がれやすい材質のときは、上から透明なテープで補強すると安心です。粗大ごみシールが剝がれてしまうと、回収してもらえなくなるので注意しましょう。
3.排出
予約した収集日の朝に、決められた場所に粗大ごみを出します。「当日の朝7時から8時までの間に排出するように」などと指示される場合もあり、前日の夜に出すのは推奨されていません。ごみへの放火や持ち去りのリスクを避けるためです。
粗大ごみの排出場所は自治体によって決められており、戸建ての場合には家の前もしくは地域によって決められた集積所となるケースが多いです。マンションの場合は、一般ごみとは異なる排出場所を指定されることもあります。
時間と場所は厳守
決められた時間内に、自分たちで粗大ごみを収集場所まで運び出さなければならないというのは、意外な盲点でもあります。
たとえば、一人暮らしの女性などが自分ひとりで大型家具を運び出すのは難しいなので、必要に応じて早朝に家族や友人に手伝いを頼む必要があります。排出された粗大ごみは、16:00ごろまでにごみ収集車によって引き取られていきます。
粗大ごみシール3つの注意点
粗大ごみシールの購入と捨てる流れの中で注意すべき3つのポイントを解説します。
ルールに従っていないときには粗大ごみが捨てられないほかに、時間とお金の無駄使いになってしまうこともあります。
1.返品や交換はできない
一度購入した粗大ごみシールは、販売店での返品や交換ができません。特別な事情がない限り払い戻しできない自治体が多いので、注意が必要です。東京都中野区や杉並区のように、間違えて購入したときの救済処置として払い戻し制度を取り入れている自治体もあります。
粗大ごみシールの払い戻しが可能な場合でも、所定の申請書を作成して自治体窓口での手続きを行う必要があるので手間がかかります。間違って購入するとお金や労力の無駄になってしまうので、粗大ごみシールを買う前に料金を確認しておくことが重要です。
2.現金払い
粗大ごみシールは、現金払いと定められていることが多いです。
通常はクレジットカードや電子マネー、交通系電子マネー、ポイントなどでは購入できないため、現金を持参して粗大ごみシールを買いに行きましょう。
一度の処分で必要な金額分だけ購入し、粗大ごみシールをまとめ買いするのは避けた方が無難です。なぜなら、粗大ごみ処理券は複製防止や処分料金の改変のために数年に1度デザインが変更されるからです。金額が同じなら旧デザインの粗大ごみシールも使用可能ですが、差額が出たときには払い戻しや差額分の購入が必要となるため、無駄な手間がかかる可能性があります。
3.回収手続きは必要
粗大ごみシールを買うだけでは、不用品を処分することはできません。
粗大ごみシールの購入は処分手続きの1ステップにすぎず、申し込み予約や排出などのステップを1つ1つ踏むとようやく粗大ごみの処分が完了します。スケジュールの余裕をもって収集予約を行なったり、粗大ごみの排出時間と場所を守って正しく出したりと、粗大ごみの処分にはこれまでお伝えした注意点を押さえておくことが大切です。
粗大ごみシールを購入する前に。その不用品を自分で部屋から運び出すことかできるのか、自力で運び出せないときには誰を当日何時までに呼ぶべきなのか、そもそも自治体で処分できる品目なのか、といった基本事項にも注意が必要となります。一連のステップを事前にしっかり確認し、スムーズに粗大ごみを処分しましょう。
不用品回収業者なら粗大ごみ処理券不要
不用品回収業者では粗大ごみシールの購入やめんどうな申し込み手続きをすることなく、粗大ごみを引き取ってくれます。引き取られた不用品は提携している処分場や貿易業者を通じてリサイクルやリユースされるため、自治体とは別のルートで処分されるからです。
・1週間以内に捨てたい
・ベッドが家から運び出せない
・5点以上の不用品をまとめて引き取ってほしい
というケースで不用品回収業者が選ばれています。
1.好きな時間にお引き取り
不用品回収業者は自分の都合のよい日時に合わせて、粗大ごみを引き取りに来てくれます。自治体では申し込みから最低でも1週間、長いと1か月以上先にしか予約が取れないこともあり、引っ越しや買い替えで期日が迫っている方には使いづらい制度です。
電話をした当日に引き取りに来てくれたり、土日の夕方など時間の希望にも融通が利きます。不用品回収業者は民間のサービスなので、依頼者の目線に立って年中無休で営業している会社も増えています。
2.家の中から運び出し
不用品回収業者は室内の運び出しからスタッフが行うので、見ているだけで問題ありません。ドアや廊下、階段が狭くて通らないときには部屋で解体してから運び出します。
IKEAやニトリなどの引き出し付きの組み立て式ベッドは8割以上室内で解体作業をしてから引き取っています。ベッドフレームと同時にマットレスや布団、枕もまとめて回収依頼をいただくこともあります。
お見積もりでは解体や運び出し、積み込み、処分費用などお引き取りに必要な内容を含んだ状態で料金を提示いたします。お見積もりか変更がないときには追加料金はかかりません。
3.利用者の声
長年空き家になっていた岐阜市の実家の粗大ごみをまとめてお引き取りしていただきました。お引き取りいただいたのは母が使っていた婚礼家具やベッド、鏡台、食器棚などなど…
名古屋から通って片づけていましたが、粗大ごみの収集日が平日だったことと自分で集積所まで出さなければいけなかったことでどうしようか迷っていました。ネットでたまたま見つけたので相談したら、室内からの運び出しから処分まですべてやっていただけるとのこと。土曜日の午後からでも予約が取れたのもありがたかったです。
作業時にはタンスの中身を確認したり、室内が傷つかないように梱包したりと丁寧な印象でした。1時間もかからずに大型の家具や家電が片付いて助かりました。
(60代女性・名古屋市在住)
担当スタッフより
引き取らせていただく家具や家電をまとめていただけたので、短時間で回収させていただけました。運び出しの導線もすっきりと整えていただけていたことも、安全な回収作業につながりました。
「解体や運び出し、処分までしていただけてこのお値段は安いくらい!」
とのお言葉、スタッフ一同非常にうれしく思いました。
粗大ごみシールのまとめ
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