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令和時代のリノベーションのニーズとは?時代と共に多様化するリノベーション

令和のリノベーションでの住宅購入の消費者ニーズの変化

一昔前までは、家を買うといったら、ほとんどの人が新築を望んでいました。しかし、最近の傾向としていえることは、ここにきて中古住宅が俄然注目を浴びるようになっていることです。なぜ、中古住宅が注目される背景には、ひとえに消費者の住宅購入に対する考え方や価値観の変化があるからです。

言うまでもありませんが、中古住宅は新築に比べると価格がかなり安いです。しかも、その物件が駅に近かったり、不便なく買い物などができたり、無理のない暮らしができるという好立地であればあるほど、最近の消費者は最初から中古住宅に狙いをつけて、物件探しを行っています。

かつて中古物件といえば、は古い、汚い、住みにくいという印象を抱く人が多くいました。ところが、最近は中古住宅の建物はそのままの状態で、間取りを変えたり、内装や外装を変えたり、設備を新たに導入したりする、いわゆる改築を目的とするリノベーションが人気となっているのです。特に、若い世代を中心にリノベーションは人気となっています。

リノベーションのいいところは、自分の好みに住宅をつくりかえることができる点です。しかも、中古住宅ですから、低価格で購入して、自分たちのライフスタイルや価値観に合わせた空間づくりがかのうですから、リノベーションを終えたときには、新築住宅となんら遜色がないものとなります。

築10年の中古住宅や中古マンションでも、リノベーションを施すことによって、見違えるような住まいに変えることができます。

令和から振り返るリノベーションのニーズの歴史

いまや若い世代を中心にリノベーションは大人気ですが、リノベーションの歴史はそれほど長くはありません。

住宅業界で「リノベーション」が始まったのは、1995年頃からだといわれています。1990年から1991年にかけてバブルが崩壊した後、住宅業界は住宅メーカーだけではなく、建材メーカーもこぞって「リフォーム業界」に進出し、リフォーム業界は一挙に競争が激化しました。リフォームマンション市場が生まれたのもこの頃からです。

リフォーム業界が活況の呈するなか、1995年ころから住宅業界に新しい価値観が登場します。リフォームは、壊れたものや老朽化したものをもとに戻す、住宅の原状回復を目的とするものですが、いまある住宅にもっと付加価値をつけて、まったく新しい感覚で作り替える、つまり、改築を目的とする「リノベーション」という考え方が注目を浴びるようになってきました。

そして1998年、日本で初めてリノベーション住宅が誕生しました。大阪市北区の「クラフトアパートメント北区同心町」です。手がけたのは、大阪府や兵庫県、沖縄県を対応エリアとする株式会社アートアンドクラフトという会社でした。

この年を境に、東京や大阪などの大都心部を中心に、一般住宅や民間アパートはもちろん、オフィスが入居する商業ビル、さらに民間企業の工場や倉庫、映画館などの劇場、学校、飲食店、ギャラリーなど、リノベーションに対するニーズは拡大しはじめました。

2009年になると、「リノベーション」の業界団体である一般社団法人リノベーション住宅推進協議会(現:一般社団法人リノベーション協議会)が設立され、大都市だけでなく、地方へもリノベーションは広がっていきました。

そして、ライフスタイルの多様化や個人の価値観の変化、少子高齢社会の到来など社会的な変化が、住宅に対するリノベーションニーズを一層高める結果となっています。

令和のリノベーションのニーズの多様化

日本社会は少子高齢社会が進展し、全国に空き家が増えています。総務省が2019年4月に公表した住宅・土地統計調査(2018年)によると、全国の空き家の数は過去最多の846万戸であることがわかりました。これは、5年前の2013年に調査したときの空き家の数と比べると、26万戸(3.2%)も増えた計算になります。

住宅の総数に占める空き家の割合も、13.1%と過去最多を記録しています。8軒に1軒が空き家という状況です。そのような状況に国も積極的に空き家の活用を進めています。その施策を支援するかのごとく、「中古住宅+リノベ」という住宅ローンを打ち出す銀行もあり、リノベーションのニーズの掘り起こしに一役買っています。

さらに、前述したように、中古住宅にリノベーションを施すほうが新築住宅購入よりも安く上がることや、内装や外装などのデザインや間取りの空間などを自分の好みに変えることができること、歴史のあるものや古いものに魅力を感じる若者が増えてきたことによって、リノベーションの人気に火がついたかたちになっています。

令和のリノベーションは都市への回帰がニーズを高める

最近、大都市を中心にマンションや中古住宅をリノベーションする方が増えています。とくに、裕福なシニア世代や共働きの若い夫婦を中心にリノベーションを手がける人たちが増加しています。その理由はいったい何でしょうか。

まず、経済的に余裕のあるシニア世代ですが、郊外の自宅を売却して都心へ転居する人が増えています。あるいはなかには地方から都心へ移住してくるシニア世代もいます。彼らの目当ては第一種低層住居専用地域に居を構えることです。

東京都では、目黒区や世田谷区など山手線内の準都市エリアでは、第一種低層専用住居地域が残っています。この地域では建造物の制限が設けられえおり、高層建築物がないため日当たりがよく、住宅も密集していないため、住まいの環境として最高水準にあります。

その地域で中古住宅や新築を購入して、自分たちの終の棲家として暮らしやすい住宅にリノベーションをするわけです。

また、共働き世代の増加のリノベーション・ニーズを高める結果となっています。内閣府の調査によると、共働き世帯数は約1200万世帯で、全世帯数(約5800万)の24%を占めています。共働き世帯数は年々増加の傾向にあります。

彼らの多くは、通勤にかける時間をできるだけ省き、その分、家族の団らんや子育てにつかう余裕のある暮らしをしたいと願っている人が多いといいます。ですから、共働き世帯の住まいとして職場が近い都心のマンションや一戸建てに住む傾向にあります。

しかも、お仕着せの住まいではなく、自分たちの価値観を盛り込んだ、快適で暮らしやすい住まいを求めています。そうしたライフスタイルがリノベーションのニーズを高める一因となっています。

令和のリノベーションの社会的なニーズ

リノベーションのニーズの高まりは、何も一般住宅だけではありません。コミュニティの再生やまちづくりなど、社会的な課題の解決にリノベーションは一役買っています。

リノベーションによって地域コミュニティが再生されたり、新しいまちが誕生したりすれば、その地域のエリア価値は高まります。そうすると、そこには新しい人たちが自然と集ってきます。人が集まれば、まちは活気づきます。

そうした取組は、2011年頃から全国の約50都市で始まっています。いわゆる「リノベーションによるまちづくり」です。リノベーションによって、おしゃれなカフェや各種店舗、公園や温泉などの娯楽施設が生まれ変わったようになっています。リノベーションが、地域全体を盛り上げる原動力となっているのです。

こうしたリノベーションまちづくりのニーズを高めてきたのが、「リノベーションスクール」の存在です。2011年に北九州市の主催で始まりました。講師は、リノベーション業界で活躍する第一線級の実務家を揃えています。リノベーションスクールで学んだことをもとに、リノベーションまちづくりの輪が全国に広がっています。

令和のリノベーションは時代とともにニーズが変化する

時代は平静から令和に移り変わり、住宅に対する考え方も、家は「新しいものがいい」時代から、「自分らしく住まう」に変わりつつあります。

では今後、リノベーションはどうなっていくでしょうか。

リノベーションは特別ものでもなんでもなく、リノベーションをするのは当たり前の時代になっていくでしょう。令和は少子高齢化がさらに進み、空き家の数も増えていくのは確実です。それにつれて、住宅のニーズも変わっていくはずです。消費者は自分のライフスタイルや価値観を追求した住宅を求める傾向が、これまで以上に強くなっていき、新築よりも既存の中古住宅をリノベーションやリフォームするという動きが広まっていくでしょう。

リノベーション業界は、住宅メーカーや建材メーカー、設計事務所だけではなく、さまざまな魚介からの新規参入が相次ぎ、より競争が激化するでしょう。住宅市場も、新築仏家の需要減を見込んで、中古住宅のリノベーションやリフォームが主流になっていくのではないでしょうか。