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セルフネグレクトの原因と対策方法・コロナの影響は

久しぶりに帰った実家がゴミ屋敷に近い状態になっていた、身なりが以前よりもだらしなく見える原因はセルフネグレクトかもしれません。セルフネグレクトになりやすい人には特徴や共通点があります。

この記事を読むとセルフネグレクトの原因が分かり、対策や脱出できる方法が分かります。

セルフネグレクトとは…?

セルフネグレクトは著しく健康状態が悪化し、心や身体のケアをおろそかにしてしまう状態のことをいい、自己放任とも言われています。

なんらかの精神的ダメージや取り巻く環境によって本人の意欲が低下している、もしくは意図的にそのような状況をつくっていることが原因と考えられます。
セルフネグレクトは面倒の延長線上にあるもので、誰にでもなる可能性があります

セルフネグレクトの症状

セルフネグレクト

セルフネグレクトになると基本的に無気力状態で、人と会うことが億劫になります。

「出したら出しっぱなし」「飲んだら飲みっぱなし」「4〜5日入浴しない」「バスタオルを10回以上洗濯せずに使用する」ことが当たり前になり、それに危機感もない状態自身が症状として現れますが、自覚症状はないので、自分からSOSを出したり積極的に改善することは難しいとされています。

上記の生活を続けると部屋はゴミ屋敷状態になり、健康被害も引き起こします。

セルフネグレクトの原因

セルフネグレクトの原因は大きく分けると2つです。
1つ目は無意図的なもので認知症を患う高齢者はこれに当てはまります。
「次の行動を忘れてしまう」「物の位置が覚えられない」など認知症が原因で判断力や認知力が低下し、セルフネグレクトに陥ります。

2つ目は意図的なもので本人の意思が関わっています。失恋や仕事でのストレスなど精神的なダメージが引き金となり、判断力はあっても気力がなくなります。その結果、自己放任が当たり前になってしまいセルフネグレクトに陥ります。

セルフネグレクトになりやすい方

セルフネグレクト

セルフネグレクトになりやすい方は、自己肯定感が低い人はなりやすいです。
自分の個性や考えをうまく表出できない閉鎖的な空間が中心の生活を送っている方です。

セルフネグレクトは状況によって全ての方が発症のリスクを抱えていますが、特になりやすい環境にある方についてご説明します。

専業主婦

専業主婦は外部との接触が少なく、生活に変化や刺激が少ない状況になりやすいです。対人関係を持つことによって「自分の意志や感情を表出する」ことができるのが人間です。
対人関係が少なくなっている主婦の方はセルフネグレクトになりやすい環境にあります。

また、育児で自分にかけられる時間が少なくなっている方も自己肯定感の低下につながりやすい環境です。

大学生

初めての一人暮らしや入学など慣れない環境で生活を送り始めの頃もセルフネグレクトになりやすいです。

今までの生活習慣や人間関係を崩さなくてはいけなくなるという環境自体が強いストレスとなり、自分の意志や本当におこないたいことが制約され、自己肯定感を下げてしまいます。

また、大学に入学したら「恋愛や勉強を頑張りたい」と強く願う学生であればあるほど、現実とのギャップを感じた際に精神的負担が大きくなります。

一人暮らしの高齢者

セルフネグレクト

一人暮らしの高齢者は最もセルフネグレクトになりやすい環境にあります。

病気や長年付き添った夫や妻の、身内や友人の死などが原因となり、生きている意味を見失うケースが多いです。特に買い物や洗濯、運動など特定の習慣がない方は孤独の時間が長くなり、その分セルフネグレクトとなる可能性が高くなってしまいます。

例えば、認知症の診断を受けている方の場合、自分が今から何をしようとしていたのか、何をすべきなのかが分からなくなってしまうと、周囲のサポートがなければ先に進むことができません。

さらに足腰に大きな負担を背負っている方であれば満足に外出することもできないので、誰とも話さない時間も増加し孤独な時間が増えてしまいます。

セルフネグレクト診断チェック10項目

セルフネグレクト

自分や自分の身内にセルフネグレクトが疑われたら以下の項目で当てはまるものを数えてみます。

1.問題を一人で解決しようとする
2.洋服や髪形に無頓着になっている
3.ゴミを部屋に放置するのが習慣になっている
4.部屋では大半をベッドや布団の上で過ごしている
5.最後に掃除した日を覚えていない
6.鏡を見るのは一日に1回以下
7.家の外に行くのが面倒
8.ゴキブリなど害虫がいても気にならない
9.睡眠や食事が疎かになっている
10.休みの日も家に閉じこもりがち

10項目のうち、5つ以上当てはまっている方はセルフネグレクトの疑いがあり、3つ以上当てはまっている方は、セルフネグレクト予備軍、つまりこれからなるリスクが高い状態にあります。

これらの項目をみていただければお分かりかと思いますが、健康的な生活を送っている方であれば意識せずに自然とおこなっている内容ばかりです。

自分がセルフネグレクトにならないために

自分がセルフネグレクトにならないためには社会とのつながりを持つことです。
専業主婦の方であればパートに出たり、趣味を見つけてコミュニティに所属する方法があります。体を動かすと気分のリフレッシュにつながりさらに効果的と言われていますが、運動が苦手な方は手芸教室やピアノなど室内でできる趣味でも構いません。

趣味を持つことよりも大切なのは能動的に動き、人とのかかわりを持つことや外に出る習慣をつけることです。

親や子供をセルフネグレクトにさせないために

セルフネグレクト

孤独死にもつながるセルフネグレクトを予防するため、高齢者の場合は介護保険制度や民生委員など自治体で行われている制度を利用する方法があります。
合わせて親が認知症になっていないかを気付くことも大切で、会話を増やすことも有効です。

認知症の発見は日常の些細な「ん?」から始まります。例えば、冷蔵庫に賞味期限が切れた食材が増えたり、洋服の仕舞い方が雑だったり気になることが増えてきたら認知症のサインかもしれません。
小さなサインを見逃さないことが予防法になります。

役割を与えることもセルフネグレクトの予防になります。
例えば、「ゴミ出しの担当」「食卓に箸を並べる」など簡単なことで構いません。役割があると「自分は大切な存在だ」と思わせることが大切です。

社会的セルフネグレクト対策

地域でセルフネグレクトや孤独死を対策している市区町村もあります。

例えば、岐阜県多治見市は孤独死を防ぐために「孤独死ゼロ/虐待死ゼロのまち協力隊」を発足ました。新聞配達や保険会社など86の業種の方が住民を見守り、新聞が溜まっていたら訪問しセルフネグレクトの早期予防に努めています。

セルフネグレクトは命の危険も

セルフネグレクト

セルフネグレクトは悪化すると命を落とすこともあります。

例えば、食べ物の入っていた容器を放置している部屋では害虫が発生し、感染症を招く危険性があります。セルフネグレクトになると食事や睡眠にすら興味がなくなってしまいます。食事や睡眠の質の低下は栄養失調や免疫力の低下につながります。

自分の健康状態にも鈍感になると疾患に気づかず、手遅れになってしまうこともあります。

孤独死を迎える方の8割はセルフネグレクトと言われており、部屋はゴミ屋敷に近い状態です。ゴミ屋敷は火災の危険もあり、周囲に損害を与えることもあります。

セルフネグレクトから脱出

セルフネグレクト

セルフネグレクトから脱出させるには心理的、物理的の両面からサポートする必要があります。
物理的で一番簡単なのは生活環境を変えることです。
引越して家を変えることや一度ゴミ回収業者に依頼してリセットすることが当てはまります。ゴミ屋敷はワンルームマンションでも30万円以上かかるので、経済的なサポートも必要です。

一度セルフネグレクトの症状で悩むと改善が難しく、元の状態に戻るためには時間がかかります。自身がセルフネグレクトになったときにも身内がセルフネグレクトになったときにも友人や家族の継続的なサポートが必要です。

セルフネグレクトとコロナウィルスの関係は深い

セルフネグレクト

2020年、新型コロナウィルス感染症対策として行われているリモートワークの増加や、外出の自粛によって他者との交流が減少し、セルフネグレクトになる可能性が極めて高くなっています。

セルフネグレクトは特別なことではなく、あなた自身も該当するおそれもある非常に身近なものになってきています。新型コロナウィルス感染症を予防するために「密を避ける」ことは大切なことですが、自己肯定感が下がり、日常生活に支障をきたす方が増えています。

社会人の方で新型コロナウィルスの影響で給料が下がり今までの生活を維持できなくなったことによって強いストレスを抱えていれば、セルフネグレクトになる原因の一つです。

主婦の方で新型コロナウィルスの影響で今までよりも外部との接触が減り、化粧など身だしなみがおろそかになっている場合もセルフネグレクトのきっかけの一つです。

このように、項目の内容が全ての基準でなくあくまで「あなたの生活が変わっているのか」もしくは「状況の変化によって身体的、精神的にマイナスな影響をきたしているのか」を客観的にとらえることも大切です。

セルフネグレクトのまとめ

セルフネグレクトの症状、危険性、解決策をご紹介しました。

セルフネグレクトは自己放任とも呼ばれ自分の生活や身なりに関心がなくなり、ひどい場合には孤独死や疾患など命の危険にもつながる状態のことを言います。主婦や大学生、1人暮らしの高齢者など社会とのつながりが薄い方はなりやすいと言われていますが、新型コロナウィルスの影響で普通に生活していた方もなりやすい状態です。

一度セルフネグレクトになると改善は難しく、根本的に治すには長期的な周囲のサポートが必要です。