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家の解体費用は80万円以上―内訳と10万円以上安くする3つの方法

相続した実家の処分や建て替えて新しくしたい。そう思っても家を解体するにはどのぐらい費用がかかるのか、どのような流れで解体作業をしていくのか、分からず行動へ移せない方も多いのではないでしょうか。

この記事では家の解体費用や作業の流れ、10万円以上安くするコツと解体しない方が得する家の特徴をご紹介します。
最後まで読むと自分の状況と家に合った選択肢とまず何をしたらよいかがわかります。



【監修】遺品整理士協会認定 遺品整理士
片山 万紀子

祖父の遺品整理をきっかけに遺品整理や不用品回収に興味を持ち、遺品整理士協会認定・遺品整理士の資格を取得。ReLIFE(リライフ)のディレクターをする傍ら、年間600件以上の遺品整理に携わる。遺品整理を通して「ありがとう」という言葉をいただけること仕事のやりがいとしています。


家の解体費用

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家の解体費用の半分以上は家の大きさ・構造によって決まってきます。
敷地が広いほど解体する面積、手間、時間そして人件費がかかりますし、硬い構造で作られている建物は重機を使用するので、工数が増え金額も高くなります。

また、立地や依頼する業者によっても費用が左右され、解体作業の他に付帯工事費用も発生します。

坪数別の解体費用・事例

家の解体費用は「坪数×構造」で概算料金が出すことができます。
目安としては木造建築「3~5万円/坪」、鉄骨造「4~6万円/坪」、RC造「6~8万円/坪」で、坪数と構造で表にすると以下のようになります。

構造の見分け方や木造建築の解体料金が最も安い理由は、次の項でご紹介します。
単位:万円

木造 鉄骨 RC造
20坪 80~100 120~140 120~160
30坪 120~150 180~210 180~240
40坪 160~200 240~280 240~320
50坪 200~250 300~350 300~400
80坪 200~300 300~500 500~800

費用の内訳と流れ

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家の解体では工程ごとに費用がかかり、依頼する業者の数によって支払いのタイミングと時期も異なります。

例えば、家財の撤去は遺品整理業者へ依頼し、解体作業は解体専門業者に依頼した場合には各業者に2回支払うタイミングがあります。ハウスメーカーや解体業者に家財の撤去から家の解体、廃材の処分までを全て任せる時には、支払うタイミングはすべてが完了した時の1回になります。

見積もりと契約

家の解体が決まったら、まずは解体業者に見積もりを依頼しましょう。
見積もりは目視だけなので無料です。

家の構造や立地や家財の残り具合によっては数十万円単位で価格が変わるため、解体業者は必ず現地を訪問し、見積もり金額を出します。
解体業者が決まったら日程や作業内容の詳細を確認して契約を行います。

家財の撤去

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解体する前に家の中にある家財一式は撤去します。

自分たちで撤去することが難しい場合は、不用品回収業者や遺品整理業者に依頼する方法もあります。解体業者が家財の撤去から解体まですべて請け負う場合もあり、このケースでは、見積書に「家財撤去費用」などと記載があります。
解体業者は提携している不用品回収業者を利用するケースも多いです。

自身で不用品回収業者を直接手配した場合には、家財撤去作業が終わった後に「家財撤去費用」として不用品回収業者への支払いが発生します。

家財撤去費用は物の多さに比例し高くなり、2tトラック1台あたり約8万円です。
30坪程度の家では約40〜60万円、60坪と物置で約60〜100万円ほどかかります。
料金に差があるのは不用品回収業者を利用した場合、価値のあるものはリユースやリサイクルされるため、廃棄処分費用がかからないからです。

遺品整理業者に依頼した時の料金は【遺品整理料金と安くする4つのコツ】をご覧ください。また、遺品整理業者の選び方は【遺品整理業者の選び方3つ】をご覧ください。

不用品の処分は【空き家の不用品処分2つの方法】でも紹介しています。

解体作業開始

家の解体工事は取り掛かってから更地になるまで21日程度かかり、一般的には以下の手順で進められます。

解体当日はまず足場を組んで、防音シートで家全体を覆います。これは近隣住居への粉塵や防音を抑えるためです。解体工事を行うにあたり騒音・振動は避けることができません。特に振動は近隣の建物にひび割れ被害を与える可能性もあります。

環境省では工事の騒音・振動に関わる法律があり、それぞれ基準値が定められています。
・騒音規制法:85dB以下
・振動規制法:昼間(AM8:00-PM7:00)は60db、夜間(PM7:00-AM8:00)は55db以下

防音や仮設トイレの設置など解体に必要な準備が整ったら、室内の内装材やドアなどの建具、設備機器、備え付け家具を手作業で取り外し、壁を壊しやすくします。室内が空になったら、骨組みである梁や柱、屋根を重機を使って外側から解体します。

土地の上の建物の撤去ができたら、最後にコンクリートで作られた基礎部分を掘り起こして撤去し、整地します。

その他解体費用

解体作業には以下の費用がかかりますが、解体費用として作業終了後に一括で請求されます。
・人件費(解体作業に関わる人の費用)
・仮設工事費(足場を組む費用や仮設トイレの設置費用)
・諸経費(道路使用許可書などの届出)
・付帯工事費(庭の樹木や塀、物置など建物以外の部分の撤去工事)
・廃材処分費(木材や断熱材、屋根、基礎のコンクリートなど)
・整地費用(解体後の土地をきれいに整えるための費用)

廃材処分費用

家の解体,費用

解体した時に出る廃材はその都度、コンテナ車に積み込まれ処分場へと運ばれます。
廃材は産業廃棄物に分類され、解体工事費用の半分近くを占めています。

廃材の種類によって処分価格が異なり、目安は以下の表の金額になります。

廃棄品目 料金(㎡)
コンクリートガラ 5,000円〜
タイル・ガラス 25,000円〜
石膏ボード 15,000円〜
木屑 5,000円〜

例えば、30坪の家を解体した場合は4トントラック、5台以上の廃棄物が出るといわれており、廃材処分費用だけで60万円以上になります。また、間取りによっても廃材の量が変わり、間仕切りや窓ガラスの多い家は内装材が多いので廃材の量が増えます。

廃材処分の費用は解体業者に支払う料金に含まれていますが、大手の解体業者や建設会社では解体工事自体を下請け業者に委託しているケースもあります。その場合、仲介手数料が上乗せされています。

見積書に記載されている、廃材処分料金が相場価格よりも30万円以上下回る業者は不法投棄など違法な処分方法で費用を浮かせている場合があるので、処分方法を聞いて、納得してから契約することをおすすめします。

お祓いは必要?

家の解体,費用

解体時のお祓いは行う決まりはありませんが、行ったほうが気持ちの整理が付けられます。

日本では古くから新たに家を建てるときのお祓いとして「地鎮祭」が行われ、家を取り壊す際には「解体性清祓(かいたいきよばらい)」が行われてきました。これらは古くから受け継がれてきた宗教的な儀式の一環で、科学的根拠はなく義務付けられたものではありません。

ご自身や大切な人が住んでいた家など、その家に思い入れがある場合や気持ちの整理をつけたい方はお祓いをおすすめします。

お祓いは神社の神主や宮司へ依頼するのが一般的で、解体の前日までに済ませます。
費用の相場は総額で5〜6万円程度です。費用の内訳は

・初穂料:2〜3万円
・出張費:1〜2万円
・お供物やその他お祓いに必要な準備費:0.5〜1万円

となります。お供物など自分たちが準備するものは依頼する神社へ確認が必要です。
家の供養と遺品の供養を同時にしてもらう単独供養を行う方法もあります。【遺品の供養と手順

家の解体費用は4つで決まる

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解体費用を決める要素として「構造」「立地」「業者」「アスベスト/地中埋蔵物」の4つがあります。この要素ごとに数十万円以上変わる場合があります。

立地や構造、アスベストなどの要素は変えられませんが、業者は自分で選択することができます。

1.構造

建物の構造や階数によって解体費用は1坪あたり3万円以上変わります。

相場価格は1坪当たり、4〜8万円程度で、建物の構造は大きく分けて「木造」「鉄骨造(S造)」「RC造(鉄筋コンクリート造)」の3つがあり、坪単価にも影響されます。

木造 鉄骨造 RC造
坪単価 4〜5万円 6〜7万円 7〜9万円
特徴 主な構造部分に木材が使用されている 柱や梁など骨組みに鉄筋を使用した構造 柱や梁、床・壁が鉄筋とコンクリートで構成されている。
メリット 吸湿性や通気性が高く日本の気候に適している 木造より強度が高い 最も強度が高く耐震性・耐火性に優れている。気密性や遮音性も高い。
デメリット 遮音性と気密性が低く鉄骨造に比べ冷暖房の効きが悪い 鉄骨自体は火に弱く、火事になると燃え広がりやすい 通気性や調湿性が低い。
見分け方 2階建てで三角屋根の家であれば90%の確率で木造の可能性が高い フラットな2階建て住宅で外壁に60cm程度のパネルが貼ってある 鉄骨造と似ているが屋根がフラットでパネルが貼られていない

RC造はさらに2つに分類されます
・RC造(Reinforced Concrete):鉄筋コンクリート造
・SRC造(Steel Reinforced Concrete):鉄筋鉄骨コンクリート造
どちらも鉄筋が使われ、耐震性の面でみてもコンクリート造が最も建物の安全性や耐震性能が高いといわれていますがその分、解体にかかる手間や時間がかかります。

つまり硬い構造でできている建物ほど解体に手間や時間がかかり、
費用は 木造 < 鉄骨造 < RC/SRC造 の順で解体費用は高くなります。

また建物の階数(平屋/2階/3階建て)によっても費用は変わってきます。
例えば、同じ専有面積でも2階建てよりも平屋の方が解体費用は高くなります。家が地面と接している部分が多いので、その分基盤を壊すのに時間がかかるからです。
また、3階建て以上の構造では鉄骨や鉄筋が使用されるので、その分大型重機が必要になり解体費用は高くなります。

2.立地

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立地によっても数万円以上の解体費用が変わってきます。

特に費用が高くなるのは、隣に家との間に距離が50cm以下の時や旗竿地のように道路から家に入るまでの道が一人しか通れないほど狭い立地の時です。

その他にも
・解体する建物が奥まった場所や高低差のある場所に建っている
・商店街や繁華街など常に人通りがある場所や交通量が多い幹線道路に面している
等は解体費用が上がりやすい立地です。

上記のような場合、重機やトラックの進入や停車が難しく、重機の使用ができない解体工事には「手壊し解体(人力解体)」が行われます。解体費用が重機を利用できる一般的な解体工事と比較すると2〜3倍の費用と工数がかかります。

警備員の必要性家の取り壊しにともない道路にて車両や歩行者の通行を妨げるような作業を行う際は道路交通許可を取る必要があります。道路交通法では警備員に関する記載はありませんが、ほとんどの自治体では警備員を配置することを必須としています。

また、道路使用許可を取らない場合も解体工事会社の安全対策や近隣対策で警備員が配置される場合があります。

警備員の費用は解体業者から警備会社へ派遣を依頼するのが一般的で1日当たり1.5〜2.5万円が相場価格です。警備員を配置する費用も解体業者へ支払う費用に含まれているケースが多いです。

3.業者

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依頼する業者によって数万〜数十万円以上の解体費用が変わってきますが、価格だけで選ぶことはおすすめできません。

価格の差は業者によって所持している重機や所属している職人の人数の違いからうまれます。

見積書には含まれていないサービスもあります。
例えば丁寧な解体業者は契約後に近隣へ「解体工事のお知らせ」をポスト投函して近隣へ通知するなど配慮が行き届いており作業中のマナーも良い傾向にあります。

4.アスベスト・地中埋設物の有無

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建物にアスベストが使われている場合や地中埋蔵物が含まれる建物は20万円以上解体費用が高くなります。

アスベストは悪性中皮腫や肺がんなどを起こす発がん性物質ですが、1975年(昭和50年)以前の建物は防音材・保温剤・断熱材などの建築材や屋根、壁、間仕切り材、床、天井など幅広く使用されていました。

アスベストを含む物件を解体するときは「除去工法」が用いられます。アスベストが周囲に飛散しないよう隔離し真空圧縮させて処理しやすくします。その際、作業員は特殊な防塵マスクと防護服を着用し注意を払って作業を行います。

解体する家が対象か調べるには、解体業者の現地調査にてアスベスト含有調査も行ってもらうことです。そのほか、家を建てたときに施工した工務店やハウスメーカーになどに問い合わせ、設計図書を確認する方法やアスベスト調査の専門家に依頼することも可能ですが別途費用がかかります。

アスベストはスレート瓦や外壁塗装、内装の天井や壁の断熱材の解体時に見つかることが多く、途中で見つかったときには追加の処理費用がかかります。
処理費用の目安は面積により単価が異なります。

処理面積 単価
300㎡以下 2〜8.5万円/㎡
300〜1,000㎡ 1.5〜4.5万円/㎡
1,000㎡以上 1〜3万円/㎡

解体費用を安くする

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解体費用は自分でできる部分は自分で行うと安くなります。
解体費用の多くは作業料や人件費などで、消耗品ではないため安くできる幅が広いことが挙げられます。

以下の事項を行うと数万円以上は安くなります。

業者に直接交渉する

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仲介業者やハウスメーカーではなく解体業者へ依頼することにより、中間手数料がカットされ、費用を抑えることができます。
仲介手数料は本来の金額に20〜30%が上乗せされており数十万円以上になることもあります。

良い解体業者のポイントを7つご紹介します。
① 必要な許可を得ている
解体工事を行うには「建築工事業」「土木工事業」「とび・土木工事業」「解体工事業」のいずれかを所有しているか「解体工事業登録」がされていることが前提です。

② 解体業者の所在地は明確
解体業者の所在地が明確になっていない場合や、所在地が明らかでも住宅用のマンションの一室や一般家屋などの場合はタウンページで登録されているかを確認し、解体業者として正式に登録しているか確認します。

③ 重機を所有している
保管場所が無いなど重機を所有していない場合はリース費用も上乗せされ、高くなることもあります。

④ 産業廃棄物の管理伝票を発行し、写しを提出できるか
管理伝票には産業廃棄物の種類、量、運搬業者名、中間処理業者名、最終処分業社名などが記載されており、解体工事で発生した産業廃棄物がどのような流れで処分されるのかがわかります。不法投棄されてしまうと解体業者だけでなく依頼主も罰せられますので口頭ではなく必ず「写し」を提出してもらいましょう

⑤ 保険に加入している

解体作業は重機を使いますし、足場を使って地上から2メートル以上の高所で作業することもあります。

隣の家の壁を傷つけてしまうリスクも抱えていますので、必要な時に十分な補償がされるか確認します。

電話対応

まず問い合わせをする際、依頼主が業者と接するのが電話です。
対応が雑な場合や言葉遣いが悪い、折り返しの連絡が来ないなどの業者は今後トラブルにつながりかねないので避けたほうが無難です。

自分で家財整理・建物消失登記を行う

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解体する前の家財撤去や建物消失登記を自分で行うと費用が抑えられます。

家財撤去や建物消失登記などの事務手続きまで全て請け負ってくれる解体業者や不動産業者は便利ですが、時間に余裕があり費用を抑えたいのであれば手続きも自分で行うのがおすすめです。

また、家財整理は不用品回収業者を自分で手配するだけでも効果があります。

建物消失登記は建物の解体後、1ヶ月以内に行わなければなりません。
1ヶ月以上放置しておくと処罰の対象になり、10万円以下の過料となります(不動産登記法 第164条)。
手続きは自身で法務局へ出向くか、土地家屋調査士に依頼して手続きを代行してもらいます。土地家屋調査士に相談する場合は4〜5万円の費用がかかり、通常1〜2週間程度の準備期間を要しますので解体後すみやかに手続きを始める必要があります。

自身で行う場合は登記簿謄本の取得費用(1通1,000円)程度ですみます。

流れは5つです
① 法務局において登記簿謄本を取得し登記内容を確認する(オンライン申請可)
② 建物の消失登記の申請書を法務局で入手する(ダウンロード可)
③ 取り壊し証明書と解体工事会社の印鑑証明、解体工事会社の登記簿謄本を解体工事会社から受け取る
④ ①〜③の書類を法務局へ提出する
⑤ 書類提出から約1週間程度で登録完了証が発行される
法務局の混み具合によっては1週間以上かかることもありますので、余裕をもって手続きをします。

相見積もりをとる

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引っ越しと同じく解体費用は相見積もりを取ることが大切です。

最低でも3社から相見積もりを取り、価格以外にサービス・含まれる内容を比較検討しましょう。選ぶ3社は大手・地元の業者・知り合いの業者など違うところから取るのが望ましいです。知り合いの業者同士を競わせるのは道徳的にはあまりおすすめしません。

業者の閑散期に依頼する

毎年6〜9月頃は解体業者の閑散期なので、期日に余裕があるならこの時期に着工依頼すると安くなる可能性が高いです。

建設業界は12〜3月の時期にかけて決算や年度末に向けて公共工事が多くなるなどの事情から忙しくなります。また年内に終わらせたいという依頼は秋頃から依頼が増え、積雪の時期は解体作業に支障をきたし工期が延びて追加費用が発生します。

よって繁忙期から外れた6〜9月が価格交渉しやすい時期となります。

閑散期に解体着工する場合には解体を決めたら、早く見積もりを依頼します。
「どうしても来月までに解体を終わらせたい」などの急な要望は、費用が高くなる要因となります。

例えば「半年以内をめどに解体が終われば工事のタイミングはいつでもよい」といった日程に余裕を持たせると「6月には余裕ができるのでその時期であれば安く工事を受けられます」といった交渉が可能です。余裕を持った日程で依頼しましょう。

家の解体費用が払えない

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基本的に家の解体費用は一括で支払いますが、解体して家を建てる場合や解体後に売る場合、数十万円以上のまとまった金額が用意できないこともあるのではないでしょうか。

まとまった資金がすぐに用意できない時には、ローンや補助金制度をうまく活用することもひとつの方法です。

解体費用で組めるローン

解体費用はローンを組むことができ「新居の住宅ローンに組み込む」「空き家解体ローン」「フリーローン」の3種類があります。

解体後に新築工事をする場合は、解体費用を新居の住宅ローンに組み込むことが可能です。一方、解体後に土地を売却する場合は空き家解体ローンもしくはフリーローンを利用できます。
空き家解体ローンは増えつつある空き家対策として政府からの申請により提供されている空き家解体のためのローンです。地方銀行やJAバンクなどで取り扱われていますが金融機関によって「空き家」の定義や売却前の解体は適用外など、条件が異なります。

フリーローンは利用目的が定められていないローンです。金利が2%~と低く、取り扱っている銀行が多い一方、審査が厳しい種類のローンです。
例えば横浜銀行では年齢制限や安定収入の他に居住地などの審査があります。

金融機関の一例
巣鴨信用金庫 無担保住宅ローン
埼玉りそな銀行 りそなリフォームローン
JAバンク千葉 リフォームローン

補助制度を利用する

家の解体費用に対する国からの補助制度はありませんが、各地方自治体では助成金を設けている場合もありますのでいくつかご紹介します。

東京都足立区
足立区では木造住宅が密集している地域に対して「木密地域不燃化10年プロジェクト」を推進しています。その一環で古い家の解体費用や建て替えや固定資産税等の減免が行われています。木密地域不燃化10年プロジェクト

神奈川県横浜市
横浜市では耐震性が不足する木造住宅などの除去工事費用を市が補助しています。
住宅除去補助制度

千葉県市川市
空き家問題の対策として空き家の除却・活用事業に対して補助金が創設されています。
条件に合えば費用の1/2が補助される場合があります。
市川市空家除却・活用事業補助金について

申請手続きは解体工事を行う前に申請する必要があるため注意が必要です。詳しい手続き方法や申請書類は解体したい建物のある自治体の役所にてご確認ください。

解体すると得する家

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家には解体すると得する家と損する家の2種類があります。
解体後の活用方法がきまっていない時には、解体前に自身の家はどちらに当てはまるのか確認すると後悔が減らせます。

土地として価値がある

主要な駅から徒歩10分以内や人気の小学校区など、土地として価値がある場合には更地にすると早く売れやすい傾向にあります。更地なら「すぐに建物を建てることができる」「土地の広さや形がイメージしやすい」点が魅力につながり、早く買い手が見つかる可能性が高いといわれます。

築年数が20年以上

不動産業界では一戸建て住宅の価値は築20年ほどでなくなると言われています。理由は、財務省の減価償却資産の耐用年数に関する省令で木造住宅の耐用年数を22年と定められているためです。

あくまで耐用年数は税務上の減価償却のための数字ですので、建物寿命が尽きたというわけではありませんが、家は人と同じく年月が経てば経つほど傷みや不具合が発生します。築20年以上になると壊れやすい設備はキッチンやお風呂など水回りの設備です。

耐用年数の目安を以下の表に示します。

屋根 20〜40年 スレートは10年、瓦の点検は10年おき、ふきかえは30年
外壁 20〜40年 塗り替えは10年おき
30年 素材が塩ビタイルなど
内壁 30年 材質による
天井 30年 材質による
内部建具 40〜60年 材質による

古い建物ごと売却すると後でその建物についてクレームが入る可能性がありますが、解体することで建物についてのクレームやトラブルを防ぐことができます。

解体すると損する家

税金面や建築条件の面で比較した時に解体すると損する家があります。
解体後の用途が決まっていない場合に影響しますので、以下の3点を確認してから解体するか判断するとよいでしょう。

固定資産税が上がる

家を解体すると固定資産税が上がります。固定資産税は所有する固定資産に対して課せられる税金で、固定資産の所有者が支払います。住宅が建っている土地は住宅用地とよばれ土地にかかる固定資産税が軽減されるという特例(固定資産税の軽減措置)があります。解体工事をすると非住宅用地とみなされ特例から外されます。そのため支払う固定資産税が上がったように見えるのです。

解体前と後での固定資産税は地域や面積にも変わりますが、最大で4〜6倍程度になることが予想されます。

例えば30坪の家屋で下記の条件の場合で計算すると、以下のようになります。
土地:面積150㎡、課税標準額570万円
家屋:面積100㎡、課税標準額270万円

固定資産税(課税標準額×0.014)
土地:5,700,000×0.014 = 79,800
家屋:4,000,000×0.014 = 70,000
合計:168,000円

最初に土地の評価額を求めます。土地の評価額は、路線価(円/㎡)×面積で計算します

例えば路線価にて確認した数字が「228000」の道路に隣接する土地150㎡の場合は
土地の評価額=22.8万円/㎡×150=3,420万円 となります。

次に課税標準額を求めます。計算式は
土地の課税標準額 = ①土地の評価額(=路線価×面積)×1/6(②小規模住宅用地の軽減措置)
※土地の面積が200㎡以下の場合は小規模住宅用地となります
以上より算出した数値を当てはめると冒頭の課税標準額と同じになりました。
土地の課税標準額 = 3,420万円×1/6 = 570万円

家を解体すると②の軽減措置と家の固定資産税がなくなりますので
土地の評価額×0.014 = 34,200,000×0.014 = 478,800円
となり、今まで(79,800円)の6倍になります。

売却時の税金が高くなる

土地を売却した時に税金が高くなることもあります。理由は不動産を売却すると「所得税・住民税・復興特別所得税」がかかるためで、特に所得税と住民税に大きな影響が出ます。以下のように算出します。

譲渡所得 = 収入金額 – 取得費 – 譲渡費用

例えば1,800万で買った不動産(取得費)が2,000万で売れて(収入金額)、仲介手数料などの費用が100万円かかったとします(譲渡費用)。
譲渡所得は 2,000 – 1,800 – 100 = 100万円 この100万円に税金がかかります。
「所得税」「住民税」「復興特別所得税」の3つを合わせた税率は不動産を所有していた期間が5年以下なら約39.63%、5年超なら20.315%です。
よって、所有期間が5年以下の場合約39万円、5年超なら約20万円ということになります。

再建築不可・既存不適格の土地

再建築不可とは「家を新築することのできない土地」を指します。再建築不可物件の家は一度取り壊してしまうと更地の状態から家を建てることができません。理由は建築基準法第42条に規定されています。

再建築不可の土地であるか調べるには、その土地がある地域の役所で確認することができます。その際は以下の書類を準備しておくとスムーズに確認してもらうことができます。書類はすべて法務局の窓口やオンライン申請により入手が可能です。
登記事項証明書
(不動産登記簿謄本) 土地の所有者名、住所、建造物の面積や構造、建てた年月日などが記載されている証明書
公図 土地の大まかな位置や形状を表した図面で、不動産登記などを行う際に利用される地図です
地積測量図 土地の測量結果について記載した書類です
建物図面 建物が建っている場所・形について記載されている図面

既存不適格とは建築基準法に違反しているが特例により違法建築ではないとされている建物を指します。建築基準法第3条2項では、建築基準法及び施工令が施工された時点において完成もしくは工事中の建築物については法律に適合しない部分があっても違法建築としないという特例があります。

多くは、容積率の縮小によって新しく家を建て替えると床面積が今よりも小さくなってしまうケースです。建築時には適法だったとしてもその後の法改正や都市計画の変更によって現行法に適さなくなってしまった建築物を指しています。

家を解体せずに活用する3つの方法

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家を解体せずに活用する方法を3つご紹介します。解体費用をかけず収益化できる場合もあるので検討する価値があります。

リフォームして住む

まだ住める状態であればリフォームして自分たちが住むという選択肢もあります。
これは再建築不可の物件に有効です。30坪ある木造建築の解体費用は少なくとも120万円はかかりますが120万円前後でできるリフォームには以下のような作業が挙げられます。
・床の張り替え(和室から洋室へ変更)
・間取りの変更(壁を撤去し1部屋にする、ウォークスルークローゼットの設置など)
また、自分でDIYするとより安く費用を抑えることができます。

家付きで売却する

家付きで売却するメリットは、解体費用がかからないことです。また税制面で古い家は財産価値が低く、固定資産税や都市計画税の軽減措置を受けることができます。そのため早期に売却できない場合も金銭的負担が軽くすみます。

家付きで売却する方が向いている条件としては
・立地(周辺環境)が良いこと
駅からの所要時間(徒歩10分以内)や徒歩15分圏内に買い物に便利なショッピングセンターや総合病院があるなど生活利便性が高い場所は人気があります。

・築年数10年以内
一般的に家の価値は築10年になるまでに新築の半分、築15年で新築の約3割、築20年を超えると価値がなくなるといわれています。

・日当たりが良い
南向きの物件は人気が高く、また角地の場合は風通しも良いので資産価値が高くなります。しかし日当たりや風通しは周辺の建物の状況により変化しますので近隣に大規模開発が予定されていないか調べておく必要があります。

賃貸に出す

家を解体せずに賃貸に出す方法もあります。
賃貸に出すメリットとしては、不労所得が得られることです。自身がオーナーで物件の管理や維持も行う場合は家賃がそのまま手元に入ります。そして空き家リスクを回避することもできます。

反対にデメリットやリスクは、入居者とトラブルが起こるもしくは入居者がトラブルを起こす可能性があることです。リフォームや設備投資に費用がかかり必ずしも借り手が見つかるとは限りません。さらに不動産会社へ管理や借主との事務手続きを委託する場合は家賃から手数料が引かれます。

賃貸に出せる条件は売却と同様に賃貸の需要が見込める地域(立地が良い)であることや築年数が浅い、日当たりが良いことが挙げられます。これらの条件にふまえ、その地域の家賃相場より低く設定することにより借り手がつきやすくなりますが、相場より高く条件があまりよくないとなかなか借り手がつかないでしょう。

例えば、東京都足立区にある約30坪の戸建てでも北千住駅(JR,東京メトロ)から数分の立地にあれば家賃は25万円ほどですが、JR亀有駅から徒歩8分ほどの物件の場合は家賃が10万円前後になります。

家が空き家になっているときは放置すると倒壊のリスクも潜んでいますし劣化のスピードが早くなりますので、正しい方法で【空き家の管理】が必要です。また、上記3つ以外にも【空き家を活用する方法】をご紹介しています。

家の解体費用のまとめ

以上家の解体費用と内訳、解体までの流れをご紹介しました。

家の解体では家財の撤去や家屋の解体の他に法務局での手続きが必要なケースもあり、業者を利用せず自分で行うことで費用は10万円以上安くすることもできます。

立地や家の状態によっては解体すると損する場合もありますので、親族と情報を共有し、周囲の意見と業者の意見を参考に判断することをおすすめします。